2025年08月29日

最低賃金が過去最大の引き上げ

岩手県 最低賃金大幅引き上げ
【NHK盛岡電子版 08月29日 16時16分】

岩手県の最低賃金が1031円に引き上げられる見通しになったことについて、達増知事は29日の会見で、人件費の価格転嫁や生産性向上のための支援に、より力を入れていく考えを示しました。

岩手県の最低賃金を巡る県の審議会は28日、今の時給の952円から79円引き上げ、初の1000円超えとなる1031円とするよう、岩手労働局長に答申しました。

一方、使用者側は、「引き上げ額に根拠がなく、納得どころか理解できない」と述べて、採決前に全員が退席するなど反発を見せました。

賃上げを巡る動きについて達増知事は29日の会見で「非常に思い切った額と受け止めている。全国的な政策の流れの中で、非常に大きな一歩を記した」と述べました。

そして「賃上げというのは、地方の中小企業にとって経営を圧迫するものだ。特に地方の中小企業の価格転嫁は、消費者向けの価格転嫁だけでなく、大企業向けの価格をなかなか引き上げられない課題がある」と述べたうえで、価格転嫁に向け県として取り組みを進めるとともに、生産性の向上のための支援により力を入れていく考えを示しました。


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【岩手日報 8月29日朝刊第一面】


過去最大の最低賃金引き上げ受け中小企業に経費支援へ 京都府
【NHK京都電子版 08月29日 17時31分】

京都府は中小企業の最低賃金の引き上げを促すための事業として2億8000万円を今年度の9月補正予算案に計上します。

具体的には、その企業の最低賃金を64円以上引き上げる予定の中小企業を対象に、経営を強化するための機器や設備などを導入する費用の一部を補助するということです。

西脇知事は「今回の引き上げ幅はかなり大きくなった。最低賃金はただ決めればそれが守られるということではなく、実現のため中小企業の経営基盤強化が必要だ」と述べました。


今回の最低賃金額の引き上げの答申の流れを作ったのは石破政権である。最低賃金の引き上げと経済の活性化は両輪で行わなければいけないはずだが、賃金の上昇を優先した石破政権は全くの片手落ちである。それで石破首相は自画自賛しているのだから話にならない。

岩手県は審議会において事業者側が採決で全員退席するという異常事態となった。この上げ幅がどれだけ中小企業にとって打撃となるかということの査証である。

しかし、達増知事はこの退席について会見で触れないばかりか、労働者側に寄った「大きな一歩を記した」という表現をしていることは私はかなり違和感を感じる。

京都府の対応についての報道では即座に具体的な中小企業対策を補正予算を発表している。これぞ行政の在り方だと思う。達増知事ば漠然とした感想しか述べていないのとは天と地の差がある。果たして本県はどのような対応をいつするのであろうか。
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2025年08月27日

異論が出て当然

先日、今後の県立高校に関する地域検討会議(第2回)が奥州市役所江刺総合支所で開催され県議としてオブザーバーで参加しました。

今回は具体的な内容が記された第3期県立高等学校再編計画(当初案)が示された会議でしたので、各委員からは厳しい指摘が相次ぎました。

佐藤善仁一関市長と私は具体的な打ち合わせをしていないにも拘わらず、まったく同じ問題意識でした。
佐藤市長は人口密度が低い地域の高校を「地域校」として位置付けたのは評価をするとしながらも

1)大東高校が令和8年に普通科1クラス減、令和9年度に情報ビジネス科入学募停止と二年連続の減措置をするのは地域の頑張りを評価することなく行うことは、前提としている「地域校」の考え方に沿うものではない。固有名詞(学校名)が先んじて出ればネガティブな印象付けがされてしまう。

2)生徒数の希望を推計値で判断するのはおかしい。計画を策定した基準年から実数値で判断すべきである。
→今回新たに複数の小学科・学科を併置する学校・学科系の募集停止に関して県教委は新たに入学志願者の数が2年連続して10人以下となった場合、原則として翌々年度から募集停止というルールを決定した。
しかし、大東高校の情報ビジネス科、金ヶ崎高校はこれに該当ぜず、県教委の推計値で独自に判断して計画を策定した。この件については高橋金ヶ崎町長も金ヶ崎高校を例に出して指摘をされていました。

県教委の西川課長は検討するとの答弁でしたので、今後の検討具合はあらゆる機会を通じてチェックをしていきます。

会議の後、一関市関係者の皆さんと意見交換しましたが、一関二高について何ら対応策が示されないことを互いに指摘をされて問題意識が共有されましたのでその件も詰めていくことにします。
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2025年08月24日

ILCの勉強会、山本均先生と吉岡正和先生

先週の19日に岩手県議会・宮城県議会ILC建設実現議員連盟の勉強会を盛岡市内で東北大学名誉教授の山本 均先生から、22日には一関商工会議所内に設置されているRIP(両磐インダストリアルプラザ)主催の勉強会では吉岡正和先生を講師として「ILCの現状について」講演頂きました。

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山本先生からはこれまでのILCに関わる経過について詳細な解説とILCが置かれている現実と課題について忌憚のない意見がありました。

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【口火を切って私から質問と意見を述べました。提供:菅原亮太議員】


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吉岡先生と山本先生のILCに対する現状の課題認識は同じ。

すなわち、欧米は2020年と違って、もはやILC in Japan が入っていないし、中国は中国で頑張っている

吉岡先生は今後の可能性についてもっと踏み込んで、日本は日本の戦略を立てるべきであると述べられました。
モノを決定する主権者(霞が関、永田町)に対して将来の日本をどのようにするのかを明確にすることが先決と力を込められました。投資なき国は後退するとして研究開発投資の低迷が成長停滞の要因になっていると分析されています。

私もこれまでの動きと課題について吉岡先生とやり取りしましたが、政治の決断の鈍さに対する不満を私にぶつけた形になり、私自身も地方議員としてさらにやれることはないのかと激しく反省させられました。

CERNにおけるLCF計画についても言及があり、LCFはILCの技術をそっくり持っていく計画であり、これまでわが国が加速器科学をリードしてきた経緯をみれば吉岡先生の心情が計り知れます。

ここで希望を捨てては終いになりますので、決してあきらめずに行動していきます。
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2025年08月21日

商売の基本は人にあり

一昨日はILCの講演会と意見交流会があったこともあり盛岡に前泊し、翌日開かれる県議会の代表者会議に備えました。

会議の前にちょうどお昼時だったので大通りに出て、いつもの蕎麦屋さんをめがけて行きましたら臨時休業の貼り紙が。それでは別の店をと歩いていたところ通るたびにちょっとは気になっていたおにぎり🍙をメインにした店に入店。

カウンター席に通されて注文しようとしたところ、事務的な口調で「ここにあるQRコードをダウンロードして下さい」と一気に言われ携帯電話はカバンの中にあったので出すのも面倒になり、「いいです。」と言って席を立ちました。途中で「なら、こちらからでも注文できます」とも後追いで言われたような気もしましたが、すでに気分は「いらっしゃいませ」もなく命令を受けた気分に引き返す気もなく足早に店を去りました。

新型コロナや人不足の影響で飲食店ではモバイルオーダーが急激に進展しています。私も何度か利用したことがありますが、余計なアプリを入れるのも好まないし、大体にして客の保有する機材を利用するには最低限の客に対するマナーが必要と常々思っていたところでした。お店にとってみれば顧客データの管理等メリットはあるでしょうが、客にとってはどうなんでしょうか?昨日のケースでは「まことに勝手なお願いですが、QRコードを読んで頂く方法を取っております。ご協力いただけると助かります。」と言われれば私も応じたかもしれません。

ネットでこの件を検索するとやはり年齢層の高い層にトラブルが発生しているようで、お店の対応策も紹介されていました。これがDX社会への移行過程で、もはやスタンダードになっているのだとは私も少しは気づいてはいますが、肝心の客へのサービスの基本を間違えるとお互いに余計なストレスを生じてしまうことになるのではないではないでしょうか。

そして、本日は盛岡市から帰宅途中で水沢で朝ご飯に吉野家に久々に入店しました。店内はすっかり改装されてオーダーシステムも一変していました。ちょっと戸惑いながらタッチパネルがある方に向かったら店内での飲食は口頭でのオーダーになるということでした。以前の吉野家は「早い、安い、うまい」のキャッチコピーが売りでしたが経営者が変わってからはコロナ禍もあり時代に適合し変化したようです。何しろ店はワンオペで運営しており、受注、料理、皿洗いを一人でやるのは本当に大変そうでした。退店のタイミングで「ワンオペで大変だね。」と声をかけたところ、「お待たせして申し訳ありません」との返答。この店はカスタマーサービスを心得ているなと感心しました。

働き手不足をDXの活用により補うことが必要不可欠であることは理解していますが、最終的には客に満足してもらえるかどうかですから、あまり店の効率性を全面に押し出し過ぎると本末転倒になると私は思います。一方、20代や30代の方にしてみれば遅れてるぅ〜と言われるだけかもしれませんが。でも最後は人であることは間違いないです。
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2025年08月18日

お盆休み明け、即街宣!

お盆休み明けとなった本日月曜日、千厩定点のエスピアさん前での街頭宣伝活動を行いました。

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月1〜2の頻度で、月曜日は千厩エスピア前、火曜日は一関市の東大橋付近で朝8時前後に行っております。来月から倫理法人会のモーニングセミナーが火曜日から金曜日に変更になることから金曜日も一関市の東大橋での街頭宣伝活動が加わる予定です。お見かけされたらぜひお声がけ下さいますと大きな励みになりますのでよろしくお願い致します。

本日は同じ場所で市議のN議員も朝のあいさつ活動(ご本人から本日から始めたとのこと)を行っていて、いよいよ市議選間近を感じさせる時期となりました。

本日の内容は

🎤昨日のブログ記事、イージス艦と漁船の衝突事故における石破防衛大臣の振る舞いについて

🎤9月定例会にて県議会が任期折り返しとなり、達増県政五期目前半の評価について

🎤県立高等学校の次期再編計画と人材の育成について

🎤県立病院の経営課題について

大きく以上4点でした。

任期後半もこのブログと共に情報発信に努めてまいりますので変わらぬご愛顧をよろしくお願い致します。

本日はYouTube先生から「伊達騒動」について復習しました。実に便利な世の中になったものです。
posted by 飯沢ただし at 23:00| 岩手 ☀| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月17日

リーダーの心得

ネットで紹介されていた前統合幕僚長の河野克俊氏著の「統合幕僚長」という本を早速取り寄せて読んでみた。

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私がこの本に興味を持ったのは、平成20年(2008年)2月19日に起きたイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故における当時の防衛大臣、石破茂氏の行動について知りたかったからである。

先の参議院選挙後にヒゲの隊長こと佐藤正久氏が石破総理に関してコメントしていた時に、過去にも当該事故においての当時の石破大臣のふるまいについてチラッと触れていたが、多くを語ることをあえて避けていたので、ますます知りたくなったのである。

河野著者の内容によると

・石破防衛大臣から「防衛省には国民への説明義務がある。事情を調べて国民に説明せよ」との指示が出た。

・これを受けて、状況を把握するために「あたご」の上級司令部である護衛艦隊司令部の幕僚長を「あたご」に派遣し、防衛省に逐一報告差させる態勢をとった。

・そうすると上司から「『あたご』から航海長を呼んでいるから、防衛省に着いたら、いきなり大臣というわけにはいかないからオマエ(河野氏)が先ず事情を聴け」という指示を受けた。

・一通りの事情聴取が終わると、上司にその内容を報告し、航海長を大臣室へ向かわせた。私は大臣室による聴取の場には立ち会っていないので、その内容については承知していない。

・ところが、事故現場からある意味の被疑者である航海長を捜査機関の断りもなく呼び寄せたことは捜査妨害にもなりかねず、海上保安庁としては怒り心頭である。

・その日の晩のニュース番組では、私が「あたご」航海長を事前に呼び寄せて、海上自衛隊に都合のよい報告をするように言い含めたと臭わせる報道を流した。大臣がなぜ航海長を呼び寄せたことが国会でも問題となり、大臣がなぜ航海長にあったのかが追及された。

・石破大臣はその際、要旨次のように答弁された。

「海幕が航海長から事情を聴いていると聞き、隠蔽が疑われないといけないので、自分が航海長から直接話を聴いた」

筆者は、全身の力が抜けたと控え目に書いているが、おそらく当時の海上自衛隊は怒髪天をつく怒りに達したと想像できる。自らの正当性だけを強調したこの答弁は組織の長たる者としては全くふさわしくないものだ。自らの組織を信用せずに、挙句隠蔽を疑われるなどという発言はあまりに酷い。

この答弁によってマスコミは「あたご」側にすべての原因があるかのように報道し、海上自衛隊は徹底的に非難されたとなっている。後に大臣は清徳丸の亡くなった船員の自宅に見舞いに行って涙したと報道されているが、結局は自らに降りかかった火の粉を振り払ったにすぎないとも見れる。

組織を粗末に扱い、勝手な自己都合で内閣を継続している石破総理の行動の規範はここにある。

国のリーダーにしてはいけない人物であった。
posted by 飯沢ただし at 23:48| 岩手 ☁| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月16日

終戦80年

今年は先の大戦が終結して80年の節目の年でした。

私は父を早く亡くしたので、父よりも先輩方との交流の機会も多く貴重な経験を頂いたと感謝していますが、なかんずく戦争を経験された先輩方からの一つ一つの言葉はとても身に染みて今でも記憶として鮮明に残っています。一関市との合併前は大東町成人の日を祝う会が8月15日に固定されており、議長の三浦芳一さんが必ず終戦の日について祝辞の中に入れていました。また、シベリア抑留を経験された加藤公平さんからは戦争は人間の人格を否定する惨いものだから、絶対にその悲劇を繰り返してはならないと戦没者慰霊祭で申されていたのも思い出します。

10日(日)に挙行された一関市戦没者追悼式では岩手県遺族会の副会長でもある槻山勝宏さんから、「あゝモンテンルパの夜は更けて」の楽曲に関するエピソードを紹介するミニ講演があり、戦後もBC級戦犯が他国でも処刑されていたことを知りました。この曲を歌うことによって心動かされた歌手の渡辺はま子さんが自らの危険も顧みずフィリピンに出向き、モンテンルパのニュービリビット刑務所で振袖姿で歌ったことが、後に刑務所に入っていた日本人を救い出す契機になったとなったというお話です。

あゝモンテンルパの夜は更けて

作詞:代田銀太郎元大尉
作曲:伊藤正康 元大尉
歌唱:渡辺はま子

(一)
モンテンルパの 夜は更けて
つのる思いに やるせない
遠い故郷 しのびつつ
涙に曇る 月影に
優しい母の 夢を見る

(二)
燕はまたも 来たけれど
恋しわが子は いつ帰る
母のこころは ひとすじに
南の空へ 飛んで行く
さだめは悲し 呼子鳥

(三)
モンテンルパに 朝が来りゃ
昇るこころの 太陽を
胸に抱いて 今日もまた
強く生きよう 倒れまい
日本の土を 踏むまでは


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昭和27年に流行したこの曲を私はなぜか以前より知っていたのは、大変失礼ながらドリフターズのコントがきっかけでしたが、槻山氏の講演から深い内容であることを知らされ、自分なりに調べて理解を深めました。

戦中戦後の記憶されている方は確実に年々減っていく中で、今を生きている私たちの努めは、なぜ我が国があの大戦に参戦せざるをえなかったのか、なぜ無謀な戦略から抜け出せなかったのかなど、正確な歴史認識をしたうえで二度とこの繰り返しをしないように努力をすることだと思います。特に私たちは肝心の戦後史を学校教育で避けられたと私は思っているので、アメリカだけでなく東南アジアから視座した歴史をしっかりこれからも積極的に学んでいくつもりです。
posted by 飯沢ただし at 23:34| 岩手 ☁| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月12日

リーダーの立ち振る舞い

最近はネットでの政治関連の情報が氾濫している。

ひとたび覗くと「関心がある」とされて次々に関連した情報が湧いて出てくる。特に「れいわ〇〇組」のはちょっとチラ見しただけなのにしつこく付きまとわれて閉口してしまう。

石破総理の過去の発言が大ブーメランとなって本人に降りかかっている動画も多い。うまく編集して過去の石破議員と今の石破総理と対照させているものもある。政治家の発言は同然のことながら筋が通ってないと証拠が映像で残っているから実に恐い。

石破総理の立ち振る舞い関しての動画も多い。食べる姿、外交の席で座ったまま握手する姿、腕組みをして実に興味がないことを現わしている姿。背中を丸めてとぼとぼと歩く姿。

これらがすべて評価の対象となる。田中真紀子氏にかかっては「首相はもっとチャーミングな人がいいわね」と言いたい放題である。

最近自分も年を重ねて実は動きも新鮮さを失っていることを自覚している。「他人のふり見て我が身降り直せ」明日からお盆のイベントラッシュになり人との触れ合いも多くなる。常に見られていることを意識して気を引き締めていきたい。

posted by 飯沢ただし at 23:00| 岩手 ☀| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月10日

北海道・東北六県議会議長会によるILC訪問要望

先週末の8日(金)に表題の団体でILCの早期実現に関して要望を行ってきました。

要望先は内閣府、文部科学省、復興庁(鈴木副大臣が対応)

北海道・東北六県議長会では年に2度政府等への政策要望の会議を定期的に行っており、特に重要な案件については会として要望活動を行うこととしておりILCの実現についてはここ数年優先順位が一番として位置付けているものです。

本来であれば工藤議長だけで岩手県議会としては足りるのですが、長年ILCの実現に関しての私の活動実績を評価されて同行することになっていると理解しており、工藤議長の配慮には感謝しております。

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【8月9日(土)岩手日報朝刊第2面記事 研究振興局長 淵上 孝氏】
【記事が切れている部分の続きは「まずは政府として前向きなメッセージを発信してほしい」と述べた。】

今回の要望活動は少人数ということもあり、私も各省庁で意見を述べさせて頂きました。

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内閣府では科学・イノベーション推進事務局 統括官 井上諭一氏のご対応。統括官からのコメントでITERの要望と口火を切られたのには耳を疑いましたが、なるべく表情には出さないように心がけました。

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復興庁では山形県選出の鈴木憲和副大臣に対応を頂き、私もかなり多めのコメントをしました。一関市議会議長の勝浦氏が少し前に市議会議長会で副大臣に要望した際にILC技術がまだ確立していないことに疑義を呈しており、この件に関しては副大臣も慎重な言い回しになっているところに端を求めて、「ILCの衝突技術は10年前にすでに96%確立していると聞いている。科学の真実は一つであるからしっかりと副大臣も自らの目と耳で確認して、未来の東北に光が当たるこのプロジェクトを推進してほしい」と強く申し入れをしました。

やはり、政治家との面談は手ごたえを感じることがあり、とても有意義な時間を過ごせたと思います。やはり最後は政治決断でしか解決の方法は残されていません。

前日の7日に偶然、吉岡正和先生と盛岡駅でお会いしてILCの近況について情報交換しましたが、先生からは「ヨーロッパはヨーロッパ。問題はわが国でやる気があるかどうかということが問われているだけ。日本の企業は技術的に高いものを持っているし頑張っている。それをこのILCで生かすかどうかは政治の判断。」とおっしゃられ、欧州戦略に気を取られていた自分にとって目から鱗が取れた気持ちになりました。


posted by 飯沢ただし at 23:56| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月06日

時期欧州素粒子物理戦略オープンシンポジウムに関して

ILCの動向に直接的に関係する標題の会議が6月23日〜27日までイタリアのヴェネツィア リド島で行われ、その会議の内容を所管課から入手したのでここにILCに関することを記し、私の意見も付しておきたい。

この会議は1月末にセルン訪問時に周知を受けており、次期欧州素粒子物理戦略に対する意見発表、意見交換を実施するため世界中の科学者が一堂に会する大規模なものである。

KEKの浅井機構長も意見発表しており、「ILCをはじめとする日本の大規模プロジェクトの実現に向けた現状と計画」と題したものであったようだ。中身についてはILCをグローバルプロジェクトとしての主導的な取組を実施、ILCテクノロジーネットワーク(ITN)では、国際的な協力に向けたオープンな議論が進行中との内容で、従前から行っているKEKの取組を概略的に発表したことにとどまり、ILC実現に関して踏み込んだ発言はなかったと私は資料を見て確認した。

我が国のILC実現への取組が停滞していることから、CERNの研究者からは「リニアコライダー@CERN」という具体的な提案が出てきている。CERNのリニアコライダー(LCF)Linea Collider Facility は最初70億〜90億CHF(スイスフラン)で実施できる。ITNなどの既存の国際共同研究開発を基盤として拡張し、高輝度LHC(HL−LHC)計画と並行して完成できる。

一方、LCFはFCC-eeに匹敵する詳細レベルにまで達するには準備段階が必要との意見もある。

特筆すべきはLCFに関してはILCの技術をそのまま引き継ぐのみならず、ILCでは250GevのエネルギーをLCFでは550Gevまで目指し、衝突点も二か所を想定するなど、概略的ではあるが、より踏み込んだものにまでなっていること。


どうやらこの会議の内容をみると、とりまとめでもILCというワードは出てこなくなっており、これからつけ入るには相当の巻き返しがないと困難ということが理解できるものとなっている。まことに残念ながら。
posted by 飯沢ただし at 23:30| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする