【震災前は植菌本数毎年10000本、乾燥しいたけ生産量1500kgであった現在は約35%に減少】
【岩渕謙一さんのホダ場を視察しながらの意見交換】
福島第一原発からの放射性物質の放出によって壊滅的な被害を受けたしいたけ生産者。11年たってもいまだに多くの課題を背負っていますが、岩渕謙一さんのように岩手から生産地の火を消してはならないという意地が生産者を支えています。
東電側は生産者への理解を示しつつも、現状復旧を基本に据えており生産者が代替わりすると補償が打ち切られるなどの非情な対応がなされていること、原木は未だに自家製は使用不可状態にあり、県内の他地区(久慈市や洋野町)から調達しているが東電補償や市補助あっても購入単価(400円〜440円)となっておりコスト増になっていること、また調達ホダ木は量優先でしいたけ栽培に適した旬の状態でデリバリーされてこないので収穫量が落ちてしまうこと等、現場の声を聞かなければ知り得ない情報がありました。
深刻な課題は風評被害による価格低迷。平成29年から全国平均で1000円安、県平均よりも安い状態が続いていること。
特に噴飯ものは中間仲買業者が被災地の生産物に対しては東電の補償があることを含んで買い叩きを止めないこと。これではいくら品質にこだわり努力を続けている生産者に冷や水を浴びせていることになります。中国産は中食に多く使用するなど中間仲買人に値つけの主導権を握られていることに歯ぎしりをしてしまいます。この現象は特用林産物だけでなく農産品にも言えることであり、農協の弱体化、市場のグローバル化など複雑な要因が絡んでいます。
除染対策などにより、汚染状況は大幅に改善されており2年前から産地では品評会も復活しました。これまでの生産者の情熱と努力には本当に頭が下がります。少しでも状況が改善するように課題解決にあたってまいります。