2025年02月04日

2025欧州視察 DESY@

欧州視察から無事に帰国しました。

今回は私は初めてのKLMオランダ航空。今回はアムステルダムを拠点軸にした空の移動が中心。往路はロシアによるウクライナ侵略の影響でロシア上空は回避されベーリング海峡を通過し、北極圏からグリーンランドを横切りアムステルダムへ。当日輸送でハンブルグへ移動。

まずはドイツが誇るDESY(ドイツ電子シンクロトロン)へ。

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DESYの名称は、 Deutches Elektronen-Synchrotron の略称。素粒子物理学に関する研究や放射光を用いた研究を中心に行う研究所。1959年設立。

@ 年間予算 :約3億4900万ユーロ(1ユーロ≒170円換算で約593億円)
A 職員数  :約3000人(うち科学者1300人)
B 利用   :年間約3000人の研究者が利用

超電導加速器主席研究員 Hans Weise (ハンス・ヴァイゼ)博士からAMTF ホールで加速器の構造や製造、試験内容について説明を受ける。
Weise 博士は超電導加速器の運転と開発を主な研究テーマにしている博士。

DESYの持つ優れた加速器技術はXFEL(X-ray Free Electoron Laser)(X線自由電子レーザー)が代表的で現在、彼はヨーロッパのXFELプロジェクトのDESYの取り組みを主導し、XFELアクセラレーターコンソーシアムの調整も引き継いでいます。

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この黄色い加速器モジュールは筑波にあるKEK(高エネルギー加速器研究機構)のファクトリー内で何度も解説を受けたもので、超電導による加速器はすでにお馴染みです。

特筆すべきは、制作や組立にイタリアの企業やフランスのサクレー社が関わっており、高エネルギー物理の国際協力が成されていることです。

XFELにおける加速器の技術は、ILCに活用可能であることが示唆されました。

実はX線自由電子レーザー施設は兵庫県のSpring-8に並んで設置されたSACLAがあり、平成24年から供用されています。
posted by 飯沢ただし at 23:57| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月25日

明日から渡欧します。ハンブルグとジュネーブへ

岩手県が当初単独で派遣を予定していた団と同行する形でハンブルグ(ドイツ)のDESYとジュネーブ(スイス)のCERNに視察と関係者へ本県のILCにかける意気込みを伝達するのを目的に議会派遣という形で明日から行ってまいります。

また、IDTの中田議長にも面会し意見交換をする予定となっています。

私は2012年10月に私単独でKEKの協力を得てCERNを訪問していますが、DESYは初めての訪問となります。しかし、あれから13年も経過していることに驚きます。あの当時は遅くても5〜6年後には決定していると思っていました。

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【2012年10月近藤名誉教授と】


欧州における長期大型加速器建設方針が来年の夏ごろに決定されることから、今回のミッションは当然大きな意味を持っています。

今回は議会派遣4名の内、議会団長としての役割もあり、直接意見を申し述べる機会もあります。

しっかり役目を果たしてきます。それまでこのブログ更新はお休みします。帰国後に12年前同様リポートしますので是非楽しみにして下さい。
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2025年01月15日

ILC講演会@仙台市

昨日、東北ILC推進協議会の主催によるILC講演会が仙台市内で開かれ私も参加しました。講師は米カリフォルニア大学バークレー校の村山斉教授で標題が「ILCが拓く未来」。

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【2025年1月15日 岩手日報朝刊の記事一部】


村山先生はNHKで子ども向けの科学の解説をするほどの人材で、説明が明快。科学と社会の接点と科学の可能性についてとてもわかり易い内容でした。肝心の我が国へのILC誘致への課題として日本国内のキーパーソンの存在について言及されました。私見ですがこれは科学だけに精通してもだめ、政界や経済界にも影響力がある人が理想ではありますが、とりもなおさず何が何でもやり通す!実現させるというパッションを持った人が必要と感じています。

講演時間が若干伸びて予定していた帰りの新幹線に乗れるか不安だったので一本遅らせることに。

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そうしたら仙台市内の神社のどんと祭への行進に遭遇。仙台市内でもこうして若い人達が参加して伝統行事をつないでいることに感激しました。中には女性もいました。


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2024年12月27日

ILC来年が本当にラストチャンス

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【12月19日 岩手日報朝刊1面記事】


まったく機能していない国会議連を当てにしないで自民党の政調内で検討を進めるという記事。気仙沼市の出である小野寺五典氏が政調会長になったことも大きいが、実は前衆議院議員の藤原崇氏から選挙前にこの動きについては私は知らされていて、ILCの要望活動時にも当時の渡海政調会長の御前でこの話が出ていた。

政治家にとって自己の責任意識と人とのつながりを生かすとはこういうこと。この動きはぜひ大事にして実現へとつながることを切望したい。

残念ながら藤原氏は現在前議員で現職ではない。未来へつなげることを予見し行動することもが議員の役目と私は考えるが、返す返すもこの時点で現職でないことが惜しいし悔しい。ところで岩手第3区選出の現職議員はILCに関しての見識も私は知らないし行動もまったく見えない。

この事実を多くの有権者に知らせたい。

ILC実現に関しては来年早々岩手県、岩手県議会、支援団体合同で要望活動を行うことにしており、詳細が明らかになり次第お知らせします。いつも正念場と言いますが、欧州の大型加速器の時期中期計画に対する意見集約の取りまとめが3月末までとなっており、本当に来年は正念場を迎えることとなる。

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【12月23日 河北新報朝刊1面記事】


一方で加速器関連のニュースで厳しい現実。円安、物価高で中小企業も生き残りがかかり、開発どころではないというのが要因と思われるが、何とか自治体の支援策を充実させて踏ん張って頂きたい。
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2024年08月23日

精進の日は続く・・・

本日は弊社が所属している両磐インダストリアルプラザ(通称:RIP)の勉強会があり、ここ数年この季節には(一関地ビール祭りの初日)定例化されている吉岡正和先生のILCに関する講演でした。

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吉岡先生の肩書には

岩手大学・岩手県立大学 客員教授、国際経済政策調査会(PSG)理事長、高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授に加えて一関市の参与も加わりました。

吉岡先生の講演のオープニングはいつも目を引くタイトルを持ってくるのですが、

1.ILC in JAPANは「風前の灯」か?
2.日本が一向に決断しないことに世界は苛立っている(呆れている)
3.ILC in CERNの議論が遂に出始めている


という衝撃的なものとなりました。

この危機感は私が持っている情報とほぼ一致するもので、大きな驚きはありませんが、EU諸国の内、特にドイツの関係者がCERNへの検討を開始せよとの意見を堂々と言い始めたことがこのような状況に至っています。

中華人民共和国のCEPCが技術設計書を完成し5か年計画を2025年に示すのに呼応するように欧州の大型加速器の建設を含めた7か年計画は2026年には発表する予定としており、2025年の3月末までには日本の巻き返しを米国との協力の元に展開しないと間に合わない状況に陥っているのです。望みを託するならばまさに政治判断しかありません。加えて残された時間はほとんどありません。

今秋予定されている自民党の総裁選、その後の組閣が早期に行われてILC実現に向けた体制が動き出すことに期待をかけます。
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2024年08月22日

基礎から学ぶILC

本日は 宮城県議会・岩手県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟のILC講演会が宮城県議会にて行われ、参加しました。

本日の講師はILCーJapanのスポークスパーソンに就任された石野雅也先生とKEK理事の道園真一郎先生。道園先生はILCーJapanの国際加速器R&Dワーキンググループの座長も務められております。

石野先生の講演は初めて拝聴させて頂きました。

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本日のお二方の講演で認識を新たにしたのは

@Global ProjectAInternationl Projectの違い

@については費用分担、責任の分担、組織形態、ホスト国・サイトの決定などプロジェクトのあらゆる側面について、パートナー国が議論してルールを決めるというもの。プロジェクトの所有権はパートナー間で共有される(例:ITER CERNにおけるATLAS/CMS)

AについてはCERNのLHCがいい例でホストがプロジェクトをリードするもの。費用〜90%がホストが負担

要はILCに実現に向けて研究者間や関係国間とのコンセンサスがなかなか進まないのは@とAについて厳密な議論がされていないことと理解しました。

また、道園先生からは準備研究所(プレラボ)の設立に関して文科省が主導した時期早尚という結論に関して、次世代加速器に求められる技術開発課題について、各国研究機関との国際協働によって、更なる研究開発を展開すべきという答申を受けたことを重く受け止めて活動されていることを色濃く報告がありました。

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岩手県議会を代表して閉会のあいさつを私が申し述べましたが、講師先生お二方にはいささか失礼な部分もあったとは思いましたが、ここまでILCが日本に決まらない苛立ちは私たちも相当なものがあることから国会議連の奮起を促すことと地元してはこれからも十分な関心と情熱を保持して取り組むことを期待を会員の皆様に申し伝えました。

明日はRIPで吉岡先生からILCの最新情報をお聞きする予定となっております。
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2024年07月29日

ILC連日の政府への要望

24日に北海道・東北六県議会議長会議として

1⃣内閣府への要望    相手方:科学技術・イノベーション推進事務局 統括官 柿田恭良氏
2⃣文部科学省への要望  相手方:研究振興局 局長 塩見みづ枝氏

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26日に岩手県議会・宮城県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟として

1⃣文部科学省への要望  相手方:研究振興局 局長 塩見みづ枝氏
2⃣財務省への要望    相手方:主計局 主査 加塩雄斗氏
3⃣内閣府への要望    相手方:内閣府政務官 平沼正二郎氏
4⃣自由民主党への要望  相手方:政調会長 渡海紀三郎氏

を二日間にかけて行い、私はどちらも参加致しました。

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【岩手日報紙による報道】


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工藤議長の配慮によりこれまで私の発言の機会を多く頂き

@衝突地点予定地である地元ではILC基本設計書(TDR)が決定してからILCに関して活動を進めて住民への理解を進めてきたこと
A東北地方では将来の産業振興を図る上でILCへの期待が産業界のみならず高まっていること
B産業の安全保障の点からも国際科学研究所の我が国への設立は大いに意義があること

を中心に訴えました。

LCWS@東京が終了して間もないにもかかわらず

霞が関省庁の返答は@巨大な設備投資A国際間の協調B技術が至っていないC研究者間の意思の統一を理由に挙げて以前にも増して慎重姿勢でした。26日の要望の席には藤原崇代議士にも同席を頂き、代議士からも欧州の情勢が好転しなければ文科省は動かないのかとの厳しい質問が飛びましたが、反応は薄いものでした。

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なぜそのようになっているのかは
4⃣の渡海政調会長への要望の際にその答えが見えました。

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このコロナ禍や日本が誘致を決断できない空白期間が、国内では文科省が拠り所としている有識者会議の「時期尚早」の結論がずっと引きずることとなってしまったこと。海外では煮え切らない日本の態度もあり欧州では次のステップをセルンを中心に考えはじめたこと。これが今の現状ですが、何より問題なのはこの現状の壁を突き破ろうとする国会議員の活動が鈍っていることだと私自身は結論づけました。

ILCの国会議連は事実上停止状態。この期に及んで我が国にとって誘致の最大の好機を何が何でもものにするという気概を持った国会議員のキーパソンがまったく見えてこないのは誠に残念な状況です。

それがゆえに霞が関に行っても国会議員の名前も出て来ず、平然と第三者的な説明で終わってしまう訳です。

藤原代議士から自民党の政調の部会でなんとか盛り返しを図りたいとの発言があり、何とか期待したいものですが、国民的理解を進めるも何も熱を持ったリーダーが不在では時間ばかりが経過してしまいます。

こうした現状ですが、私の最優先の政策課題であるILCに関してはこれからも私のできる限りの力をもってめげずに活動してまいります。
posted by 飯沢ただし at 21:38| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月18日

どうもやるせない

ILCに関する情報発信が盛んになっています。

関係者各位が各々の立場で努力され、講演会等が開催されているようです。それだけ期限が迫っている危機感の表れともいえるでしょう。

しかし、東京発の情報と岩手発の情報のニュアンスが違うということに私は気づき、どうも気になってしょうがありません。

本県にはILC推進局という部署まであるのにそうしたニュアンスの違いをどれだけ理解し、対応しているのかも不明です。

何より以前の私の一般質問の際にILCの実現に関して達増知事は必ずやり遂げなければならないと決意を示したにもかかわらず情報発信も行動も起こしていない。まったくもって不可解な状態です。

巷間では研究者の連帯がまず第一の要件と言われていますが、果たして前進しているのでしょうか。

国会議連の動きも停滞中。

どうもやるせない。
posted by 飯沢ただし at 23:40| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月29日

ILC国が連絡会議を設置

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【岩手日報朝刊2面 2024年4月29日】


先に政府要望をした折に国会議員等から言及されていた連絡会議が設置され、いよいよ本格始動したようだ。

重要な鍵となるのは「内閣府」の働きである。
なぜなら文科省だけでは予算の確保に限界があり、ILCが国家プロジェクトとして迫力ある位置づけをしないと事が前に進まない。

やっとスタートラインについた感があるが、あまりにスピードが遅い。しかしながら現状を鑑みれば停滞しているよりはずっとマシである。

国会議連の動きに関しても加速することを切望する。キーパーソンをしっかり固定して、責任役割に応じた目に見える活動がされることを心から期待する。
posted by 飯沢ただし at 23:43| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月26日

ILC国会議連総会が開催

去る3月21日にILC推進国会議員連盟の総会が開催されたようです。

PSG(国際経済政策調査会)の知人からの報告を要約すると以下のようになります。

💡 内閣府・文科省に「将来の高速加速器に関する連絡会」が設置され、内閣府・文科省からそれぞれ説明があったこと。
💡 現・次期KEK機構長から、「新しい枠組み」に関する説明があったこと。
💡 行政では、この連絡会を中心に、政治は議連、産業界はAAAなどがスクラムを組んで進むことが重要で、これからの3〜6ヶ月が、大変重要。

連絡会が常設されたことは意義があることで、大きな前進と捉えてよさそうです。
posted by 飯沢ただし at 23:04| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月24日

共同通信社がILCに関して配信

次世代大型加速器、日か欧が最適
【 共同通信 | 2024年3月22日(金) 17:10】

 宇宙誕生の謎を探る次世代大型加速器について、米政府諮問委員会が、岩手・宮城両県の北上山地が候補地に挙がる国際リニアコライダー(ILC)と、欧州の新型円形加速器(FCC)を「科学的な要求を満たしている」として、最適な計画だと評価していることが分かった。昨年12月に公表した報告書で、どちらかの計画が実現へ動き出した場合、支援を行うよう米政府に勧告した。想定額を10億〜30億ドル(1500億〜4500億円)としている。

 報告書は、米国内への建設は予算的に難しいものの、国際協力でILCとFCCのどちらかを推進、米国が支援すべきだとした。


この記事は昨年の12月8日に行われた、米国の科学諮問委員会(P5)《Particle Physics Project Prioritization Panel》の最終報告書のことをさしています。岩手日報社は間髪入れずにP5の委員長である村山斉(むらやま ひとし)教授のインタビュー記事も掲載していました。この時期の共同通信社が発信した意図は分かりかねますが、配信先である河北新報は昨日の一面で報道しているだけでなく、私がネットで確認したものでも東京新聞、京都新聞はじめ西日本新聞など17社もの地方紙で取り上げていることは意義のあることだと本県のILC推進局の幹部も評価していました。

今回のP5最終報告書は前回2014年に発表された最終報告書から9年ぶりにまとめられたもので、素粒子物理学の国際的な状況を科学的観点から適切に評価し、米国の予算状況も加味しながら次の10年間に米国が取りうるべき戦略計画を米国エネルギー省(DOE)と全米科学財団(NSF)に対して提言することを目的としています。そのため、米国の素粒子物理学への貢献の指針となると共に、世界の素粒子物理学コミニティーへも影響を与える大変重要なものです。(KEK、ILS通信より抜粋)

ヨーロッパのFCCはILCよりも多額の経費を必要としていることが試算されていることからILCがより現実的なことは明らかであり、このような提言書が発表されている現状を鑑みれば我が国が選択する道は一つしかないと思われるのですが・・・

いずれにしても政治的に混迷している状況を早く抜け出して、国会議連が早急に再起動することを念願するものです。
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2024年02月08日

ハマコー並みの重戦車代議士を熱望!

先月の政府要望に引き続き、岩手県議会・宮城県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟で勉強会を実施しました。

今回の講師は岩手県立大学 学長の 鈴木厚人先生

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演題は「国際リニアコライダーの概要と最近の動向」

岩手県議会から26名、宮城県議会から16名、仙台市議会からも5名の参加を頂きました。盛岡市議会からも確認していませんが何名か参加を頂いたようです。岩手県国際リニアコライダー推進協議会、ILC実現建設地域期成同盟会の関係団体かも出席がありました。

厚人先生からは何度も講演を頂いてきましたが、今回の概要についてはさらに理解が浸透しやすい内容になっており、研究者の方々の底知れぬ探求心には毎回舌を巻きます。凡人ならば一度レジメを完成させてしまえば手も入れずずっと使いまわすところです。

今回、特に目を引いた箇所は

💡1)ILC技術開発の現状の間違った見解が流布し支援・推薦に支障をきたしている

@「一部の研究者がILC技術開発がまだ未熟であることを文科省に説明し、これら研究者+文科省が他省庁やILC推進国会議連に説明してきたことによるもの」
A「日本、欧米各国で製造される装置を組み込んでILCを建設するには、各国での単位系の相違を克服しなければばらず、その試験をする必要がある」

この一件は私も実際に某国会議員からクライモジュールに関してセンチとインチの違いを擦り合わせなければならないなどという発言を耳にしたことがあり、事の重大さを実感した経験があります。これは本当に酷い😠

科学者たる者がウエブにも公表されている実証済みの結果を調査もせずに身勝手な振る舞いをしていることに理解に苦しみます。これまで実証実験等をリードし、研究成果を積み重ねてきた厚人先生の心の内はいかほどかとお察し致す次第です。

💡2)ILC in Japan に対する交際研究者集団の信頼が薄らいでいる

「有識者会議報告要旨」(2022年2月14日)とその見解

@「ILC準備研究所段階への移行は、時期早尚」
A「ILC計画の今後を見通しを明確にするような進展は見られない」
B「立地問題をいったん切り離して、技術課題等を段階的に研究開発を展開すべき」

この見解が示されてからICFAや米国スノーマス国際会議、リニアコライダー国際会議でも日本立地への期待感が示されなくなってきたとのこと。

しかしながら、厚人先生の見解は中国の計画や2050年代の欧米構想へ期待する状況だが、ILCの技術的優位性は変わらない。国内外の2020年代初頭までのILCに日本誘致の勢いを取り戻せば世界は戻ってくる。と結ばれました。

而して我々はこうした状況を冷静にとらえて今年はガンガンとモリモリと活動を再稼働する必要があります。

講演後の意見交換会の席では宮城県の守屋守武代表補佐と山形県議会も巻き込んで大いに活動を重複化、活発化しようということで意見が一致しました。2024年はガッツリと活動する意思を固め機会となるILC講演会@盛岡となりました。
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2024年01月25日

ILC実現へ5年ぶりの政府関係要望へ

岩手県議会・宮城県議会ILC建設実現議員連盟で政府等へ5年ぶりの要望活動を実施しました。岩手県議会の会長は議長が、副会長には副議長と交渉会派の代表が就任する形となっています。

コロナの影響でこの間政府要望の活動はやむを得ず控える形となりましたが、いよいよ再開です。

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【小野寺五典ILC議連副会長に橋宮城県議会議長と工藤岩手県議会議長】


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【若宮自民党政調会長と岩手県議団】


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【塩谷立ILC議連会長に対して昨年の期成同盟会への出席に対して私から御礼を申し上げました。塩谷会長には他用務ご多難の中ご対応を頂きました。】


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【塩谷ILC会長と岩手県議団】


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【鈴木俊一財務大臣と両県議団全員】


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【盛山文部科学大臣と両県議団】


このコロナの間に大きな実現の分岐点となった準備研究所の設置は時期早尚と有識者会議の見解が示されてから初めての要望だったわけですが、要望会を終えての感想は・・・

現状認識がほぼ一緒なのは塩谷会長と小野寺五典副会長のみ。

その中で朗報としては、所管の文科省だけではなく、組織的に内閣府も国際プロジェクトとして検討する組織に加わったということ。

あとは鈴木大臣を含めて所管の組織を越えたILC実現に向けた前向きな考え方を示されることはなく(かなり慎重という意味)、この5年間のブランクは相当なものがあると痛感しました。

また、ILCは陽子と陽電子を衝突させる(電子と陽電子が正解)、ILC議連はほとんど役に立たない、立地場所を含めて決定していないなどの発言を耳にして落胆しました。

ガッカリばかりしてはいられないので、この現状を認識して地元として実現活動を活発化していくしかありません。来月8日には盛岡市内で岩手・宮城の議連主催で講演会を開く予定なので機運を再起動するために頑張ってまいります。


追記:東北新幹線の架線事故が発生して、主要駅は大混乱。私は常磐線を選択して帰路に就きました。17時上野発の特急ひたち21号でいわきまで、いわきから原ノ町駅を経由して在来線普通列車で仙台まで(所要5時間16分!)仙台駅からは新幹線が動いていたので助かりました。

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東北本線で臨時の快速便が編成され、その便で帰った方もいたようですが、幼少期からの経験で東北本線の臨時便は通常ダイヤの運行列車の合間を縫う運行なので信号待ちが多くなることを知っていた私は迷わず常磐線を使った次第です。

原ノ町で一回下ろされて、跨線橋を渡って仙台行きの列車に乗り換えることになったのですが、座る席を求めて多くの乗客が跨線橋めがけて殺到する光景はまさに昭和時代には駅ではよく見かけた光景で妙に懐かしくなりました。

それにしても上野から6時間の列車の旅は疲れました。新幹線の威力を再認識する日となりました。


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2023年02月09日

ILCの意義と地域へのインパクト

昨日に引き続き「ILC」の日。

今日は一関市商工会議所大東運営協議会が主催する吉岡先生の講演会でした。大東地域運営協議会には大東ILC委員会(会長 小原玉義氏)が設置されて今までも積極的に活動されています。

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吉岡先生は毎度キレのある内容で本日聴講された会員は満足したことと思います。まず最初に吉岡先生から昨日発足した期成同盟会について大きな評価を頂きました。昨年の5月から(一社)国際経済政策調査会(PSG)の代表理事を務められておりますので期成同盟会の設立にも貴重なアドバイスを頂いていると思います。

本日の学びで一番インパクトがあったのは、国際(大型研究)機関立地の意義に関して

まずはFACT(事実)として日本は経済的にも、学術人材的にも世界のトップランクから滑り落ちている状況を踏まえること。

✨平和と国際化のシンボル
✨民主国家のシンボル・ステータス
✨ホストすることのメリットがある
・文化的波及効果
・技術的波及効果
・インバウンド効果
・高次波及効果、雇用誘発効果

これらは幾度となく学習してきましたが、

日本が給料を払わなくても高給の研究者がこの地にくる効果は大
このことは案外知られなかったことではないでしょうか。日本には海外から優秀な人材を民間企業も研究者も招致が難しくなってきた(客観的に分析しても国力が弱くなっている)状況から抜け出すには国際研究所は最大の効果を生み出すことである。

また、第二部ではグリーンILCについて〜ILCと岩手の豊かな農林水産業との協働・共栄〜

について。特に2050年までのカーボンニュートラルについて具体的な数値を押さえながら実行を具体的に起こしていくことを強調されていました。ILCと農林水産業の連携を深めることを起点としてタウンプランニングをしていくことはすでに吉岡先生の指導により実践段階にはいっているものもあります。

次世代への良きバトンタッチとして自ら行動される吉岡先生の教えを私たちは一つでも実践に移すことが求められます。
posted by 飯沢ただし at 23:56| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月08日

ILC実現建設地域期成同盟会が結成!

本日、標題の期成同盟会が発足しました。

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これまでILCを推進する組織は東北に複数設立されてきました。その中でも東北ILC推進センターは産学官連携の上に立った推進組織として代表的なものです。

【東北ILC推進センター】
ILC実現を目指す東北の産学官が連携した東北ILC推進協議会に設置された東北ILC準備室が「東北マスタープラン」を策定するなど、ILCについての国民の機運醸成活動、受入準備活動等を展開してきました。ILCを巡る国際的動向が大きく変化したことから、建設候補地である東北としては、令和2年8月2日に発足したIDTをはじめとした研究者コミュニティに協力し、地域が主体となってILCの受入環境整備等の具体的な検討を進めようと、東北ILC準備室の後継となり、ILC建設候補地周辺自治体や国内の関係機関等が協働した新しい組織の設立について関係者が協議を進め、東北ILC事業推進センターを設立したものです。


東北ILC推進センターは研究及び提言活動に重きを置いていることから、政府等へダイレクトに実現要望するという組織が必要ではないかという関係自治体の熱意が結集し、「ILC実現建設地域期成同盟会」が結成されたという経過です。

一昨年の12月に一関市において開催された「ILC誘致推進大会」が期成同盟会発足の導火線になっています。

実はそれ以来、佐藤善仁一関市長は精力的にこの期成同盟会の設立に自ら動いてきました。私も何度となく市長から相談を受けてきました。ここに本日実現したことはとても意義のあることです。

何より設立会の大きな目玉は国会議連の会長である塩谷会長に何としても参加を頂きたいというのが目的でしたので、それを実現したことも第一弾として成果が上がったと思います。

構成の市・町は
仙台市、気仙沼市、登米市、栗原市、大崎市、盛岡市、大船渡市、花巻市、北上市、遠野市、一関市、陸前高田市、奥州市、西和賀町、金ケ崎町、平泉町、住田町

代表は 一関市市長、奥州市長、気仙沼市長が選出されました。

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本日のクライマックスは代表自治体等、参加者による決意表明。塩谷会長に大いにアピールなったことと思います。なかなかいい企画でした。
米谷春夫大船渡商工会議所会頭が新笹ノ田トンネルに言及されて思わず私が大きく反応してしまいました(苦笑)。
posted by 飯沢ただし at 23:56| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月23日

KEK山内機構長のお話

岩手県議会・宮城県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟 ILC講演会が仙台市内のホテルで開催され、KEKのトップである山内機構長から「国際リニアコライダー計画の現状」という演題での講演がありました。

コロナの影響もあり両県議会で行動したのは本当に久しぶりでした。

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山内機構長とは初めてであり、一番前の席でかぶりつきで拝聴しましたが、残念ながら私の持ちあわせている情報より新鮮な情報は

💡ILCテクノロジーネットワーク

💡国際有識者会議

の話くらいでした。

私からの質問で「ILC関連予算で令和5年度や予算要求額通り令和4年度と比して倍増となったが、具体的にどのように予算が使われるか」に対してあまり具体的なお話は出ませんでした。実は研究者の間でILCを推進するために結成された「ILCジャパン」の活動についても聞きたかったのですが、場の雰囲気を察して踏みとどまりました。

なかなか確実な足取りが見えない状況にありますが、同僚の城内議員から「スタンプラリーみたいなものだ」と誠に今の状況を描写するに的を得た発言があり、ここまできたらじっくり腰を据えてやるしかないと思い直したところです。

来月8日には岩手県南・宮城県北の自治体が発起されて期成同盟会の設立総会が開催される予定となっており、国会議連の塩谷会長も出席されると聞いているところなので、それを機に機運を盛り上げていければと思っております。
posted by 飯沢ただし at 23:51| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月25日

ILC関連予算が倍増

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昨日政府が閣議決定した令和5年度予算でILC関連は昨年度当初予算から倍増の9億7千万円を計上した。

と報道がされました。本日鈴木財務大臣と盛岡市内でお会いする機会があり、早速私からも御礼を申し上げました。倍増の予算の貼り付けは紛れもなく鈴木大臣の存在が大きいです。大臣からは実現までにはやらなくてはならないことがたくさんあるとの言葉でした。

岩手日報紙の4面で関係者と国会議員のコメントが出ていましたが、予算の倍増は後退にはならないが大きな前進とまでには到達していないとの認識はその通りなので、事を進める当事者にあるILC議連の国会議員の皆様には是非とも関係国への働きかけと国内実現へのロードマップを確実に整備して頂きたいと思います。

肝心の塩谷ILC議連会長のコメントがどうも第三者的なニュアンスに読み取れて残念な印象なのが気がかりです。

それにしても達増知事が自分の足を動かさないで面談の訪れた関係者に要請しただけで予算倍額の要求に尽力したとの、先の決算特別委員会での私の質問の答弁は今思い出しても呆れます。
posted by 飯沢ただし at 00:29| 岩手 🌁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月25日

ILCやるせないが、やるしかない!

本日12月議会が開会しました。
会期は短いですがコロナ対策の補正予算議案等が提出されており、しっかりと議論をしていきます。

本会議終了後に全国議長会から勤続20年と15年の議員表彰の伝達がありました。いわて県民クラブからは八幡平選挙区選出の工藤勝博議員が15年表彰されました。勝博議員とは政和・社民クラブ時代から地域政党いわて、現在のいわて県民クラブまでずっと同じ会派で活動してきた同僚議員。地域政党いわて時代には苦労が絶えず、代表の私が苦しかったときもずっと支えてくれた大事な人。勝博さんの笑顔に何度となく助けられました。自分はすでに20年の表彰を受けていますが、今回の勝博さんの受賞は自分の受賞のとき以上に喜びを感じます。勝博さんには感謝のことばしかありません。

その後ILC推進議員連盟の勉強会が開かれました。今回の講師は岩手県立大学の鈴木厚人学長。

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ここ2年のILC実現への停滞ぶりは推進を図ってきた人たちにとっては心落ち込む状況でした。文部科学省が諮問した有識者会議の結論「時期早尚」という表現が世界中の見守っていた人たちを落胆させました。

具体的には書くのは控えますが、ILC推進の長というべき要職に就いた人までも文部科学省の慎重論に乗っかり推進を阻んできたのは事実です。その中で鈴木厚人学長はこうしたダメージを払拭すべく原点に立ち返って経済団体や国会議連に働きかけをしてきました。私は多くの方から鈴木学長の精力的な活動を耳にしています。

本日は鈴木学長からこれまでの取組と今後すべきことをあらためでご示唆頂きました。現状は大変厳しいですが、あらゆる資源を集中させて実現に向けて努力する以外ありません。嘆いてばかりはいられないのです。
posted by 飯沢ただし at 23:59| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月20日

ILC講演会@蔵ホテル

昨日弊社が所属している両磐インダストリアルプラザの定例会にILCではお馴染み吉岡正和先生の講演があり、参加聴講してきました。

演題は「ILC誘致と企業間連携」

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吉岡先生はこの4月から椎名素夫先生がかつて理事長を務めておられたPSG(国際経済政策会)の理事長に就任され、ますます精力的にILC実現のために精力的に活動をされておられます。

PSGは私が県議になった1999年から「加速器科学研究会」を設置し、これまで実質ILC実現目的のために109回の研究会を開催しております。産学官プラス政界をつなぐコーディネーターとしての役割を果たしてきました。椎名素夫先生を支えてこられたスタッフが主要メンバーとして現在も残っており、この秋からは私もよく知る小野寺出氏も再び加わると聞きました。

PSGの事業計画は

@加速器科学研究会を軸にしたILC日本誘致活動を支援
Aデジタル田園都市構想の地域からの発信
Bさらに最近は経済安全保障についても重視

と紹介がありました。

演題の企業間連携については総務常任委員会でも県内視察をして、過去にこのブログでも紹介しておりますが、吉岡先生ご自身の活動が大きく寄与して技術的に十分に対応可能な企業は確実に増えています。

特にILC準備研究所で想定されていた18のワーキングパッケージ(WP)のうち磁場収束と捕獲空洞においては産学官協働のよるILC陽電子源の開発が国内ですでに確保の見込みがついています。


講演の前後に吉岡先生との情報交換の中でここ2年間ILC推進への停滞(吉岡先生はダメージと表現)文科省の有識者会議など先送りにする会議をくりかえするやら、本来推進すべき立場にいる方の逆噴射とも言える行動などに関して鈴木厚人先生や吉岡先生のご尽力によりダメージコントロールは効いてきたとの報告を受けて安堵をしたところでした。

岩手県もILC推進局の局長人事で不可解な人事をするなど、この間時同じくして大きく停滞をしてしまいました。

鈴木俊一財務大臣が第109回加速器科学研究会に発したメッセージの中に「我が国にとって新しいスキームとなる計画を発足するためには、学術、行政、政治、産業界、地域の5つのセクターが一致協力して、かつ、国際的に活動していくことが重要です。」と述べられており、文科省のみならず省庁の連携をも必要との示唆をしています。

私も議員としての立場、加えて産業界人の視点を交えてこれからもILC実現のために頑張ってまいります。
posted by 飯沢ただし at 23:47| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月12日

ICFAがヒッグス・ファクトリーとILCについてステートメントを発表

ヒッグス・ファクトリーの進展とILCについてのICFAステートメント (KEK仮訳)

将来加速器国際委員会(ICFA)は先般、高エネルギー物理学の国際的な進捗と計画について検討する会合を開催しました。 ICFAは、素粒子物理学の科学的目標を実現するための最優先事項としてヒッグスファクトリーが重要であるとする、国際的なコンセンサスを再確認します。 この見解は、これまでの世界の素粒子物理学研究施設での実験結果でますます強く裏付けられています。さまざまな技術に基づくいくつもの設計研究が進められるなか、円形衝突型加速器(FCC-eeとCEPC)と線形衝突型加速器(ILCとCLIC)の双方が検討されています。 ICFAは、世界のヒッグスファクトリー提案の開発状況を把握し、それらの概念を発展させることが重要と考えています。

(中略)

国際リニアコライダー(ILC)についてICFAは、その概念が技術的に確固たるものになり、成熟もしてきたことで、ILCのタイムリーな実現に向けた工学設計研究へと進むことができるとの立場を再確認します。 実際、世界中の最近の加速器プロジェクトは、基礎的な超伝導加速器技術の即応性を裏付けるものです。

ICFAは、国際推進チーム(IDT)の枠組みで、日本でILCをさらに進展させ実現させることを目指したグローバルな研究者コミュニティの活動の調整に、来年にかけて引き続き取り組みます。 IDTは、研究機関の間の国際協力をさらに強化するとともに、さまざまなステークホルダーからのより幅広い支援の獲得に特に注力することになります。ICFAは、リソースの利用可能性と国際的な議論の進展を評価するために、今後一年間の進展を注意深く見守ります。

ICFAは、重要な研究開発活動に向けた国際協力とILC実現に向けた調整を推進するために、日本とパートナー候補となる国との間の政府間協議に向け働きかけを続けます。

2022年4月10日


将来加速器国際委員会の会議が先般開催され、ILCに対する位置づけがどのようになるのか気になっていましたが、上記のKEKからの発信した声明によると、日本、IDTの重要な固有名詞が明確に記載されており、ICFAも実現に向けた取り組みを継続することが声明に盛られました、

ロシアのウクライナ侵攻により国際情勢が風雲急を告げている情勢の中、ICFAの揺るぎない態度表明に安堵したところです。

しかしながら、今後の展開は予断を許さぬ状況にあり、引き続き粘り強く政府間協議を続けていくことが求められます。

本日は総務常任委員会が終了後に新年度から就任された箱石ILC推進局長と佐々木副局長と意見交換を交わしました。二年間停滞してしまったILC推進局の遅れを取り戻すべく新体制で積極的な政府筋への働きかけや県民への理解促進活動を期待しております。
posted by 飯沢ただし at 21:37| 岩手 | Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月18日

いよいよ本当の正念場

文部科学省のILCに関する第2期有識者会議の見解が公表されました。

その内容は、学術的意義は大きいとの評価があった一方、国際費用分担の目途が立っていないとして準備研究所(プレラボ)への移行は時期早尚としたものでした。当初は「困難」でしたが最終議論を経て時期早尚となったものと理解しています。

文科省の有識者会議は学術的意義があるかどうかを諮問された会議であって、準備研究所の線まで議論が入り込むのは範を越えていると思うのですが、私の考え方とほぼ一致する解説記事が岩手日報社に掲載されていて、思わず「その通り!」と叫んでしまいました。

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【2月15日 岩手日報朝刊 第4面から】


及川氏の内容はまさに本質を得ていて、これまでの有識者会議の議論は文科省内の枠内案件ではないものを無理に小さな籠に押し込んでいる感があり、まったく国益という高いレベルでの議論に達していないことは誠に残念です。

この有識者会議もKEKのILC推進チームもどうやら腰が引き気味で文科省のバイアスがかかっている節があり、ここは解説にもある通り、「科学技術立国」を掲げる現政府の判断に委ねるしかないと思われます。悠長に構えている状況ではなく、ここは地元としても別の展開を考えていく必要があります。

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国会議員で構成するILC議連の会長に元幹事長の塩野 立氏が就任したようです。幹事長と事務長は会長に一任されたと聞きましたが、確固たる体制強化を心から願うばかりです。
posted by 飯沢ただし at 23:58| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月22日

困難から時期尚早へ・・・

国際リニアコライダー(ILC)に関する文部科学省の第6回有識者会議がオンラインで20日に行われた。有識者会議はこれで終了。

私は事前に事務局が用意した案を入手した。
回を重ねるごと我が国の基礎科学に対する委員の発言も目立ってきたと聞いていたが、とにかく否定的な方向に導こうとする考え方がありあり。
これまでILCに対して積極的な発言が相次ぐと座長が急に抑制をかけるような場面もあったと仄聞されており、事務局案も座長の意向を汲んだものになったと推察する。

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【1月21日 岩手日報朝刊4面】


ところが新聞報道によれば、事務局案にあった「現時点において提案研究コミニティーが希望するILC準備研究所への移行を支持することは困難と言わざるを得ない」から委員から「困難と言い切るのではなく、タイミングが今ではない、今すべきことは、という提言にした方がいい」という提案があり「機が熟していない問う言葉で表現される」など多くの委員から賛同を得た。となっている。

結局、事務局案である困難という言葉は否定され、今後の展開に含みを持たせた内容に変わったと言っていいだろう。

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【1月21日 岩手日日朝刊第一面】


よって、見出しの時期尚早の言葉だけだと否定的に映るが、実はその逆であったということだ。

国家プロジェクトは最終的に総合的見地から政府判断によるものであるから、文科省の有識者会議がすべてを結論付けるものではない。しかし、幸運なことに学術的意義と素粒子物理学の発展の必要性は認めることを盛り込まれる予定であることは前進する要素の方が大きいと私は思料する。

政府レベルの国際協力などの面で、まだ機が熟していないとの座長のコメントがあったが、国際間の協議、特に予算が絡むものは駆け引きが行われるのが当然で、すべての手が日本に有利なる状況にオープンになるということはあり得ないと私は思うのだが、そこを自分が知らないから機が熟さないと断言するのは私の方が疑問に思う。
posted by 飯沢ただし at 23:04| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月28日

ILC推進センターからの報告(備忘録)

先日、行われたILC推進大会においてILC推進センター長である鈴木厚人先生から現時点での検討状況が報告されました。私が興味を引いたところだけここに記しておきます。(詳細は後日県のILC推進局から取り寄せます)

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1⃣ ILC衝突点キャンパス(衝突点付近に建設される)総敷地面積 78,500m3

2⃣ ILC動力源’(電気・水)取入れ経路等 
@電力 地域電力は水沢変電所(154kV)⇒受電:154kVから66kV降電プラス供給電力の30%を液化天然ガスを用いたコージェネでまかなう
A水  必要量は5000t〜7000t ILCトンネル内からの湧水

3⃣ ILC加速器の製造・組立・性能検査・保管を担う地域拠点の検討

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陸上、海上からの複合的な輸送が検討される

陸送輸送に関しては、
@海外からの物品の国内輸送(港湾⇒試験設備⇒保険倉庫)2,588台
A搬入(保管倉庫⇒搬入坑内口までの輸送)3,886台
B据付(国内品、海外品)搬入坑口⇒トンネル内設置場所 127,380の物品

4⃣ 環境調査 猛禽類等の調査

などが具体的に検討されている模様です。
posted by 飯沢ただし at 17:23| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月25日

岩手県南・宮城県北 ILC誘致推進大会が一関市で開催される

クリスマス・イヴの昨日、標題の大会が開催されました。

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会場に着いて出席者名簿を見てびっくり!!

関係者に絞り込んでの大会とお聞きしておりましたが、国会議員は小野寺五典代議士はじめ現職4名、代理2名をはじめとして

岩手県議会15名、宮城県議会21名、

盛岡市議会3名、大船渡市議会3名、北上市議会10名、遠野市議会1名、一関市議会14名、陸前高田市議会7名、
奥州市議会5名、西和賀町議会1名、金ヶ崎町議会1名、平泉町議会6名、住田町議会7名

仙台市議会15名、気仙沼市議会4名、登米市議会22名、栗原市議会5名もの議員のビッグデレゲーション!!

まずは、この大会の発起人が、ILC実現を熱望する住民の会(一関商工会議所)・登米市国際リニアコライダー誘致推進協議会・気仙沼市・一関市というところに注目して頂きたい。

国会議員団から小野寺代議士がお祝いのことばの口火を切りました。小野寺代議士には国会推進議連での活躍が期待されます。

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私も岩手県南・宮城県北議員連盟会長としての立場からお祝いを述べさせて頂きました。私には珍しく原稿を用意してきました。

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本日、岩手県南・宮城県北ILC誘致推進大会が開催されるにあたり一言お祝いを申し上げます。
文科省の有識者会議の再開、ILCジャパンの設立などILC実現に向けた動きが加速している今、この大会は誠に時宜を得たものと考えます。
まずもってこの大会を企画されました発起人各位に心から感謝と敬意を捧げます。

そして、本日ご講演を頂きます東北ILC事業推進センター代表、鈴木厚人先生におかれましては基礎物理学ブレークスルー賞のご受章に続き文化功労章のご受章、誠におめでとうございます。鈴木厚人先生のこれまでのご功績を讃えるとともにさらなるご活躍を祈念致します。

私は、ILCの実現は奥州藤原文化が繁栄した12世紀以来約900年の時を越えて東北の地に光が当たる最大の好機ととらえており、この好機を絶対に逃してはならないとの思いで私は今日まで活動して参りました。

さて、岩手、宮城の県境地区選出の県議会議員は昭和50年代から両県にて各々県境議員連盟を設立し、年に一度、両県議会の議員連盟所属議員が一堂に会し県境に関わる諸問題に対して研究と実践を重ねてまいりました。その県境議連の活動が起源となりILC実現のために両県議会全体で取り組むことに発展し、ILCの東北誘致に向け岩手、宮城の協力関係の強化のため岩手、宮城両県議会が立ち上がり2017年12月に超党派の共同議員連盟を設立しました。全国的にも例をみない二県による合同議員連盟と評価を頂いております。この間、官房長官はじめ政府や関係省庁の要請活動を展開してまいりました。今後はコロナの影響を見ながら共同議連の活動を推進していきたいと考えているところです。

ご案内のとおり、最終的には政府がホスト国として決定することでありますが、その後押しには学術的見地、科学的見地、国家戦略的見地からの考察が必要と思料します。しかし、後者の国家戦略的見地、すなわち日本初の国際機関である研究所の設立が安全保障を含んだ戦略が議論の対象となっていないことに残念に思うところであります。今後役員の改選が行われる予定である国会議連の活動に期待をしたいと思います。

今日、課題となっているILCへの国民への理解の醸成にはあらゆる可能性とビジョンを示すことが不可欠であり、そうした役目を負うのが行政の重要な仕事であると考えます。特に岩手県にあっては上部団体との調整作業にとどまらず本県の特徴を生かした独自の振興ビジョンを具現化し情報発信していくことが求められると考えます。例えば吉岡先生からご示唆を頂いているグリーンILCの取組みを本県の一次産業の産業振興に結び付けてビジョン化し、県民や国民に対しての多くの材料を提供すること等が考えられます。

岩手県には戦略的に活動するよう一層の奮起を促します。

今日までILC実現のために努力を惜しまず活動を積み重ねてこられた科学コミュニティーの皆様に深甚なる感謝を捧げつつ、大詰めを迎えたILC実現のため、今大会は関係者が所期の目標を達成するために心を一つにするために大きな意義があると考えます。
関係各位におかれましては、本日を契機としてより多くの方々に科学的な正しい情報を共有できますよう、そして機運の醸成が図られますようご尽力方をお願い申し上げます。
この大会が次なる建設的な動きにつながることを期待し、ご参会の皆様のご健勝をお祈りしてお祝いのメッセージと致します。



コロナの様子を窺いながら時期を見て適切に判断したこの会を企画運営した一関市の英断と実行に敬意を表したいと思いますが、実際のところこうした推進大会をいの一番に開催し、機運を盛り上げるのは岩手県の役目ではないでしょうか。昨日の県の存在はほぼゲスト状態でした。

私は、宮城県の関係者と情報交換をしました。岩手が動いてないのに宮城は勝手に動けない。これが宮城県の本音の認識と聞きました。

岩手県には必死に何が何でも実現しようとする気力・情熱・実行力すべてが問われています。

メッセージに託した私の思いをどれだけ岩手県庁の関係者は気づいてくれたでしょうか。
posted by 飯沢ただし at 23:20| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月03日

準備研究所提案書を公開

中田達也IDT(ILC国際推進チーム)議長がILCニュースレターでILC準備研究所の提案書を公開しました。

その内容は以下の通りです。

2020年8月、「ILC準備研究所(プレラボ)」の設立準備を進める組織である「ILC国際推進チーム(IDT)」が、国際将来加速器委員会(ICFA)によって設立されました。プレラボは、国際リニアコライダー(ILC)建設開始に向け、必要となる技術開発とエンジニアリングを完了することを目的とする組織です。ILCの設立準備を進める時期には、関係国の政府当局間において、ILC施設の建設と運用の費用と責任の分担、およびILC研究所の組織構造と運営について合意を結ぶことも期待されています。

このほど、IDT は ILC 準備研究所の提案書を完了しました。これはIDT設立後10ヶ月で初となる、主要なマイルストーンの達成となります。この提案書は、プレラボの組織的枠組み、実装モデル、および作業計画の概要を示すものです。提案書の完成には、 3 つのワーキング グループが主要な役割を果たし、多くの人々からの貢献がありました。ワーキンググループ1は、任務、ガバナンスモデル、組織構造、およびプレラボ立ち上げの手順を担当しました。ワーキンググループ 2 は、ILC 加速器およびサイト建設に必要な技術開発および工学準備作業を特定しました。ワーキング グループ 3 は、研究意欲を駆り立てる ILC 物理プログラムを開発するための戦略について議論しました。執行委員会では、それらの文書を取りまとめ、編集を行いました。この提案書作成の課程で、参加者数がどんどん増えていき、非常に心強く感じました。

これからIDT の活動は、この提案書に記載した方向性に沿って、プレラボを設立するための各ステップを実現する、という次のフェーズへと入ります。加速器の技術開発および工学準備作業については、計画をさらに練り上げるとともに、これらの活動に関心と専門知識を持つ研究者や研究所を特定する必要があります。実験コミュニティには、ILCで行う物理研究の可能性をさらに探求し、実験の具体的な設計をまとめ上げるための動機づけとサポートが必要です。プレラボの開始プロセスに関する議論は、主要なラボ間で開始される必要があります。

同様に重要なファクターは、プレラボの設立を達成するためには、どのようなプロセスが必要なのかを理解することです。プレラボの活動は、実際のILCとは異なり、政府当局が直接関与するのではなく、研究所のレベルで推進されます。ただし、ILCに関心を持つ研究所の経営陣がプレラボ活動の責任分担について本格的に議論するためには、ILCのホストとプレラボの支援への関心を示唆するような、日本政府からの何らかのシグナルが必要でしょう。並行して、我々はILC に対する世界からのより多くのサポートを得るために、さらに努力します。

今後もプレラボの早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。エキサイティングな時間は我々の目の前です。


後段の太字部分が大事なところで、プレラボは研究所レベルで推進されるとされているものの政府が関心を寄せているという形を示すことが必要と示唆しています。すでに研究者間ではプレラボ関連予算が来年度の予算要求にどれだけ盛り込まれるかが重大な関心事となっています。その時期のデッドラインは8月末とも言われており、我々、県議会も対応した活動が求められます。
posted by 飯沢ただし at 12:03| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月15日

ILCに係る県内企業の実態について調査

総務常任委員会の県内調査が二日間の日程で行われ、二日目は標題の件について集中的に調査しました。
ILCに関連した取り組みをしている企業に関した手は吉岡先生から断片的にお話は伺っておりましたが、実際に県内の企業を訪問するのは初めてです。

訪問したのは3社。

@(株)WINGさま(北上市)

1.超電導加速器空洞用縦型電解研磨装置(VEP)を兵庫県のマルイ鍍金工業と共同開発中。県工業技術センターが主幹

KEKで現在使用されている超電導加速器空洞の研磨装置は横型で高額な樹脂素材を用いているが、縦型に置き換え安価な素材を代替することで研磨装置のコストを4分の1にまで抑えることができる。

2.グリーンILCへの取組

ILCから放出される熱をハスクレーと呼ばれる素材を使用して、熱を運搬可能に。すでに実験中

A 岩手製鉄株式会社さま(北上市)

ILCクライオモジュール精密位置決め調節架台用「アクティブムーバー」の機構開発の取組

・鋳造による架台開発
・小型化設計及び架台との最適組み合わせ設計
・位置決め方式(制御方式)の検討

一関工業高等専門学校の藤原康宣教授の知見と組んで上記のシステム「アクティブムーバー」を開発。10tを越えるクライオモジュールを0.01mm以下の精度で位置決めする性能をILCでは要求されているが、本研究開発はそれを満たす製品化までを開発中。

それも同社が蓄積してきた鋳物技術を架台下部に採用することを提案。質問して驚いたのはCERNでもKEKでも位置決めをシステムで行っておらず伝動装置を手作業でボルト留しているとのこと。この技術は認められてKEKのATF装置に導入が決定している。

同社ではこれらの技術だけでなく将来はR&D(研究開発)部門の拡張を計画中。

B 株式会社近藤設備さま(花巻市)

1.複雑に入り組む加速器の配管を、同社の高度な3次元スキャナーBIMで「見える化」に
2.素粒子の陽電子を発生させる装置「陽電子源」の冷却装置に関して共同研究を進める
3.ILCホストタウンに関して農的暮らしを体験する持続可能なエコタウンを提案

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同社では東北大学に建設する次世代放射光施設の冷却用配管工事も受注済み。写真の配管はその一部。

ものづくりの現場を訪れると常に前を向いて新しい技術に挑戦する意気込みを感じます。
ILCが要求するハイレベルな技術にも既存のノウハウを活かして果敢に挑戦し、なおかつ新しい分野にも意欲を燃やしている3社共通の姿勢に感動しました。これらの技術が花が咲くように誘致実現に向けてしっかりと私も頑張ってまいります。
posted by 飯沢ただし at 23:51| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月28日

ILC Web セミナーに参加

本日、岩手県ILC推進協議会が主催したILCWebセミナーに参加しました。

講師はお馴染みの道園先生、鈴木厚人先生、山下了先生の御三方。

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道園先生からはKEK内に設置されているIDTの活動内容について報告がありました。道園先生自身が第二ワーキンググループのチーフを務めておられます。プレラボ(準備研究室)設立に向けての全体的な動きを把握することができました。

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鈴木厚人先生からは新しく組織再編になった東北ILC事業推進センターについての活動について報告がありました。すでに地元組織として着々と活動が始まっているようです。今後は地域住民への安全周知について力を入れていくことを強調されていました。

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山下先生からはILCの現在の動向と課題について総括的な説明がありました。山下先生からは何度も聞いていますが、その都度資料がリバイスされていて一つとして同じ内容のものはありません。ILCが産業に及ぼす波及効果についてわかり易く説明がありました。

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山下先生がいつもILCの意義について結ぶ

人種・宗教・文化を跨いだ Science for Peace

の言葉が強く耳に残りました。科学が世界の平和のために貢献するという原点、この意味を深く多くの方々に浸透させていきたいものです。
posted by 飯沢ただし at 23:54| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月19日

ILCの最新動向

本会議終了後に県議会ILC建設実現議員連盟によるILC講演会が開かれました。現在ILC国際推進チーム(IDT)WG1メンバーでもある東京大学素粒子物理国際研究センター 特任教授の山下 了先生のリモートによる講演会でした。

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上の写真はわかりづらいですが、左から右へと国際研究施設をホストする意義にについて図解しています。

「通常の学術計画」は大学や研究機関が研究者の範囲内で行うもので学術的価値を追求していくもの

「参加パートナー型」はITERや国際宇宙ステーションなどの国際プロジェックトにパ−トナー国として参加する形態で学術的価値の上に先端技術や社会利用などの付加価値がつくもの

「国際研究施設のホスト国」になるとさらに経済安全保障などの大きな効果を我が国に及ぼすもの

この図は、ILCを文部科学省のロードマップ登録から撤退したのかの意味に明解に示しています。要は「通常の学術計画」の域をはるかに超えているものだということです。日本学術会議が示したILCは時期早尚との結果を念仏的に引用して繰り返すことが散見されますが、それはもはや的外れになっているということです。

山下先生からは具体的な今後のスケジュールについても解説頂きました。

・IDTはすでに準備研究所の設立に向けて詳細検討を開始
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・国際会議LCWS2021(3月15〜18日)にて議論される準備研究所について正式に提案
  👇
・2021年6月に発表される予定の政府の骨太の方針を注視しつつ、2022年度の準備研究所設立の初年度予算概算要求  👇
・予算化されれば2021年度3月から本格的に準備研究所の開始の運び
  👇
準備研究所は4年間で技術・制度・設計・環境アセス準備等の検討
  👇
・2026年から建設開始(約10年を想定)

直近では青色で示した今年8月時の政府への予算概算要求が認められるかどうかが注目点になります。


地元としてこの間協力できることは何かを私が山下先生に質問したところ、やはり地元への科学的な正しい理解を広めること、特にメディアへの働きかけについて強化することの示唆を頂きました。

いよいよ決定までの最終段階に入りました。実現まで頑張っていきましょう。
posted by 飯沢ただし at 23:33| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月09日

吉岡先生によるILC講演会@大東

大東ILC委員会(会長 小原玉義)と一関商工会議所大東地域運営委員会(会長 伊東義弘)の主催によるILC講演会が開催されました。

講師はお馴染み 岩手大学・岩手県立大学客員教授の吉岡正和先生です。

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吉岡先生が用意された資料には今日の講演会の題名は

「アジア初の巨大国際機関・ILCの概要と超少子高齢化・人口激減ニッポンのまちづくり」
一関市大東の皆さんとの草の根勉強会


今回はコロナ感染症対策を考慮して20名限定の会でした。
20名という人数でしたので双方向のやり取りが可能となり理解を深めるに有意義な会となりました。

@ILCの概要と近況
Aニッポンの実像
B我々は何をなすべきか

の三本立てでした。

最近、吉岡先生が強調されるのは、日本の科学立国たる存在感、実像が右肩下がりになっている厳しい現実です。事実(ファクト)を元にILCを契機として明確なビジョンによる持続可能な地域づくり・人づくりをしていく必要性です。

また、吉岡先生は東北の民間会社(主に製造業)を300社以上訪問して、ILC関連の技術とスピンオフできるか活動されておられます。このエネルギーには感嘆の一言です。

備忘録として本日示された数字

・ILC土木工事によって掘削される土量 360万m3 (新区界トンネル工事土量 70m3)➡想像を絶するような量ではない。
・ILC運転で必要となる電力 123万kw (北上市のキオクシア社は 243万kw)➡東北電力発電量の0.5%
・ILCランニングコスト 200憶円 (CERNは400憶円)

吉岡先生の話を聞いた20名は、ILCを梃に将来の地域づくりを考え・行動していくことのモチベーションが上がったことは間違いないと思います。
posted by 飯沢ただし at 23:50| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月17日

再掲:保利先生の発言

以下の記事は2013年9月4日の私のブログ記事です。
10月16日(金)のILC推進局の審査の際にこの保利先生のお話をさせてもらいました。KEKが文科省のロードマップから取り下げたからもう道は外れたとか、そんな手続き論を超越した政治家の崇高な発言です。我が国が科学立国としてILCをどう扱うか、どう動くかここに原点があると思います。

ここに記されている信用できるマスコミの方という人も残念ながら鬼籍に入られてしまいました。その方はILCの推進にメディアの立場から本当に応援をして頂きました。多くの前に進もうとしている方々の思いを込めて、また自分自身も原点に戻るためにこの記事を再掲します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


8月23日の候補地発表後に研究者代表と国会のILC議連のメンバーとで質疑が交わされましたが、
元 文部科学大臣で佐賀県選出の保利耕輔先生の発言を紹介します。

信用できるマスコミの方にお願いして入手した内容(抜粋)です。

ぜひともぜひとも一読下さい。

今日、ILCのサイトの選定について決定的なお話をいただいた。これは随分ご苦労があったと思いますので高く評価したい。
ILCを日本に導入するためにわれわれは努力しないといけない。
それは学術会議でも日本に導入するという方向で物事を少し考えてほしい。世界のためでもあるし、
今後の世界中の科学技術の進展に貢献する意味が非常に大きい。


ぜひ日本に導入するということを主眼にしてほしい。何か問題があるからやめるという方向は議連としても許せないだろうと思う。せっかくここまできた。
お金は確かにかかるが工夫をすれば出てくると思う。その点はわれわれも努力していきたい。

北上山地にサイトを決めたということなので、そちらの協力態勢をどうつくるかだ。北上山地に決まったが用地買収でとまどってどうにもならないなどの事態がおこらないようにしないといけない。むしろ学者の皆さんというよりもわれわれ応援団がしっかり考えておかなければならない。地元の協力態勢をしっかり構築していくことを東北地方が一体となって頑張ってほしいし、われわれも応援をしっかりやる。

ILCは国際的な会議を経て日本誘致決まるので国際的な動きが今後どうなるのかについては情報が必要だ。日本がどういう役割を果たしていくのか、国際的にどう話していくのかをしっかり整理していってほしい。

それは外務省の仕事だ。まだやるかやらないかわからないので動けませんではなく、やはりあれだけの大きなプロジェクトなのでこれを今から勉強しておいてください。これからの協力態勢、日本にILCという大プロジェクトもってくることに議連としても集中してやりたい。学者の人たちが決めたことを了とし、高く評価したい。



保利先生のこの発言が会の締めの発言となったそうです。

保利耕輔先生.jpg



どうですか。皆さん。こういう政治家が日本の未来を創っていくのだと思いませんか。
参考までに保利先生は佐賀県選出の代議士です。
学者の結論をリスペクトし、大義を踏まえた建設的かつ説得力ある意見です。

私は心から感銘を受けました。
posted by 飯沢ただし at 23:55| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月30日

文科省のILC関連概算要求について

今日で9月も終わりです。残暑から雨が降ったらあっという間に秋になってしまいました。そして2020年は残すところ3カ月しかありません。
9月定例議会も開会しました。今議会はこれからの社会を見据えた議論を展開しようと決意も新たにしております。

昨日文部科学省のILC関連概算要求に関して令和3年度の概算要求額が明からになりました。

〇 先端加速器の低コスト化基礎技術の開発に3.2億円
(令和2年度予算額も3.2億円)


開発となってますが、米国、欧州との共同研究課題への取組や国際的な研究動向の調査・把握を引き続き実施すると計画にかいてありますので米国シカゴ近郊にあるフェルミ研究所や独仏の研究所との連携を図って共同研究のより進捗を図るものと推察されます。

このほか。高エネルギー加速器研究機構(KEK)運営交付金の内数として1.6億円を盛り込んでいます。

ここ数年ILC技術のセンター役割を担っているKEKへの予算措置は減額されたことはなく、また以前はILCという名称も出さないで予算要求をしていましたが公然とILC関連と銘打っていますので文部科学省内のILCの位置づけがこのことによってプラス方向に作用していることが判断できます。

都合4.8億円(前年度も同額)により、日米及び欧州(独・仏)とのILCコスト削減に向けた共同研究等に対応。と結んでおります。


いよいよ来年はKEK内に設置されたIDTが本格的に動き出す年になりそうで、予算要求もそれを裏付けるものなっています。本県も関係機関との連携を密に図りつつ、同時にグランドデザインに関して県民に理解しやすいものを用意する作業が必要になると思います。
posted by 飯沢ただし at 23:05| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月24日

ILCweb講演会に参加

標題に講演会に参加し、拝聴しました。

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・ILC実現に向けた研究者の取り組み
東京大学 教授 高エネルギー物理学研究者会議(JAHEP)・高エネルギー委員長 森 俊則 氏

・ILC計画の推進状況について
東京大学 特任教授 山下 了 氏

・新しい地方創生の核となるILC計画
ILCを契機とした「地球村ビジョン」の策定に尽力された
(株)東急総合研究所 顧問 元・国土交通省国土政策局長 藤井 健 氏

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内容についてはほぼこれまでの復習でしたが、あらためて世界協調・協力の枠が強固なものになっていることを再認識致しました。また、このような講義方式の講演会ならばWEBでも十分に用を足せることも感じ取れました。

「地球村ビジョン」はまさに里山に立地する研究村の考え方を示していて共感を覚えました。ビジョンのより具体化に向けた作業は本県独自でも必要不可欠です。国際プロジェクトとはいえ、すべてお任せではいけません。
posted by 飯沢ただし at 23:09| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月12日

IDT動き出す!

ICFAがILC国際推進チーム(IDT)の構成メンバーを発表!

上をクリックすると↗ KEKのページにリンクします。

ジェフリー・テイラー氏、道園先生、村山先生などお馴染みの錚々たるメンバーが連ねています。

IDTはILCのプレラボ設置にむけての準備機関であり、設置期間は1年から1.5年の期限が定められています。すでに国際研究コミニティーでは議論から実践段階へと動き出していることがうかがえます。


また、昨日萩生田光一文科大臣が記者会見において記者からの質問にILCに関して以下述べています。

ー申請取り下げ理由は、本年2月にILCに関する国際会議での声明において、ILCに関する国際協力体制などの推進枠組みを再構築することとなり、その内容を踏まえ、申請内容を見直す必要が生じたためと伺っております。文科省としては、米欧の政府機関との意見交換を行いつつ、国際研究コミニティーによる議論を注視してまいりたいと思っているところです。


文科大臣がロードマップに関して拘泥する表現はなく、米欧の政府機関との意見交換にも踏み込んでいますので、政府も着実に進んでいるといるという印象を受けます。
posted by 飯沢ただし at 17:04| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月11日

KEKからプレス向けにリリース

ILC計画の文科科学省ロードマップ申請取り下げについて
【2020/09/11 KEK】

KEKでは、2020年2月にILC計画について文部科学省「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ」への採択を求めて申請書を提出しましたが、その後の国際的推進状況を踏まえ、3月に申請を取り下げました。今回「ロードマップ2020(案)」が公開されたのを機に、報道関係者向けに9月8日、下記のようなお知らせを送りました。以下のお知らせのとおり、最近KEKをホストとして国際推進チームが立ち上がり、新たな国際協力による計画推進体制もとでILC計画を強力に進めてまいります。

9月8日より、文部科学省より「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップの策定(案)–ロードマップ2020−」が取りまとめられ、パブリック・コメントの実施が案内されています。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、本年2月に「国際リニアコライダー(ILC)計画」について、文科省にロードマップへの採択を求めた申請書を提出しておりましたが、本年3月に当該申請を取り下げましたことをご報告いたします。ロードマップ策定の審査過程については非公開が原則だったため、ご報告が遅れましたことをお詫び申し上げます。

申請書提出後の2月下旬以降、国際将来加速器委員会(ICFA)など国際研究者コミュニティで議論が行われ、新たに国際推進チームを立ち上げるとともに国際協力体制など推進の枠組みを再構築し、ILC計画を一層強力に進める方向で検討が進められることとなりました。したがって、申請書の重要なポイントである「国際協力による計画推進体制」が大きく変わり、計画の進め方が提出した申請書の内容から一新されることが見込まれる状況となったため、申請を取り下げたものです。

なお、ILC計画の国際推進チームは、8月に設立され、新たな体制で活動を始めています。KEKは、国際研究者コミュニティとともに、引き続きILCの実現に鋭意努力してまいります。


KEKから申請書取り下げの理由についてプレス向けに発表がありました。

文科省のロードマップへの申請は3年に一度ですから、KEKはもはや3年後に再提出ということはないでしょう。すでに国際チームは動いていますし、欧州の次期戦略計画によりIDTを主体にしたスケジュールも新たに設定されているのでスピードが要求されています。

ということは昨日投稿したように文科省ロードマップを超越した別枠で実現を目指すということに舵を切ったと思料されます。

今後の動きは一気に加速する予感がします。目を離せません。

しかし、実現は遠のいたと見出しをつけるセンスと取材力には違和感を禁じえないですね。むしろ意図的なものを感じます。
posted by 飯沢ただし at 23:55| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月10日

鬱勃たる思想は何処にあるや!

加速器ILC、実現遠のく 基本構想の申請取り下げ←(-_-)
【朝日新聞 電子版 9/9(水) 22:00配信】

 宇宙の謎に迫る大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致について、高エネルギー加速器研究機構(KEK)が8日、国が優先的に進める大型研究の基本構想「ロードマップ」への申請を取り下げたと発表した。岩手県などが求める早期の誘致実現は極めて難しくなった。

 ILCは日米欧で進める国際プロジェクト。岩手・宮城両県にまたがる北上山地に全長20キロのトンネルを掘り、電子などを光速近くまで加速してぶつけ、飛び出てくる素粒子「ヒッグス粒子」などの性質を詳しく調べる。建設費は約7700億円で、日本が半分を負担するとされる。

 こうした大型計画は、文部科学省が3年ごとにロードマップとしてまとめ、予算化を検討する。KEKは今年2月、ILCをロードマップに申請したものの、「もっと強力な組織を作るべきだとの提案が国際将来加速器委員会からあった」として3月に申請を取り下げた。引き続き誘致をめざすとしているが、取り下げによって議論が進むことは当面なくなった。


この新聞社だけでなく、報道した他のテレビも含めたメディアはこういうトーンで発信していました。

鬼の首を取ったごときに実現遠のくが強調されています。

果たして本当に遠のいたのでしょうか!?今回の報道には背後にどういう経過があったのかの解説が抜け落ちていて極めて不十分と私は思います。

🚩ポイント1
なぜ今頃になってKEKが取り下げたことが明らかになってニュースになったのか。
ーーー文科省のロードマップのパブリックコメントに入る時期間近になり、取り下げた事実を事前に発表したに過ぎません。

🚩ポイント2
なぜKEKは取り下げたのか。
ーーー記事にもあるように国際将来加速器委員会(ICFA)からもっと強力な組織をつくるべきだとの提案があった。すなわちILCは国際プロジェクトですから日本国内の議論を中心に組み立てるのではなく国際連携の姿を明らかにした上で事を進めた方が合理的との判断をKEKがしたのでしょう。取り下げる前の申請書にはその点は不確実な状態でした。事実、他紙では状況が変化したので実態と合わなくなったことを取り下げた理由としています。ロードマップに頼らず別次元で挑戦をするという情報もあり、決してあきらめた訳ではありません。

🚩ポイント3
状況の変化とは事実あったのか?
ーーーありました。欧州戦略会議にて決定した重要事項にILC のプレラボを準備するIDT という国際組織をKEK内に発足しました。詳しくは私の8月7日の記事を参照して下さい。

🚩ポイント4
ロードマップは完全なる必要絶対条件か?
ーーー文科省のロードマップは国内の予算を組む上で必要な手続きです。しかし、これほどまで国際協調の中身が進捗している中でロードマップ手続きに固執するほど絶対条件と言える状況なのでしょうか。取り下げ=議論が進むことは当面なくなったという表現は手続きのみで判断した記事と思います。私はIDTが発足したことにより議論は活発化して政府への働きかけ圧力はむしろ高まると確信しています。ロードマップは文科省内の予算枠組を決めるための手続きに過ぎませんから必要絶対条件にはすでになっていない可能性が強いと見ます。なぜならILC は国際プロジェクトだからです。そして事実、国際協調は整備され一歩一歩確実に進んでいるのです。

以上、私が知り得る根拠により決して遠のいたとは思いません。

文科省の諮問機関である有識者会議で以前に大型プロジェクトにILCが含めまれない理由に国際連携について不透明という理由が付されていました。その連携協調が明確になった今、国内議論だけでは収まらない状況になっているということです。

今回の件については本県のILC推進局のメディアへの解説不足もあったのではないかと推察します。米国や欧州がいかにILCに期待しているかも含めて刻々と変化する情勢を的確かつ定期的にメディアに発信して欲しい旨を先日当局に私から申し入れをしました。
posted by 飯沢ただし at 23:27| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月07日

9月になりました(*_*)

久しぶりの投稿です。

ちょっと筆を休んでいる間に月も変わり9月になりました。今年も残すところ4カ月を切りました。
思い起こしてみると昨年の今頃は選挙活動真っ盛りでしたが、この一年はコロナ禍によって大きく活動の規格の変化を余儀なくされて、時間の経過の速さにいまさらのように驚いています。

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ちょうど一週間前に議会閉会中の常任委員会が開かれ、私の所属する総務常任委員会では「ILCの最近の情勢」について担当局から説明がありました。

先月に記事に上げた情報からは特段目新しいものはなかったのですが、重要な部分を書き出してみると

2020欧州素粒子戦略アップデート

・電子陽電子ヒッグス・ファクトリーが、最も優先度の高い次のコライダーである。
・日本におけるILCのタイムリーな実現は、この戦略に適合するものであり、その場合、欧州の素粒子物理学コミニティは協働することを望む。


さらに詳細に解説を加えると

💡次の最優先はヒッグスファクトリー。四つの候補(ILC、CLIC、FCC-ee、CEPC)のうちILCFCC-eeの二つをあげた。

💡次の戦略更新まで(約7年後)は、「将来ハドロンコライダー」の研究開発と技術的・財政的実現性の検討期間とする。

💡「将来ハドロンコライダー」の第一段階としてFCC-eeもありうるが、現行計画(HL-LHC)は2038年まで運転が決まっているので、FCC-eeの実験開始は早くても2050年近くになる。

💡ILCがタイムリーに実現(2035年頃実験開始)する場合は、欧州の方針と適合しており、欧州コミニティは協働して取り組みたい。

ILC:直線型 電子・陽電子加速器⇒国際リニアコライダー
LHC:円形型 陽子・陽子加速器⇒ラージハドロンコライダー、CERNですでに運転している円形加速器(円周27km)
HL-LHC:LHCを高輝度化したもの
FCC-ee:将来円形型 電子・陽電子加速器、次世代のCERNで建設予定の円形加速器(円周100km超)
CLIC:欧州の別の技術による直線加速器
CEPC:中華人民共和国の円形加速器計画

今回の欧州戦略会議には研究者のみならず各国政府の要人も参加をしており、要はILCへの協力体制は先に表明している米国と合わせて欧州も加わり万全なものとなったと言えます。


私からはこの度KEK内に設立されたIDT(Internatonal Developement Team)の運営と財政基盤、ILC推進協議会から東北ILC事業推進センターに改組したことによる本県のイニシアティブの発揮等について質問しました。

特にすでにILCによる将来ビジョン形成において本県がいかに戦略的に動けるかについて提案を含めて申し上げましたが、担当局長からは「ILCによる地域振興ビジョン」は素晴らしいものだという自画自賛の答弁しか出て来ず、これからの誠に厳しい現実認識不足が露呈し、厳しく注文をつけた次第です。
posted by 飯沢ただし at 23:55| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月07日

東北推進センターが発足!

昨日はILCに向けて動きがありました。

まずはICFAの動きです。あらたにIDTという組織を立ち上げました。その結果これまでILC実現について専門推進組織であったLCCは発展的に解散になりました。

2020年8月2日
ICFA、国際リニアコライダーの準備に向けた新しいフェーズを発表
国際将来加速器委員会(International Committee for Future Accelerators: ICFA)は、本日行われた第86回会合において、国際リニアコライダー(ILC)の国際推進チーム(International Development Team)の設立を承認した。ILC国際推進チームはILC計画の準備段階への第一歩として、日本のILCプレラボに向けた準備を任務とする。
ILC国際推進チームの任務と体制の詳細についてもICFAにおいて本日承認された。チームは直ちに活動を開始し、2021年末までに完了することが想定されている。ILC国際推進チームは、ILCのタイムリーな実現を目指して取り組んでいく。

リン・エヴァンス氏が率いたリニアコライダーコラボレーションのこれまで数年間の素晴らしい仕事に対し、ICFAは感謝する。

連絡先:ジェフリー・テイラー(ICFA議長) - メルボルン大学
中田達也(ILC国際推進チーム 執行部 議長) ‒ スイス連邦工科大学ローザンヌ校


そして地元ではこれまで地元の受け入れ準備として東北ILC推進協議会の下部組織の東北ILC準備室があたっていましたが、IDTの設立により東北推進準備センターが発足して東北ILC準備室の任務を引き継ぎさらに深く検討することになりました。


東北ILC事業推進センターの概要
1設立の趣旨
昨年3月、日本政府として初めて、ILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続するとの意向が示された。
本年2月のICFALCB(国際将来加速器委員会 リニアコライダーボード)会議では、文部科学省及び超党派国会議員連盟から日本におけるILC計画の状況が説明され、これを受けICFAでは、ILCの日本建設を支持するとともに、ILC計画の準備段階移行に向けた国際推進チーム(IDT)をKEK(高エネルギー加速器研究機構)に設立するよう提言した。

IDTは、今後1〜1.5 年かけて、準備段階の研究所の制度設計や準備期間への移行に必要な作業を行うこととされている。また、去る6月には欧州素粒子物理戦略が更新され、その中では「次期最優先コライダーは電子・陽電子ヒッグスファクトリー」、「ILCがタイムリーに実現する場合には、欧州の方針と適合しており、協働して取り組みたい」との意向が示され、既に表明されていたアメリカの支持に続き、ヨーロッパの協力姿勢も明確になった。

これまで、ILC実現を目指す東北の産学官が連携した東北ILC推進協議会に設置された東北ILC準備室が「東北マスタープラン」を策定するなど、ILCについての国民の機運醸成活動、受入準備活動等を展開してきた。ILCを巡る国際的動向が大きく変化し、8月に、IDTが立ち上がる こと となったことから、建設候補地である東北としては、IDTをはじめとした研究者コミュニティに協力し、地域が主体となってILCの受入環境整備等の具体的な検討を進めることが重要となってくる。

このようなことから、東北ILC準備室の後継となり、ILC建設候補地周辺自治体や国内の関係機関等が協働した新しい組織の設立について関係者が協議を進め、今般、東北ILC事業推進センターを設立する運びとなったものである。

2構成団体
東北大学、 岩手大学 、 岩手県立大学、
宮城県、 仙台市 、 気仙沼市 、 登米市 、 栗原市 、 大崎市、
岩手県、 盛岡市 、 大船渡市 、 花巻市 、 北上市 、遠野市、 一関市 、 陸前高田市 、奥州市、 金ケ崎町 、 平泉町 、住田町、
岩手県国際リニアコライダー推進協議会

3活動内容
・ILC建設候補地周辺の環境整備及び研究施設建設等に関し 、 地域主導で取り組むべき課題の検討
・研究者及び家族等の受入れや定住に対応した体制及びまちづくりの検討
・ILC建設に係る地域住民の理解促進活動
・ILC建設に伴う自然環境や社会、経済等への影響に係る検討
・研究施設の立地に伴う地域資源の活用及び地域の振興に向けた検討
・加速器関連産業の振興方策の検討
・その他、本会の目的を達成するために必要な事業


実務的な内外の動きはこのように着々と進んでいます。地域住民に分かりやすい解説資料も同時に作成することを願います。
posted by 飯沢ただし at 23:57| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月27日

KEKがILC想定日程を示す

今日の朝刊地元紙岩手日報がKEK(高エベルギー加速器研究機構)がILCの実現に向けた想定スケジュールを示したと一面トップで報道している。

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【岩手日報6月27日朝刊一面トップ】


KEKのHPを確認してみたがまだアップされていないようなので直接に詳細は把握できていなが、報道によれば8月に国際推進チームを発足し、準備研究所を経て順調なら5年後には正規の研究所設立と建設着手を見込むという内容である。運用開始は2035年頃としている。

先日の次期欧州戦略がCLICと称される欧州で設置を予定している直線加速器に言及せず、直線加速器がILC一本になったのも想定日程が早期にリリースされた要因となっているだろう。

研究者レベルではKEKを中心にこれから準備が加速していくことが予想される。しかし、最終的に政府が国際プロジェクトを受け入れることを正式決定しなければ動いていかない。ILCに関わる研究者の方々にはこうした準備を着実に行っているとに敬意を表するが、依然として油断はできない状況にあることは変わらない。

欧州会議の結果を受けた文部科学大臣のコメントは慎重姿勢を崩さず、あまつさえ候補地は北上高地に決定したわけではないとまで発言しているのは気がかりではあるが、前に進めなくてはいけない。

一方、推進チームが発足すればより具体的な設計にも踏み込んでいくだろうし、地域の人たちへの理解を進めるのには大いに役立つことが予想される。いずれにせよ県にはコロナ終息をにらんだ地域振興を含めた具体的な振興ビジョンのリバイスが早期に必要になる。しっかり働きかけていきたい。

posted by 飯沢ただし at 23:35| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月19日

欧州素粒子物理戦略の更新と公表

本来は5月末に行われる予定だった欧州素粒子戦略の更新を決定する会議(CERN理事会)が開催され、戦略の更新が決定し、本日その結果が公表されました。

その中でILC(国際リニアコライダー)については、「欧州戦略に適合するものであり、日本がタイムリーに進めば、欧州はILCに協力する」と評価されました。

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以下関連す部分を添付します。

欧州素粒子物理戦略アップデートにおけるILC関連部分 (3.a)

○研究者コミュニティによる日本語仮訳

3.優先度の高い将来の取り組み
a) 電子陽電子ヒッグスファクトリーが、最も優先度の高い次のコライダーである。長期的には、達成可能な最高エネルギーで陽子‐陽子衝突型加速器を運転するという野心を欧州の素粒子物理学コミュニティは、持っている。これらの説得力のある目標を達成するには、新機軸と最先端テクノロジーが必要になる。
● 素粒子物理学コミュニティは、高度な加速器技術に焦点を当てた研究開発の取り組み、特に高温超電導体を含む高磁場超電導磁石のための取り組みを強化する必要がある。
● 欧州は、その国際パートナーと共に、少なくとも100TeV の重心エネルギーを持つCERN の将来ハドロンコライダーの技術的および財政的実現可能性を調査するべきである。そのコライダーは第一段階として電子陽電子ヒッグス・電弱ファクトリーとなる可能性を持つ。そのコライダー、および関連するインフラストラクチャの実現可能性調査は、グローバルな取り組みとして確立され、次の戦略更新のタイムスケールで完了されるべきである。
日本における電子陽電子国際リニアコライダー(ILC)のタイムリーな実現は、この戦略に適合するものであり、その場合、欧州の素粒子物理学コミュニティは協働することを望む。

○英文
3. High-priority future initiatives

a) An electron-positron Higgs factory is the highest-priority next collider. For the longer term,the European particle physics community has the ambition to operate a proton-proton collider at thehighest achievable energy. Accomplishing these compelling goals will require innovation and
cutting-edge technology:
• the particle physics community should ramp up its R&D effort focused on advanced acceleratortechnologies, in particular that for high-field superconducting magnets, includinghigh-temperature superconductors;
• Europe, together with its international partners, should investigate the technical and financialfeasibility of a future hadron collider at CERN with a centre-of-mass energy of at least 100 TeVand with an electron-positron Higgs and electroweak factory as a possible first stage. Such a feasibility study of the colliders and related infrastructure should be established as a global endeavour and be completed on the timescale of the next Strategy update.

The timely realisation of the electron-positron International Linear Collider (ILC) in Japan wouldbe compatible with this strategy and, in that case, the European particle physics community would wish to collaborate.


今回のポイント

● ヒッグス・ファクトリーが最優先であると明記。
➣ ILC 計画が名指しされている。
➣ ヒッグス・ファクトリーは何があっても絶対実現させる。(CERN 主導の場合も調査検討)
● ILC は欧州戦略に適合するものであり、日本がタイムリーに進めば、欧州はILC に協力する。
● これで日本・米国・欧州が揃った。



ヒッグス・ファクトリー(ヒッグス粒子の探求)は継続することの決意と、それを実現するためにILCは不可欠な存在と言っていると理解しました。欧州のお墨付きを頂き世界全体でILCを後押しすることになりました。あとは日本政府の時宜を外さない決定だけです。

本県は主要施設が集中する位置にあることから、国の決定をひたすら待つだけでなく前々と戦略的な準備をし、情報発信することが求められると考えます。

posted by 飯沢ただし at 23:14| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月26日

必見!ICFAの声明

ILCプロジェクトに関するICFAステートメント

ICFAは、2020年2月22日付で先にSLAC国立加速器研究所で開催されたICFAの会議におけるILCに関して声明を出しました。
上に原文をリンクしました。

その中で注目すべき内容があります。以下高エネ研による和訳です。

●ICFAは、準備段階への移行を促進するための国際推進チームの設立を推奨する。

○国際推進チームはKEKがすべきであり、そのリーダーはICFAの支援のもと選出される。

○チームは、技術、組織、およびガバナンスに関する課題を含む、ILC建設準備段階の計画を策定する。また、準備段階で必要となる活動とリソースを明かにすることも任務である。計画策定プロセスには、関心を持つ研究所及びコミュニティが関与すべきであろう。

○ICFAは、これらの推進活動がおおよそ1年で完了すると見込んでいる。その時点で、日本が準備段階へと進むとの意思表示を行い、国際パートナーも同意すれば、準備段階を開始することが可能になるだろう。


ICFAが期限を示したのは初めてで、推進チームがこれから機能していくことが期待されます。

軌道に乗るまでもう一踏ん張り。地元でも正しい情報を取得して理解を深めることが重要です。
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2020年02月17日

多面的な考察で政府がILC推進の意向示す

1月31日 竹本内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)記者会見要旨

(問)日本学術会議でILC、国際リニアコライダー計画が重点計画に選ばれなかったという決定がなされましたが、大臣としてはこの受け止めについて教えてください。

(答)学術会議で昨日発表されたようですけれども、一言言えば、第1次審査には受かっていて、その中には入って、60ぐらいあるんですが、さらに第2次審査で31選んだと聞いていますが、その中には入っていなかったということであります。ただ、それは学術会議での見方ですから、どういう可能性が今後あるのかとなりますと、文科省で重点的な研究テーマを見ていくわけですけれども、そのときには、その対象には入っていると聞いておりますので、そこで審査された結果、どういう評価を受けるかということだろうと思います。

(問)ILCの関係で一つお聞きしたいんですけれども、科学的な成果ということと、あと費用はどうしても大きいということと、それから北上のところに作るということで、復興の支援というか、復興を盛り上げるという、そういう幾つかの側面というか要因があると思っていまして、特に復興という観点で地元とか議連の先生方とかの関心も高いところもあって、少し問題というのが関心を高めているのかなと思うんですけれども、大臣の個人の政治家としてILCというものの日本の誘致というのについてどういう思いを持っていらっしゃるか聞いてもいいですか。

(答)私は今おっしゃったように、議連の先生方からの強い要望もこの間受けました。また、想定されている岩手県の方からも関係者からいろいろ陳情を受けております。類似するものとしてはスイスとフランスに既にあるわけですが、やはりそこには、もちろん田舎でしょうけど、結構科学者が集まって一つの町の活性化を図れていると。岩手の方はこの間、災害に遭って、ばかりというか、まだどういう復活のプロジェクトがありやなしやという状況のものですから、これは一つの希望のある話だろうと思っております。ただ、問題は非常にお金がかかるということでして、約1兆円近くかかるのではないかという説もあります。多国間で分担はするんですけれども、ほとんど日本が持たないと進まないのではないかと、こういう話もあります。
 そういうことを前提に、私は強く実現を求めていっていいのではないかと。結果として地域活性化に役立つと。それから激甚の災害を受けて希望をなくしている人に対して希望を与えると。加えて日本の技術陣が世界の科学研究の分野で大きい地位を占める材料を送ることができるんであろうというふうなことを考えますと、私はしっかり前向きに検討すべきものだろうと思っています。


(問)もう一点だけ、どうしても費用のことで考えると、額がやっぱり桁が大きくて、昨日議論されたものの中でも、復興の観点で考えるものと科学の観点というか、学術界の中で考えるとやっぱりお金が大き過ぎて、それにお金が全部いってしまって、ほかのことが何もできなくなるんじゃないかと、極端にそういう懸念みたいなのもあると思うんです。復興に関してもやっぱり一理あると思うんですけど、それであればやっぱり財源とかまた別で考えるような措置があればまた違ってきたのかなと思うんですけど、その辺り議連でもそういった議論はさんざんされてきたと思いますが、大臣どう思いますか。

(答)おっしゃるとおりだと思います。私はコストの負担についてはやはり多面的な検討をしないとなかなか。例えば科学技術予算だけで1兆円なんていったら、ほかに使えなくなりますから、それはちょっと無理で地域振興からこれこれと、あるいはその他の名目でこれこれと足していって、何とかできるというようなプロジェクトだろうと思います問題はやはり激甚な災害を受けたところに町を整備してもなかなか人が帰ってこないんです。神戸でさえ、やはりもう20年以上経っていますけど、なかなか昔の賑わいはないですよね。だから、そういうことを考えますと、やはり賑わいをもたらすために一つの希望の光のような存在になれば、このリニアコライダーは一つの価値があるものになってくるのではないかと。そういう多面的な費用負担と多面的な見方で、このプロジェクトを進めていかないと実現しないのではないかと思っております。


あらためて文字で確認すると竹本大臣はかなり前に踏み込んでILCについてコメントしていいるのが理解できると思います。先の文科大臣の発言と併せると今後政府は他国との国際協議の中で費用負担等を煮詰めながら、国家プロジェクトとして判断するという姿勢が見て取れます。
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2020年01月31日

まさにこれからILC

🎥 萩生田文部科学大臣の記者会見

萩生田文科大臣のコメント(要旨)
・日本学術会議のマスタープラン2020の内容は承知。学術界を代表する見地から取りまとめられたもの。今後の行政側の検討で参考となるものと受け止め。
国際プロジェクトであり、国内外の幅広い賛同が得られることが必要。マスタープランの結果を踏まえるとともに、欧州素粒子物理戦略での議論の進捗も注視しつつ、慎重に検討を進めて参りたい。
・国際プロジェクトであり、各国がどう財政的な協力をするか詰めがまだ進んでいない。この段階で長期のプロジェクトに入らなかったということは、そんなに驚くべき結果ではない。
・しっかり国際間の連携を確認しながら、事業の有効性も含めて、また、日本国内でやるのかやらないのか、やるとすればどこなのか色々な課題があるので、今後しっかり注視をしていきたい。

🎥 竹本内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)の記者会見
(3分20秒からILCについてコメント)


昨日の学術会議の審査結果を経て両大臣がILCについてコメントしています。(どちらもリンクされているので、クリックすると映像に飛びます)是非ご覧ください。特に竹本担当大臣の認識は深謀遠慮に富んでいてすばらしいコメントをされています。竹本大臣のデータについては後日アップする予定です。

両大臣のコメントを見る限り、昨日テレビメディアが「誘致実現は早期には困難」との報道とはかなり内容が違うことが理解できるはずです。


それにしても地元紙以外の全国紙の複数の社が「費用対効果について一旦立ち止まって考えるべき」との記事にはがっかりしました。もう少し内容を勉強する必要があります。それに対して岩手日報社の熊谷氏がILCの安全保障に係る影響にまで言及したのは読みごたえがありました。


今日実は私は一関商工会議所大東地域運営協議会で「ILC 最近の動向と今後の課題」の演題で講演する機会を与えて頂きました。その件に関しては明日ご報告致します。告知しておりました画像の謎の件に関しても明日に延期します。
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2020年01月30日

待たれる政府判断

本日、日本学術会議のマスタープラン(「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 ロードマップの策定」の2020年版)の審議を行い、

マスタープランにILCは掲載されました。

今日のメディア発信は、重点大型研究計画に選ばれなかったという点を強調して早期の実現は困難との報道が大勢でしたが、今後の注目点は、政府がこれまで研究者や国会議員が培ってきた国際協力の成果を基に科学技術立国として我が国が将来どうあるべきか総合的に判断されるかどうかです。

村山斉(ひとし)先生がFacebookで以下のコメントを出していました。

Hitoshi Murayama Kavli IPMU

The Science Council of Japan did not pick the International Linear Collider (ILC) for the highest priority, but placed it on the list of its Master Plan. It means that the SCJ endorsed the scientific significance of ILC. I hope for a positive political decision from this point on, especially given that the US State Department wants to see it happen.

国際リニアコライダーILCは日本学術会議の重点大型研究計画には選ばれませんでしたが、学術大型研究計画(マスタープラン)に載りました。日本の学術界にその科学的価値が認められたということです。アメリカ国務省が非常に積極的になっていて、ヨーロッパの反応がこれからの注目です。



正にその通りで、今後の政府判断が注目されます。

情報によりますと明日の閣議後に文科大臣がコメントを出す予定となっていると聞いていますので、その発言内容が今後の方向性を示唆するでしょう。


それにしてもスカッとしない進捗状況です。
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2020年01月26日

ILC決定までのプロセス

The king and Ix.jpg

【この画像の意味するところは1月31日に追記します・・・】


ILC決定の期限が近いといわれていますが、おさらいの意味でここに今後のスケジュールを記しておきたいと思います。

その前におさらいの意味で国際科学コミニティでは昨年のLCWS2019仙台会議で「仙台宣言」を採択しておりますので転載します。

ILC の実現に向けた宣⾔:「仙台宣⾔」

現在,仙台市で開催されているリニアコライダー国際会議(LCWS2019)に,多くの国と地域から科学者が集まっている。我々は世界の仲間とともに,ここに「仙台宣⾔」を発表する:

我々はILC 建設の重要性を再確認する。
これまでのLCWS 会議における宣⾔において,我々は宇宙を理解するための本質的な次のステップとして,ヒッグスファクトリーの建設を提案した。この提案は欧州合同原⼦核研究機関(CERN)の⼤型ハドロンコライダー(LHC)から得られた最新結果によって,さらに説得⼒を増している。
2019 年3 ⽉,国際将来加速器委員会(ICFA)は,これが次の世界規模のプロジェクトであると国際的に合意されていることを確認した。

ILC の設計は成熟しており建設の準備が整っている。
ILC の鍵となる超伝導加速技術はドイツの欧州X 線⾃由電⼦レーザー(XFEL)で実証され,⽇本,中国,⽶国でもプロトタイプが開発されている。結果として,経費の⾒積もりは技術に裏打ちされた堅実なものとなっている。ILC の設計性能を達成するために重要で不可⽋な技術は,⾼エネル
ギー加速器研究機構の先端加速器試験施設で既に開発・実証されている。ILC の設計には,将来,より⾼いエネルギー,より⾼いルミノシティにアップグレード可能な柔軟性がある。初期段階の研究プログラムは,それ⾃⾝⻑期的で⽣産的なものであるが,この柔軟性を活⽤することにより,さらに発展させることができる。

我々は地域社会から強い⽀持を受けている。
2019 年3 ⽉のICFA とリニアコライダー国際推進委員会(LCB)との合同会合において表明された,⽂部科学省及び関係省庁におけるILC への継続的な関⼼は,⽇本政府の最初の公式⾒解として⾼く評価されている。世界の研究者は,⽇本の国会議員の⼒強く絶え間ない⽀援に感謝している。加えて,我々はこの会議の全期間を通じて,⽇本特に東北地⽅のコミュニティ,産業界から,ILC 実現への強い⽀持と熱意を感じた。
我々はILC の成功に向けて⼒を尽くす。
ILC の科学的重要性,その技術的成熟度,及び⽇本におけるILC 実現への強⼒な⽀援に鑑み,仙台でのLCWS2019 に参加している国際コミュニティは,ILC に取り組む世界中の仲間と共に,ILC の建設及び科学的探求を国際プロジェクトとして推進することを改めてここに誓う。

LCWS2019 に参加している科学者
リニアコライダーコラボレーションを代表して


・国内では2月中に文科省が「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 ロードマップの策定」の2020年版(現在は2017版が最新)、いわゆるマスタープラン2020にILCが記載されるかどうか。

・それを受けて政府がILCを国際プロジェクトとしてのホスト国として名乗りを上げるかどうか(ここまで行けば理想だが、おそらくそこまでは至らないだろうというのが私の見解)

・海外では5月に策定される「次期欧州素粒子物理戦略」にILCが記載されるかどうか。

というのが決定までの越えなければならないプロセスになっています。文科省は現在開会している通常国会で令和2年度の予算要求として2億円をILC関連で予算要求していますので大きく道を外れることはないと思われます。
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2019年08月23日

ILCの日本へのインパクト

今日は弊社も加入している両磐インダストリアルプラザ(RIP)の勉強会に参加し、ILCに関してお馴染み(会長 島耕作にも似たような人が登場)の吉岡正和先生から「ILCの概要とインパクト」について拝聴しました。

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まずは現在日本が置かれているファクト(FACT)を確認

1)人口が激減(他の先進国ではダントツ。2060年には▲32.1%)
2)日本は生産性が低く賃金も安いとの外国人からの評価。一人あたりのGDP値は世界で25位に低落して横ばい。
3)人口が減っているので黒田バズーカで金融緩和してもお金を使う人がいない。企業は内部留保をため込みお金が市場に回らない。
4)外国人労働者の入国を緩和したが、あくまでワーカー(WORKER)のみで産業振興には弥縫策に過ぎない。
5)中国は欧州、米国へ有能な人材を派遣し学ばせ本国に呼び戻す戦略を続行し着々と力をつけている
6)日本はリーマンショック以降、将来の発展構想が無策。ゆでガエル状態になっているのに誰も止めようとしない。没落貴族状態。


然るに我が国はこうした県境の中で何を生業(なりわい)として生きていくのか?
イノベーションしかない高度な人材を世界中から集めイノベーションを連続し、知識移転策を図り、スピンオフ企業を増殖させる

ILCに関しては

ILCについてなかなか理解されないこと
@国際機関(アジアには無い!)
A持続的で大きな技術波及がある


このことや国家としての投資が計り知れないリターンがあることを日本学術会議は全く議論されていないことも指摘をされました。

ILCを契機とした新しいコミニティの提案、少子高齢化人口減少の日本に相応しい、グリーンILCまちづくりの基本構想についても現在進められている案を紹介されました。

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知識層のための理想郷づくり、森や自然と共生するまちづくり、次世代に向けて進化するまちづくりがコンセプトになっています。それにはしっかりとしたエリアメージメント、コミニティプランニング、ガーデンシティといった明確な方針が不可欠であるとのこと。ソサイアティ5.0技術の導入に向けた取り組みも素通りせず受け止めること。

私たちは戦略に基づき、準備を弛まず前々と進めていく必要がある。そういう結論です。

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2019年06月22日

骨太の方針2019

政府は昨日の臨時閣議において経済財政運営の指針「骨太の方針2019」を決定した。


今日の某新聞社論説では政策財源をどう確保するかという難題への踏み込みが弱いとの批評があったが、私も熟読して内容を確認したいと思っている。

その中で目を引く内容があったので記述しておきたい。

第3章 経済再生と財政好循環の章のおいて

予算を効果的に執行する観点から、研究開発への更なる民間資金の活用世界の学術フロンティア等を先導する国際的なものを含む大型研究施設の戦略的推進、最大限の産学官共用を図るとともに、民間投資の誘発効果が高い大型研究施設について官民共同の仕組みで推進する。

また、国際共同研究の強化などグローバルな研究ネットワークの拡充を促進するとともに、科学研究費助成事業などの競争的研究費の一体的見直し等により、新興・融合領域の開拓に資する挑戦的な研究を促進する。研究設備・機器等の計画的な共用の推進や研究支援体制の整備により、研究の効率化や研究時間の確保を図り、研究の生産性向上を目指す。



これはもしやILCを想定した記述ではないかと見るが・・・いかがでしょうか?
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2019年05月25日

地元の意気込み伝えよう!

「ILC実現を熱望する住民の会」が主催したILC誘致推進大会が大原市民センターで昨日開催されました。

基調講演として 東京大学素粒子物理国際研究センター特任教授の山下 了先生から「ILC計画に対する見解への視点とその後の動きについて」講演があり、活動発表として地元から 大東町地域ILC委員会の委員長である小原玉義(私の小中高の同級生)氏から「ILC誘致に向けた大東地域の取り組み」について両磐インダストリアルプラザ ILC若手研究会 村田 宰氏から「ILC誘致に向けた若手社員による検討の報告」が発表されました。

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山下先生からは詳細に現在ILC計画が置かれている状況が説明され、国内では今年中、海外との折衝に関しても5月がデッドラインであることが示されました。講演後には質問が受付されましたが、実験装置から発生されるとされる放射性物質の管理について内容が集中しましたが、山下先生が科学者の風格を持ってそして丁寧に根気よく回答されておりました。トリチウムを含んだ水を砂鉄川に放水するなどという事実誤認については明確に否定されておりました。

私も祝辞の中で申し上げましたが、今後計画の概要が徐々に明らかになっていく過程で、事実を正しく情報発信し、受け取る側である住民も科学的な見地をもってコミニケーションを図っていくことが大事であると思います。一方的な情報を鵜呑みにして危険性を煽るやり方には感心できません。あくまで科学的に根拠をもってお互いに情報共有をされていくことが肝要なのです。


地元でも関心をもってこの日本初のプロジェクトを見もまり応援していくことがこの大会で確認されました。私も正しい情報の伝達が円滑にいくよう国や県、関係団体に働き掛けていきます。
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2019年05月22日

宮城県で今秋LCWS2019開催へ

<ILC>仙台で10月国際会議 政府に誘致実現アピール


 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を巡り、国際研究者組織は21日、国内外の研究者らを集めたリニアコライダー国際会議を10月28日〜11月1日に仙台市青葉区の仙台国際センターで開くと発表した。
 「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」のリン・エバンス代表らが同市内で記者会見した。国際会議は研究者約300人や加速器関連企業などが参加し、加速器の設計や技術、物理解析の研究開発などを議論する。誘致実現に向けた日本政府へのアピールも視野に入れる。
 エバンス氏は「設計を完成させ、改善していくことが主な目的。ILC計画は成熟しているが、今年中に日本政府から『青信号』が出ることが重要だ」と指摘。LCC物理・測定器部門幹事の山本均東北大大学院理学研究科教授は「国際会議は、欧州の議論にも影響を与えることができる」と述べた。
 東北ILC準備室長の鈴木厚人岩手県立大学長は誘致の推進に向けて、今後は高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)、先端加速器科学技術推進協議会(東京)との連携を強化し、設計や技術の共有を進める考えを示した。
 文部科学省は3月、「計画に関心を持って国際的な意見交換を継続する」との見解を表明した。

【2019.5.22 河北新報ネット版】


2016年12月に盛岡市で開催して以来の日本での開催である。ILCの設計を完成させるとエヴァンス氏が断言したことはかなりのアナウンス効果があると私はみている。今回は政府見解を受けてさらに実現に向けた現実的なアクションが求められてくるだろう。本県でも単独でブースを設置するなどしてマスタープランに基づいたグランドデザインをより具体的に発信することが必要であろう。
posted by 飯沢ただし at 23:38| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月20日

リスク対策には科学的な根拠で

ILC関連記事が続いて恐縮です。それだけ動きの密度が濃くなってきているということです。

17日(水)に岩手県議会ILC建設実現議員連盟の総会で講演会が実施されました。

今回の講師はKEK(高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 教授でATF(先端加速器試験施設)グループ責任者、ATF国際コラボレーション 代表である 照沼 信浩 先生

演題は ILCの安全対策について

先月行われた住民とのリスクコミニケーションにも照沼先生はご出席されており、その経過を踏まえて資料をブラッシュアップして用意されておりました。

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💡ビームダンプについて

・ビームダンプはビームを安全に止める装置で、放射性物質がもっとも多くできる場所
・水でビームを吸収し、2つのビームダンプで水の容量は100トン
・最大100兆ベクレルのトリチウムが発生しますが、これは20年間休みなくビームを入射した場合
・この水は循環・保持して排水は絶対にしない

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💡ビームダンプの水の管理と安全対策について

・漏水を検知し遮断するシステムを備える
・ビームダンプ水は限定した部屋内部で循環・閉鎖管理をする
・室内の漏水を回収する仕組みや貯水槽を備えて部屋の外への拡散を防止する
・ビームダンプの周囲にはコンクリートや鉄などの遮蔽壁を備えて二重に漏水を防止

💡100トンの水の管理とイメージについて

・ビームダンプ1箇所あたりの水はやく約50トン
・電子用・陽電子用の2か所で約100トン
・実験終了後も維持管理が可能な規模の水量である

50トンの水はJR貨物タキ1000型貨車で約61.6㎥ですから2台分のイメージ

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私から意見として、地下に設備され地震の影響は5分の1程度とされているが、振動に関して科学的なガル等の単位を示しながら対応する安全構造に耐えうる設計を具体的に示しながら今後説明して欲しいと述べました。

何事も科学的に問題解決を図っていくことが重要です。住民も安全対策を把握する上で科学的、実証的見地で物事を思料することが大事だと私は思います。

この水循環システムは米国のジェファーソン研究所において大型加速機を運転しながら、すでに運用されている(ILCの3分の1位の規模と道園先生がおっしゃっておりました。)そうで私も研究材料にしたいと思います。

それにしても研究者の方々はこのように日々研究成果を磨いておられることにいつも驚かされます。
posted by 飯沢ただし at 11:54| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月19日

3月7日から初めての国への要請活動

岩手県議会・宮城県議会ILC建設実現議員連盟において18日(木)に文部科学省と自民党本部を訪問し要請活動を行いました。政府見解が初めて示された3月7日以降では初めての国への要請活動になります。

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文科省では 磯谷桂介 文部科学省研究振興局長(3月7日に政府見解を述べたご本人)
自民党本部では 金田勝利 自由民主党幹事長代理、河村健夫 リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟会長、塩谷立 リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟幹事長に対応を頂きました。また小野寺五典代議士にも同席を頂きました。


磯谷局長には佐々木順一議長の配慮により要望会の中私が意見を述べる機会を与えて頂きました。文部科学省が政府見解を述べるに至るまでのご労苦に感謝を申し上げながら現在の本県の取り組み状況と今後の活動方針についての意見陳述を致しました。

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磯谷局長からは国際コミニティとの交渉継続すること、特にヨーロッパとの議論の詰めの作業が大事になるであろうとの見解を示されました。

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自民党本部に場所を移しての要望活動では、河村会長、塩谷幹事長とも明確に今後クリアしなければならない課題について言及があり、文科省内においてワーキングチームの検討が強化されたこと、予算確保について党として具体的に動き出すことが肝要との意見がありました。小野寺五典議員からはぜひ党として参議院選挙の公約に記載することを目指すべきとのお話も出ました。


これまでも要請活動をしてまいりましたが、今回は3月7日の政府見解を受けて目標が明確になり、大きく動き出している印象を受けました。特にも河村会長や塩谷幹事長の発する言葉の力強さには、これまでとは違う自信に満ちた落ち着いた表情を感じ取りました。

金田幹事長代理とは初めてお会いしましたが、なかなかユニークなお人柄でとても印象に残りました。


今後とも宮城県と連携してILCの実現に必要なことは何でも進めてまいります。
posted by 飯沢ただし at 23:59| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月15日

我々はどこから来たのか?

ブラックホールの撮影に成功 世界の電波望遠鏡を連動

【日本経済新聞電子版 2019/4/10 22:09 (2019/4/10 22:14更新)】

日米欧などの国際共同研究グループが10日、銀河の中心にある巨大ブラックホールの撮影に初めて成功したと発表した。世界の8つの電波望遠鏡を連動させ、極めて解像度の高い巨大望遠鏡に見立てて観測した。ブラックホールの存在は間接的な証拠からわかっていたが、目に見える形で姿をとらえたことはなかった。謎に包まれた天体の解明につながるノーベル賞級の成果で、データ解析に使われた技術は新素材の開発や医療にも役立つ。

ブラックホールは過去の研究で実在することは確実だとわかったが、周囲を回る星の動きなど間接的な根拠から存在を推定するのにとどまり、画像という「動かぬ証拠」にたどり着けなかった。想像で描かれてきたブラックホールの本当の姿が明らかになり、最後のピースが埋まったことで存在は完全に証明された。

現代の物理学の理論の検証や、銀河の成り立ちについても新たな知見が得られる可能性がある。

研究に参加する国立天文台の本間希樹教授は記者会見で「今後のブラックホール天文学の新時代を切り開く成果だ」と強調した。

宇宙には無数の星の集まりである銀河が少なくとも数千億あり、その中心には巨大ブラックホールが存在するとされる。研究グループは地球から5500万光年離れたおとめ座のM87銀河にある巨大ブラックホールを2017年に撮影し、10日に画像を公開した。分析によると、撮影したブラックホールの質量は太陽の約65億倍。画像には周辺に直径およそ1千億キロメートルの光の輪が映し出された。

観測技術や膨大なデータを処理するコンピューターの性能が飛躍的に向上し、理論上の存在だったものが実際にとらえられるようになった。ブラックホールも最先端の技術を駆使し、その姿を写し出すことに成功した。

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観測技術の改良が進めば、地球からさらに離れたブラックホールを撮影できる可能性がある。重要な特徴を見つけ出すデータ解析の手法は、人工知能(AI)や通信、医療などにも応用され始めており、産業への貢献も期待される。



少しニュースソースとしては古くなったが、これはアインシュタインの相対性理論が証明されたということになり、今後の物理学の理論展開に大きな影響を与えることになるそうだ。

望遠鏡による観測は宇宙の誕生起源を探る直接的アプローチであるが、大型加速器を使い陽子や電子を衝突させる方法も別のアプローチとして今や不可欠な手法である。

宇宙の成り立ちやダークマターやダークエネルギーなどいまだに解明されていない分野に挑んでいくことは、自分たちはどこから来たのかという究極的な疑問に近づくだけでなく、今回のデータ解析する過程において多くの技術が世に転用されることが期待できるのである。このことをしっかり理解しておかねばならない。
posted by 飯沢ただし at 00:22| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月24日

ICFAが声明文

3月22日(金)、国際将来加速器委員会(ICFA)は、日本のILCに対する関心表明に対する対応を発表し、ILCの実現を奨励しました。

ILCプロジェクトに関する文部科学省の見解に際してのICFA声明

全文英文を和訳

2019年3月6日〜8日に東京で開催された国際将来加速器委員会(ICFA)年次総会において、文部科学省の磯谷桂介研究振興局長が、リニアコライダー国際推進委員会(LCB)およびICFAに対して方針の説明をしてくださったことに謝意を表します。 ICFAは、この、文部科学省および関係省庁におけるILCへの継続的な関心の表明をILC実現への道筋に沿った重要なマイルストーンと見なしています。 また、ICFAは、3月6日にICFA・LCBに対する式辞の中で、河村建夫衆議院議員/ILC議員連盟会長が、国会内におけるILCへの支持を確言なさったことに対して感謝申し上げます。

2012年にCERNのLarge Hadron Colliderで発見されたヒッグス粒子は、過去数十年の素粒子物理学研究における最も重要な発見であると認識されています。 この比類のない粒子は、自然の基本法則を理解するための新しい出発点となるものであり、新たな発見のための素晴らしい道具となることが期待されています。

ICFAは、次世代の国際協力で進める加速器の最優先事項は、ヒッグス粒子の精密研究が可能な「ヒッグス・ファクトリー」であるという国際的な合意を追認します。 今回のICFA会議では、ILCとその他のコライダー技術等の、ヒッグス・ファクトリーの選択肢について議論が行われました。

ICFAは、ILCの科学的意義と、ILCが建設承認を得るのに十分な技術的水準にあることをあらためて明言します。

2013年に策定された欧州素粒子物理戦略、および2014年に策定された米国の素粒子物理学プロジェクト優先順位付け委員会(P5)報告書の双方において、日本の物理学コミュニティによる、日本がホストするILC計画の取り組みに対する支援が表明されています。

ICFAは、文部科学省がILCに関心を持ち、プロジェクトについて関係国政府と議論を継続するものの、現時点では、日本がILCをホストする意思を表明するに至らないということを認識しています。 もし ILCのホストに向けた日本の立場の明確な声明があったなら、それは現在進行している欧州素粒子物理戦略の更新の議論に大きな影響を与えうるものでした。

ICFAは、世界中で提案されているヒッグス・ファクトリーの選択肢について、大きな進展があったことに満足していることを付記します。 今後、すべての選択肢は、欧州粒子物理学戦略の更新の議論、およびICFAにて検討されます。


東京、2019年3月


ICFAからの公式な声明が文書でされました。

3月7日の文部科学省の発言を受けてILC実現への道筋に沿った重要なマイルストーン(確実な道程をたどっている)と評価したものです。

さて、これからの一年が重要な局面です。何にしろ必要な準備を進めていきましょう。
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2019年03月17日

ILC解説セミナー@一関市大東町大原

東北ILC推進協議会と東北ILC推進室が主催した標題のセミナーに参加しました。

昨年9月24日に一関市の保健センターで開催されたILCセミナーの続編、第二弾です。

解説1としてILCの準備状況を岩手県の佐々木淳理事より
解説2としてILCに関する質問・疑問については

今回用意された資料を元にして「ILCと放射線・放射能」に関してKEKの道園教授から詳細にわたって説明をもらいました。

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その後の質疑応答の時間ですが、主にビームダンプ中にできる放射性物資の水の管理と地質の安全性(地震よる揺れ等)に係る質問と懸念が多かったと思います。

人為的ミスをも想定した事故防止対策に万全を期すのはもちろんやってもらわねばなりません。日々進化する科学技術を駆使して二重三重四十五重にも管理を徹底して実験を運営していくことは当然です。

今回はその共通理解となる第一歩となる会を期待していましたが、誠に残念ながらKEKの先生の説明の横から不規則発言が冒頭から相次ぎ、しっかり説明を聞いて正しい情報を取りたいと参加した人たちにとっては決して愉快な時間とは言い難かったと思います。


私は意見の多様性は私も認めます。リスクコニケーションが重要であることも理解しています。私も県議会の総務常任委員会にて県民の理解を求める丁寧な説明を求めています。


せっかくの大事な時間を共有する場ですから質疑・意見交換の場はもっと建設的に使いたいものです。
posted by 飯沢ただし at 23:51| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月07日

3月7日という日


次世代加速器ILC 誘致検討へ米欧と意見交換 文科省が見解発表

【2019.3.7 産経新聞 電子版】


 宇宙の成り立ちを探るため、日米欧などの物理学者が東北地方に建設する構想を進めている巨大な実験施設の次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について文部科学省は7日、建設を誘致する可能性を探るため、米欧と国際的な意見交換を行うなどとする政府方針を正式発表した。

 東京都内で開催中の素粒子物理学の国際会議で表明した。誘致の意思表示には至らなかったが、計画について真剣に検討する姿勢を各国に示した。

 文科省の磯谷桂介研究振興局長は記者団に「関係省庁とともに検討した現段階の見解を示した。段階は前に進んだ思う」と述べた。


 見解では、建設誘致について国内の科学コミュニティーの理解が得られるか日本学術会議での正式な議論が必要だと指摘。欧州の研究戦略の議論も注視するとした上で「ILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続する」とし、従来の米国だけでなく新たに欧州と意見を交換する場を立ち上げる考えを示した。



本日、文部科学省研究振興局長 磯谷桂介 氏よりLCB/ICFAの国際会議において現在の政府見解が発表されました。

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多くのメディアが現時点で日本誘致の表明には至らないがという点に目を奪われて本質をついていない見出しが午前中には多かったようですが、夕方のLCBの研究者からのインタビューにより記事内容に変更をかけたようです。


今回の政府見解のポイントは

💡「文科省はILC計画に関心を持って他国政府との協議を継続する」という政府見解を初めて示したこと!


であって、これはこれまでILC研究者コミニティーやILC推進国会議連が3月7日の時点でこのことを最低限表明してもらえれば前進するというリクエストには100%答えたことになるのです。

ところが日本語に訳された見解ではその部分の表現にモヤがかかっていて明確に断言したものにはなっていない、が!英文のオリジナルを観れば一目瞭然。

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MEXT(文科省) will continue to discuss the ILC project with other government while having an interst in the ILC project.

引用した産経新聞の電子版にもあるように「段階は前に進んだと思う」で間違いないでしょう。


こらからは国外では本格的な政府間交渉に入りつつ、国内では日本学術会議のマスタープラン重点大型研究計画の選定に入ることを目指していくことになります。後者は2020年の2月ごろが期限とされています。

門は開いたがまだまだ到達点には大きな山を越えていかねばならないというのが現時点です。クリティカルデシィジョン(CD)からいうとまだCD2の段階です。

そしてなにより時間がありません。


いずれにしてもようやく研究者レベルから政府レベルへと段階が上がったのは事実。

しかし、冷静になって考えてみれば現時点でホスト国になります!なんて発表する時期ではありません。これを言ったら日本への負担割合が大きくなってしまうのは目に見えてます。なにせまだ政府間交渉が始まってもいないのですから。すでに今日から駆け引きは静かに始まっているということです。これを洞察できないようではメディアの科学班の名が泣くというものです。

とにかく我々にとってこれからできることを頑張っていきましょう。

posted by 飯沢ただし at 23:49| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月24日

3月7日の当日に注目!

<ILC>3月7日に政府見解 国際推進委に現状説明へ

 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致について文部科学省は21日、政府の見解を3月7日に研究者組織リニアコライダー国際推進委員会(LCB)に説明する方針を明らかにした。
 誘致の是非には踏み込まないとみられる。政府の現段階の考え方を研究者らに伝えた上で、検討を継続する見通しだ。
 文科省の磯谷桂介研究振興局長が、建設推進の超党派国会議員連盟(会長・河村建夫元官房長官)の総会で示した。磯谷氏は「LCBの会合で現時点での政府見解を国際コミュニティーに示す。内容は関係省庁の考え方を聴取し、さまざまな観点から検討している」と述べた。
 LCBは国際将来加速器委員会(ICFA)との合同会合が東京都内で開催される3月7日までに、政府に誘致の意向を表明するよう求めていた。
 ILCを巡っては文科省の審議要請に対し、日本学術会議が誘致を支持しないと回答した。柴山昌彦文科相は「科学コミュニティーの理解や支持が必要だ」と議論継続の必要性を強調している。
 総会では、議連と自民党ILC誘致実現連絡協議会の連名で政府に誘致実現を求める決議を採択した。

【2019年02月22日(金)河北新報 電子版】



今回のILC推進国会議連の総会には所管の文部科学省だけでなく関係省庁すべてが参加し、出席者からの伝聞によるといつになく結束と情熱を帯びた会だったようです。誘致実現を求める決議にも3月7日までにという期日が明記されたと聞きました。

政府見解を3月7日にLCBとICFAとの合同会議に文科省の代表者(政府)が出席するということは、政府間交渉に入ることを是認することと個人的には予想しますが・・・まさか国際会議に出席までして「日本は興味がございません」とわざわざ発言することもなかろうとは思います。

この出席表明は期待感を抱かせるものですが、まだまだ油断はできません。最後の最後まで詰めを誤ることなく。
posted by 飯沢ただし at 23:07| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月31日

「ILC実現を熱望する住民の会」が発足

標記の会が本日発足しました。

一関市と平泉町の経済団体などが結集して、今後自治体と連携して国への要望活動などを後押しすることが目的とされています。その他にILCの情報を周辺住民へ提供することも活動内容に盛り込まれているようです。

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実はこのような経済団体を中心にしたILC実現のための後援組織は以前にPSGの意向を受けて金澤電気の金澤会長から私の方にも要請があったのでしたが、なかなか前に進まないでしまったのでした。今日の会員の集合写真には金澤会長の姿も拝見できて私も安心しています。


会長に就任された一関商工会議所会頭の佐藤晄僖会頭が「ここからがはじまりだ。」とのコメントはまさに的を得ていて、国の決定の後押しだけでなく住民への正しい理解が広がる活動やその後のまちづくりのビジョンに関わることも期待しています。
posted by 飯沢ただし at 22:46| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月30日

島会長がILCを支援

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すでに多くのメディアが取り上げていますが、島耕作シリーズの作者である弘兼憲史氏が週刊モーニングの「会長 島耕作」でILCを題材にしたシリーズの連載がいよいよ始まりました。ILCシリーズは3月上旬まで続くようです。弘兼氏は財界人や文化人の有志で結成された「100人委員会(発起人代表 増田寛也氏)」のメンバーの一人でもあります。


島耕作シリーズは1982年から始まり今日までコミックス累計発行部数で4000万部も達し、国民にも広く親しまれているシリーズです。弘兼氏が題材として取り上げてくれることは、多くの国民にもILCについて理解を広める大きな応援射撃になることは間違いないと思います。


私もさっそく購読して読みましたが、第一話から展開が早くILCの意義と現在の状況と課題について一気に描かれており、島会長の「わかりました。実現に向けて最大限の協力をしましょう!」で第一話のラストとなっていました。頼もしい限りです。


これからのストーリー展開に期待が膨らみますが、島耕作シリーズには魅力的な女性が必ず登場します。どのような形で出現するのか、東北の女性なのか、私個人の楽しみも広がっています。
posted by 飯沢ただし at 14:36| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月21日

ILC実現の正念場はこれからじゃ!

学術会議、次世代加速器「誘致支持せず」 巨額建設費などネック

【 2018/12/19 18:08 日本経済新聞 電子版】

宇宙誕生の謎を探る次世代の巨大加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を国内に誘致する構想を巡り、日本学術会議は19日、「誘致を支持するには至らない」とする意見をまとめた。政府はこれを踏まえて誘致の是非を議論、最終的な対応を決める。

ILCは日米欧を中心に国際的な研究者組織が構想をまとめ、日本での建設を求めている。国内の研究者の代表機関である学術会議は文部科学省の依頼を受け、検討委員会を設けて8月からILCの科学的な意義などを議論してきた。

学術会議は同日の幹事会で、約8千億円とされる建設費の国際分担が不明瞭であり、科学的成果が巨額の負担に見合うと認識できないなどとして「誘致の意思表明に関する判断は慎重になされるべきだ」とする回答をまとめた。

学術会議は同日、文科省に回答を提出した。検討委の家泰弘委員長(日本学術振興会理事)は「現時点でゴーサインを出すには至らなかった」と述べ、誘致の判断は時期尚早との認識を示した。

一方で国際的な研究拠点が生まれることで日本の科学技術力の底上げにつながるとの声があるほか、ILCは2兆円超の経済効果をもたらすとの試算もある。東北地方の北上山地が建設候補地に挙がっており、東日本大震災で被災した東北地方の復興を後押しするとの期待も大きい。政界や経済界には推進論もあり、文科省はこうした意見も考慮しながら最終的な対応を決める。

構想の実現には欧州が2019年にまとめる次期研究計画に盛り込むことが重要。構想を推進する国際的な研究者組織は、欧州の計画に間に合うよう19年3月7日までに日本政府が誘致方針を表明するよう求めている。


一昨日から私にもメディアからのニュースを見た方から「もうダメでねぇか?」という問い合わせが数件きました。この記事が一番核心をついているので転載しますが、政府の学術会議への諮問はあくまで参考意見を求めたのであって結論が出たのではありません。

この記事に詳細は載っていませんが、むしろ事実誤認とされていた点、例えば「科学コミニティの共通認識は図られている」など中間案から記述が変化した点などに注目すべきであり、特に「科学的な意義は存在する」という重要な部分を正確に読み取るべきです。


「現時点でゴーザインを出すに至らなかった」とするならば、現時点をステージをどこまで総合的な政治判断で上げれるか。現実的にはそういうことではないでしょうか

日本で開かれる3月7日のICFAの会議までがこれからの本当の正念場だすよ。


余分な話ですが、今回の各社の報道を具に目にしました。間違ったILC予定地の地図を確認もせずに平然と掲載し、取材元も一方的と思われた某新聞に対しては私はどうしても相容れません。これまで過去に問題点を共に洗い出すなど心通じてきた県政記者クラブに在籍した記者に敬意を表して購読してきましたが、今月をもってお終いとします。


posted by 飯沢ただし at 23:59| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月09日

ILC決定までの期限が延長される

次世代加速器「ILC」の国内誘致 来年3月までの態度表明を

【科学&新技術 2018/12/7 18:28 日本経済新聞電子版】 


宇宙誕生の謎を調べる次世代の巨大加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の日本誘致について、ILC計画を進める科学者の国際組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」などは、日本政府が態度表明する期限を2019年3月7日まで延期した。これまで年内の態度表明を求めていた。

7日に都内で開かれた先端線形加速器国際研究所建設推進議員連盟総会に出席したLCCのリン・エバンス代表が明らかにした。日本誘致の是非を議論している日本学術会議の検討委員会で議論が終わっておらず、日本政府が年内に態度を表明するのが難しいとみられるためとしている。

世界の主要な加速器研究所の代表が集まる国際将来加速器委員会(ICFA)が19年3月7日から東京で開く会合に間に合うよう、日本政府が意思表明をするよう求めている。エバンス代表は「ILCには世界中の研究者が期待している。期限までに日本政府の前向きな声明が出されることを切望している」などと語った。

ILCを日本に建設する構想は日米欧を中心とする世界の物理学研究者が推進している。19年初めに欧州の今後の物理学研究の方向性を決める計画がまとめられるため、その計画にILCを盛り込むために年内の意見表明を求めていた。

これに対応して文部科学省が7月、国内の科学者の代表である学術会議に審議を求め、審議が進んでいる。ただ11月14日に誘致に慎重な答申案が検討委員会で示されたものの、最終的な意見のとりまとめは遅れている。



リン・エバンス氏の発言はまさにILCを前に進めるか否かの最終デッドエンドを示したことになる。
岩手県のILC室幹部の話によると本県の視察団がCERNを訪問した際にCERNの所長は「期限は守りなさい」との発言があったそうで、ということはエバンス氏が責任を持って所長を説得するということを意味する。

となると3月7日までに政府が方向性を決められないとエバンス氏の顔に泥を塗ることに他ならない。すなわちかつての米国がそうであったようにこの学界における我が国の信用度までかかってきているのだ。


残された時間はあと3か月。あらゆる力を結集して事を成すように頑張らねばならない。
posted by 飯沢ただし at 01:09| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月29日

Scientific!

28日(水)の本会議終了後に岩手県議会ILC建設実現議員連盟の総会が開催されました。

日本学術会議が現時点で公表されている「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見」(案)に関して事実誤認があり、また委員会中で述べられている参考意見、参考資料の内容が十分に理解されていないことを鑑み、KEK ILC準備室が中心となって11月19日(月)に行った意見・説明会が行わたことに関してその具体的内容について説明者として立ち会った岩手県立大学学長 鈴木厚人氏かららその内容について説明を頂きました。内容はかなりのボリュームなので重要なポイントだけをここに記します。


事前に確認すべき事項

1・日本政府の意思決定における現時点の段階について

現時点は日本政府が建設の承認を判断する段階でなく、これまでの研究者主導の非公式の国際協議から一歩踏み出し政府間における協議を正式に開始するかどうかを判断する段階

2・大型国際プロジェクトにおける国際的な意思決定プロセスについて

大型国際プロジェクトは、欧米では意思決定プロセス(米国ではCritical Dicision (CD) Processと呼ぶ)を経て段階的に行うのが通常である。CD1、CD2というように段階を経て条件が整わなければ実施継続しない。(私の認識:日本ではもんじゅ計画のように一旦ゴーサインが出ると後も出りできないケースがほとんどでそれらの前例が委員会の意思決定を硬直させている可能性がある。)日本にとって大型国際プロジェクトは初めてのことでありスタンダードとなっている意思決定プロセスを導入することを提案している。

3・国際研究機関を日本に誘致する価値について

検討委員会ではILCには科学的意義、技術的・経済的波及効果を超えて、容易に数値できない重要な価値があることよりもリスクについての議論が中心となり、プロジェクトが持つ可能性についての議論がほとんどされていないのは残念。特に計量値化ができない人材の育成については無限の効果があり、世界の科学技術をリードする科学技術国のシンボルとなりホスト国の誇りをもたらす。(私の認識:国際研究所が我が国に成立、実現すれば安全保障上でも大きな波及効果をもたらす。)


以下事実誤認や理解が不足していると思われる点を指摘した主な点をピックアップすると

@検討委員会報告: トリチウムその他の放射性物質の(万が一の)漏出事故等に備えた安全対策を含む、不測の事態や長期的な消耗に対する備えについてより丁寧な説明が必要

説明会における意見: ビームダンプの安全対策についてはトリチウムを含む放射化の評価を行い、説明をやってきたが、さらに十分な説明・検討を行う。

A検討委員会報告: ILC建設地に多くの研究者とその家族が定住して国際科学研究都市が実現するというシナリオが描かれているようである。(中略)ILC稼働段階に入れば現地に必ず駐在するのは加速器の運転保守に携わる人員などが主となることが想定される。データ解析がオンラインでできる今の時代に素粒子物理研究者が現地に常駐する必然性は乏しい。

説明会における意見:「データ解析がオンラインでできる今の時代に素粒子物理研究者が現地に常駐する必然性は乏しい。」は、高エネルギー物理実験の実情に合わない。研究者は実験現場に集まる。

鈴木厚人氏からの県議会への説明:実験がインターネットでできるなら大型実験装置の必要性はない。装置は人間がつくるもの。装置の補正は必ず必要となる。また研究者の実験目的別に様々な工夫をこらす。そのために実験場に研究は必ず集まる。



これ以外にの10点以上において事実誤認と正確な理解が必要な点を指摘したことが鈴木氏から説明をされました。


このように検討委員会の「所見(案)」はこれまでの委員会の審議の中において説明者の意図を汲む姿勢が乏しいと認識しました。いわゆる結論ありきの決め打ち的な内容であることが多い、多すぎる!と私は理解しました。

説明会ではメディア関係者50人以上が集まり、説明会後のぶら下がり取材でも鈴木氏はへ多くの社からが興味深く質問をされたそうです。その結果この説明会以後には全国紙の社説等で我が国の科学の発展や国益に関する総合的な見地で政府は判断すべきとの論調が多く見られるようになりました。


以前私がこのブログで書いたように、ようやくILCプロジェクトに関して政府がスタートラインについたと言えるでしょう。私たちの地域でもリスクに着目するのも勿論必要ですが、同時に将来の可能性に関しても科学的に冷静かつ熟した議論が求められていると考えます。
posted by 飯沢ただし at 23:54| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月21日

ILCの方向が佳境に

しばらくブログの書き込みは事情によりお休みしていましたが、本日から再開します。よろしくお願いします。

13日(火)に宮城県議会との共同議連において復興庁(渡辺大臣)・文科省(永岡副大臣)・ILC議連河村会長・萩生田自民党副幹事長・平井科学技術政策担当大臣へ要請活動を行い、国会のILC推進議連の総会にもオブザーバー参加しました。

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【ILC議連 河村会長、河村会長にはこれまで何度お会いしたことでしょうか・・】


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【萩生田自民党副幹事長と】


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【平井科学技術政策担当大臣と 平井大臣は科学に対する造詣が深い国会議員】


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【ILC議連と他の推進団体との連携図】


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【ILC国会議連の総会、発言する塩谷立幹事長】


この要請活動もその後の動きが激しくなって今やニュースソースとしてはかなり古いものになってしまいました。

この直後に文科省の諮問機関である学術会議の経過報告がされ、最終報告への流れが慎重路線へと示唆されたことにより、推進を図る東北ILC推進機構等の動きが活発に行われ、最終答申が示されるのではないかとされた本日の学術会議も継続となったと本日報道されました。


学術会議の動きに関しては、当初から研究者ムラにおける「盥の中議論」から大きく飛躍することは予想できていたものの、あまりに強いトーンが出されたのは地元にも失望感が漂いました。

が、ここで引き下がるわけにはいきません。


私はこれからが真のスタートラインと思っております。


ここ数日いろいろなことを考えましたが、まずは

1・事実と異なる学術会議の評価に対して事実に基づく反論を適正に行うこと→19日(月)にすでに実行済ではあるがさらに強化が必要。

2・ILCによる波及効果は科学技術の研究のみならず産業界・経済界へも大きいことから早急に産業界へのさらなる理解を求めて支持を得ることが必要。できれば産業界からのステートメント(声明)が欲しい。

3・最終的な判断は政治判断としながらも、集中的に政治に力をフォーカスすると逆バネが働くことも考慮に入れる必要があること。

ではないかと思料します。私もできる限りの人脈をたどって後押しを致します。

posted by 飯沢ただし at 23:30| 岩手 🌁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月24日

ILC解説セミナーに出席して

東北ILC準備室主催による「ILC解説セミナー」が一関市内で開催されました。
ILCに関する最新動向や住民の皆様のILCに関する関心事項について解説するのが開催趣旨とされています。

解説1 ILCの最新動向
講師:佐々木 淳 氏(東北ILC準備室地域部門長(岩手県理事)) 
解説2 ILCに関する質問・疑問について
講師:成田 晋也 氏(東北ILC準備室広報部門長(岩手大学理工学部教授))


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事前に提出された質問書に沿ってお二人の解説員が説明をされました。

佐々木氏からは

@ILCの学術的意義について
A建設費について
B経済波及効果について
C雇用について
Dトンネル掘削に生じる残土について
E高レベル放射性廃棄物と処分場の関係について
FILCによる研究が終了した場合の施設運営と管理について

成田教授からは

@放射性物質への安全対策について
A自然災害に対しての強度対応について
B環境維持について

説明後の質疑において出された論点は

・実験にて生ずる放射性物質の気密保持対策は万全であるか
・核の最終処分場にならないという根拠について
・デメリットに関する説明会をなぜ今になって開催するのか、今後も行うかについて

の3点に要約されたと私は判断しました。

現在、文科省の諮問機関である日本学術会議で行われている議論をベースにして質問されたいたようです。

今回の説明会で私が感じ取ったことはリスクコミニケーションに関して今まで積極的に情報開示してこなかったことは事実として受け止め、行政側もしっかり情報開示すべきとは思いました。説明会終了後に佐々木理事にはその旨を電話で伝えました。


私自身今日をもってしても解せないのは、これまでILCに関する説明会は大東町の室蓬ホールで過去3度(新聞チラシも入れました)県主催でも大東町で二か所開催したわけで、上記に出た同趣旨の質問も出されて講師が丁寧に回答した経過があります。なぜ今になって始めたかについての指摘、それからILCに関して市政対応に対する批判が議論の底流になっていると私が感じたのは論点がいささかかみ合っていない印象を受けました。

 
posted by 飯沢ただし at 23:11| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月18日

最新のILCの動向

日本学術会議の中間答申において一部マスコミ報道ではILCの早期建設は困難との情報が流れていますが、ILC東北さんがフェイスブックで発信した記事によると

本日、自民党本部において、ILC誘致実現連絡協議会の第一回会合が開かれました。
二階俊博国土強靭化推進本部本部長(以下敬称略)、額賀福志郎東日本震災復興加速本部本部長、甘利知的財産戦略調査会会長、細田博之科学技術の会会長、渡海紀三朗科学技術イノベーション戦略調査会会長、藤井聡内閣官房参与、西岡喬AAA会長、高橋宏明東北ILC推進協議会代表、鈴木厚人岩手大学学長など 、錚々たるメンバーが出席しました。そしてもちろんILC推進議連の河村健夫会長と塩谷立幹事長。
河村先生は地方創生実行総合本部の本部長を兼ねての出席で、連絡協議会の会長を務めます。上の様々な組織を横断してILC誘致に向けて推進していこうというものです。挨拶や意見交換の後

「国家プロジェクトとしてILCを位置付けること」
「通常の科学技術・学術・大学予算の枠外で措置すること」

などを含めた決議文を全員一致で採択しました。

二階先生は今大変忙しく、少々遅れてこられましたが、「ILCは絶対に必要、それは誰もが認識している」とのこと。また、「総裁が決定すればそのもとでこれを確実に実現すべき」とも。


7月末に 塩谷立 ILC国会議連幹事長を訪問した折に塩谷幹事長が示された通りの流れできています。予算枠が文科省外で組めれば学術会議の結論に振り回されることはなくなります。今後の政府の動向に注視しながら、地元としてもできる限りの行動を継続していく必要があります。

情報は偏らずに意思決定のされるところから確実に取ることが肝要です。

posted by 飯沢ただし at 22:48| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月18日

リスクを取らんかい!

私は過去直近2度の選挙戦でILC実現を目指すことを公約の第一に掲げ、現在も活動している。


実現するかどうか確率も読めない公約を掲げたことは自分に対するリスクも承知の上で行っている。
それはこの地域にとってILCは有益であると判断したからであり、情報を知り得る最先端の身分である政治家の役目は将来に夢をつなぐことだと確信している。

研究者や識者の意見を聞くだけでなく施設の安全性や環境変化、研究施設の持続性についても自ら単身でCERNやSLACなどにも調査し理解に努め、このブログでも視察に関して情報発信してきた。
また、実現に向けてPSG主催の講演会や勉強会も複数回主宰して研究者と疑問のある聴講者とのやり取りの時間も十分に確保することにも留意して行った。

私には一部で報じられている行政の説明が足りないとか、今になって広報の仕方がどうやらとか生温い考え方にはまったく理解できない。

なぜならILCが世の話題となり約8年になる。
なぜこの間、疑問があったらなぜ主体的に調査し行動に起こしてこなかったのか!議論が未熟ならなぜ自ら進んで場を設定する努力をもしなかったのか!


未熟な不安要素を並べ立て、風聞だけで危険性を煽るやり方に対しても許しがたいものがある。


反対論陣を張るなら自らのリスクを背負ってからやるべきだ。
posted by 飯沢ただし at 23:57| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月17日

科学的根拠ある議論を!

「ILC誘致を考える会」

主宰者の説明文書によると「ILCを考える会」は(子どもたちが学習しているのに遅れをとったと感じる市民による〜ILCを市民の立場から考える会)が講演会を開催した。

後援:一関教育委員会、平泉教育員会、岩手日報社、岩手日日新聞社、ICNケーブルネットワーク

と記載してある。去る7月28日(土)に開催された講演会を元にこの団体の代表者らがILC誘致反対の意見書を日本学術会議に提出したと報道されている。


私はILCを推進する立場ではあるが意見の多様性は排除はしない。しかし、人それぞれにいろいろな考え方があるとは思うが、新聞報道の内容を見ると

・県や一関市の誘致運動で事業に伴うリスクやコストについての説明が不十分
・立地地域の財政負担についての説明がない
・県境変化への不安、跡地利用についての不安
・子どもたちを活用した広報のあり方
・東日本大震災からの復興のために論じられている

の懸念を挙げたとされている。

大変申し訳ないが、反対論陣を張るには反対の根拠となる科学的根拠明らかにした上で行うべきであると考える。不安要素を並べて思惑だけで時期早尚と結論付けられているのは違和感を禁じ得ない。また、行政の説明不足を挙げているが私自身の活動を含めて8年以上にも及ぶ説明会が幾度となく開催されている中で、ご提案者の方々がどれほど学習していたのか、この期に及んでという疑問はぬぐえない。


まず最初に山下了先生や吉岡正和先生の講義をよくよく聞いてから判断し、科学的根拠をもって議論を戦わせるのが筋であろう。


後援された団体、メディア各社も「ILC誘致を考える会」という名前だけで判断されたのではないか・・・・・・あくまで想像であるが・・・・
posted by 飯沢ただし at 23:58| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月01日

共同議連(岩手・宮城県議会)でILC要請活動

昨日、宮城県議会と岩手県議会のILC推進共同議連で要望活動を行いました。
私も役員となっておりましたので出席してまいりました。

総理官邸にて西村康稔 副官房長官に、自民党本部にて塩谷立 ILC建設推進議員連盟幹事長に対応して頂きました。

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佐々木議長のはからいによって私から西村副官房長官に対して、地元としての取り組みやILCが21世紀の環境の世紀にふさわしいプロジェクトとして迎え入れる用意があることを申し上げる機会を頂きました。

西村副官房長官からは、財源の捻出が課題であることを上げられて別枠での予算スキームが可能かどうかをチームで検討中であることを述べておりました。

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塩谷ILC議連幹事長からは

💡国家プロジェクトとして認めてもらえるよう情報発信の仕方を工夫しているところ
💡超党派議連としての活動は維持しつつも、党内での「決議」を上げるべく動き出しているところ
💡予算については別枠で確保できないか検討しているところ


と具体的な話を聞くことができました。

昨日の日経新聞の記事については川村議連会長から即座に対応を行ったとの発言もありました。
かなり国会議連における活動は拍車がかかっている印象でありました。

その後、本県選出の国会議員の事務所を回り、要望書を手渡したのちに宮城県自民党県j議団の御計らいによって防衛省を訪問しランチに690円也のカツカレーを食し、小野寺五典防衛大臣の大臣室(ご本人は訪露のため不在)に行く機会を頂きました。

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欧州の加速器建設計画の策定が始まる12月18日がデッドエンドと言われる中で政府に決定をしてもらうためにこれからもできることは精一杯行ってまいります。
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2018年07月30日

煮詰まってきた感はある・・・

次世代加速器、誘致に壁
宇宙誕生の謎に迫る 5000億円どう捻出、見合う成果難しく

(2018/7/30付 日本経済新聞)
 
  宇宙誕生の謎に迫る次世代巨大加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を国内に誘致する構想の雲行きが怪しくなってきた。日本学術会議が議論を本格化し、それを基に文部科学省が年内に誘致に名乗りをあげるかどうかの結論を下す。ただ厳しい財政状況の政府は容易にゴーサインを出せない。実現には「2つの壁」が立ちはだかり予断を許さない状況だ。


 ILCは地下のトンネル内で電子と陽電子を光速で飛ばしてぶつけ、138億年前のビッグバンに近い高エネルギー状態をつくる。万物に質量を与えるヒッグス粒子を生み、崩壊する様子を詳しく調べることで、物質や宇宙の起源を探る。

 日米欧が共同で建設を目指しているが、現時点では日本だけが建設地に名乗りを上げようとしている。もし日本で実現すれば岩手県内が有力。誘致した場合は、海外から多くの研究者の来日が見込める一方、他国より負担金額が増える。建設費約5千億円をどうまかなうかが最大の課題だ。


 誘致構想の表明は年内が期限とされる。欧州は2019年から素粒子研究の中長期プロジェクト計画を見直すため、越年すれば時間切れとなり、この計画に載らない。欧州が加わらなければILCの建設は進まない。

 学術会議の山極寿一会長(京都大学学長)は26日記者会見し、ILCの国内誘致に関して審議を開始することを明らかにした。ノーベル物理学賞受賞の梶田隆章東京大学教授ら専門家で構成する委員会を設置し、期待される科学的成果などについて精査する。

 山極会長は「科学研究の位置づけについて早急に審議する」と説明。ILC計画を推進する研究グループが求める「年内の結論提示」には間に合わせるとみられる。専門家会合は8月10日に1回目の会合を開く予定だ。

 学術会議は、誘致について13年に「時期尚早」とする報告書をまとめている。その後、文科省は有識者会議を設置してILCの妥当性について議論を進めてきた。ILCを推進するグループも装置の直線距離を当初計画の30キロメートルから20キロメートルに短縮し、建設費を3千億円ほど圧縮して5千億円台に見積もるなど、実現可能性を示した。

 文科省の有識者会議は7月にまとめた報告書で誘致について結論を出さなかった。これを受け、科学コミュニティーの代表である学術会議に誘致の妥当性を改めて審議するよう依頼。学術会議で科学的成果の妥当性や優先順位を議論してもらい、その結果を尊重して政策判断をするという通例の手続きになる。

 問題は予算だ。仮に学術会議が誘致にゴーサインを出した場合も、日本の既存の科学技術予算の枠内では建設費などの負担金を捻出できない問題がある。他の科学技術プロジェクトにしわ寄せが行くのは確実だ。

 実現可能性は不明だが、震災復興予算を活用する案などもくすぶる。別枠での予算確保を含めて様々な思惑が交錯しており、一部の議員からも既存の枠組みにとらわれない予算対応の必要性を訴える声が出ている。

 超党派の「リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟」で会長を務める河村建夫元文科相は「科学技術予算にしわ寄せがいかないようにしないといけない」と話し、塩谷立元文科相も「別枠で考えていく必要がある」と指摘する。東京大学の山下了特任教授は「複数省庁にまたがってプロジェクトを実現してほしい」と省庁横断の対応が重要との考えを示す。

 もう一つの壁は、科学的な意義を問う声が根強く残る点だ。

 ILCの活用で最も期待されるのはヒッグス粒子の精密観測だが、装置をコンパクトにして得られる成果は限られてしまい、新粒子発見など研究者の誰もがノーベル賞に値すると太鼓判を押せるだけの成果が出る可能性は極めて低いというのが関係者の見方だ。

 最初に直線20キロメートルで作った場合も、後から延長することは容易との説明があるが「予算規模に見合った科学的成果は期待できない」(文科省幹部)との指摘がある。

 元学術会議会長の黒川清・東京大学名誉教授は「資金面で(日本の負担が)期待されているだけで、装置を使いこなすことはできない」と誘致に厳しい意見だ。

 大型実験装置の建設には莫大な費用がかかる。各国は財政難から巨大科学への投資に慎重で、国際協力の形を取らざるを得ない。日本がILCを誘致すればプロジェクトの主導権を握れるが、科学技術の予算は限られる。

 科学的な意義と費用対効果をてんびんにかけ、どう最終的な結論を導き出すのか。科学者コミュニティーによる主体的な関与も重要になる。


かなり反対派の研究者に偏った意見を記事にしたようです。20キロにしたステージングは研究者によって機関決定されたことです。「見合う成果難しく」という副題にはちょっと違和感を禁じえません。記事に書いてある装置を使いこなすことができない日本の研究者なんて逆に存在するのでしょうか???よく取材して書いて欲しいものですな。

それでもこうして具体的にお金の話がメディアから出てきたといういことは課題が絞られてきたとも言えるでしょう。

posted by 飯沢ただし at 14:23| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月30日

ILC百人委員会が発足!

ILC100人委員会発足 建設実現へ財界人や文化人ら応援


 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー」(ILC)の誘致実現に向け、財界人や文化人による応援組織「ILC100人委員会」が発足し、29日に東京都内で記念式典があった。
 発起人代表は前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏。委員は129人で、知名度が低いILC計画の意義を発信してもらう。事務局によると、委員には脚本家の内館牧子氏や経団連名誉会長の御手洗冨士夫氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏らが名を連ねる。
 委員約10人が参加した式典で、増田氏は「国民の支持を広げる環境づくりに協力してほしい」と呼び掛けた。岩手県立大学長の鈴木厚人氏は、国際プロジェクトとして宇宙の起源を探る計画の概要を紹介した。
 委員会は、ノーベル物理学賞受賞のバリー・バリッシュ氏らを招いたイベントを8月に開く予定。同氏はILCの国際共同設計チームで責任者を務めた。
 ILCを巡っては、文部科学省の有識者会議が誘致の是非を検討中。研究者らは、欧州の協力を得るには年内に日本政府が誘致に前向きな姿勢を示す必要があるとみている。
(河北新報 電子版 6月30日)



今年の1月に野村総研に増田氏を訪問した折りに、私の前の面談者が山下 了先生でした。
ちょうどその時にこの百人委員会設立の話が話題となったようです。増田氏には陰に陽にILC実現のためにご尽力を頂いております。この会のメンバーが多くの国民に情報発信をされて政府決定の後押しになることを念願します。

岩手県議会も宮城県議会と連携して共同のILC実現推進議連をつくり、活動を進めています。

しかし、本県の知事が自ら主体的にこのような活動をしたのを聞いたことがありません。ニコ動画で定期的に発信してますからOK?次元が違いすぎますね。
posted by 飯沢ただし at 14:55| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月21日

吉岡節が炸裂・踊る!

今日は一関市と一関商工会議所の主催によるILC近況報告会があり、出席しました。
今日は明日開会を控えた前日議運もあったせいか、一関選挙区で県議で出席したのは私一人でした。

講演者は 鈴木厚人 岩手県立大学学長、ILC推進室長の佐々木淳氏、吉岡正和先生の三本立て。

吉岡先生からは前回の仙台講演からの引き続きですが、内容が重複していたのは約3割程度。あとは最近デンマークに視察に行った報告など最新のものにさらにリバイスされておりました。吉岡先生の研究心の旺盛さには毎回驚かされます。

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最初に「縮小する日本」でガツンとかまされました。この件は前回の記事で紹介したとおり。

現在、第四次産業革命のさなかにあり、エネルギー、情報、モビリティ革命が主題となっているが、わが国はどれも遅れをとっているという厳しい指摘です。人材育成の遅れを知っているはずなのに動きが見えない主管官庁の体たらくぶりについても触れられておりました。

ヨーロッパのフランスにおいてリニアック(がん治療陽子線設備)技術をCLIC(次期先端直線加速器)を見越してスプンオフしている実態、またデンマークにおける再生エネルギーを主体とした持続的社会への実践的かつ創造的取り組みが紹介され、本当にわが国の技術が自国内のガラパゴス化していること、世界的競争力を失いつつある状況に強力な警鐘を鳴らしておりました。


ILC実現後の居住プランに関しても具体的な提案があり、本当に参考になりました。


県では実現に向けて県民集会をこれからどんどん打つ予定と聞きましたが、実のあるものになるようにしなければなりません。
posted by 飯沢ただし at 23:49| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月07日

タイムリミットまであと半年しかない!

本日、宮城県議会・岩手県議会ILC建設議員連盟による報告会と講演会、並びに共同要望書決議が仙台市の宮城県議会内で行われました。
岩手県議会ではこの議連にすべての議員が参画していますが、岩手県議会からの本日の出席者は19名でした。

来賓の村井宮城県知事のあいさつの後、宮城県議会CERN視察の報告があり、そして吉岡正和先生による「ILCをめぐる国内外の動向について」と題しての講演でした。

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吉岡先生の講演はこれまで10数回拝聴しておりますが、今日の内容ほどILC実現に向けてシビアな内容はありませんでした。

まずは先日福岡県で開催されたアジア・リニアコライダー・ワークショップの内容について重大な発言が

1)ヨーロッパ将来計画検討の重鎮 Halina Abramovicz 博士から
⇒ 日本がILCホスト意思を年末まで(正確には12月18日)には示さねば、欧州将来計画には内包されない・・・ILCの将来計画も、それを前提として大きく変わる

2)アメリカ・フェルミ国立研究所長 Nigel Lockyer 博士から
⇒ 今がILCの提案時だ・・・2030年台にILC建設終了がベスト・・・欧米ともILC向け予算スロットがある
また、ヒッグス粒子に関しても触れて
⇒ ヒッグス精密測定は宝の山・・・これをやらない手はない!(You would be nuts not to study the heck out of the Higgs.)

3)LCCディレクター Lynn Evans 博士から
⇒ 日本はいつまでも中立でいてはダメだ・・・日本は意思決定は遅いし、あやふやで・・・ダイオード(一方向にしか通電しない)みたいだ(情報を入れても、そこから何も返ってこない・・返事がない)

というように参加された吉岡先生にとっては今回のワークショップは針の莚状態だったようです。


また、現在の中華人民共和国の状況についても重大な報告がありました。

1)CEPCというヒッグスファクトリー構想があり、すでに動きだしていて、まずはILCと同じヒッグス粒子を測定する施設としてスタートし将来はCERN将来計画を凌ぐハドロンコライダーにする(なんと周長100kmのシンクロトロン)。なおかつ候補地選択までかなり絞り込みが進んでいる。予算の裏付けも100億円規模で十分に確保できる。

2)超伝導空洞やクライモジュールの量産体制も準備できる→ ILCにも簡単に輸出できますよ・・・

3)上海では超伝導空洞をベースとしたXFEL計画(ILCの小型版とも)がスタートした。

という隣国の動きが重層的に10倍速以上で動き出している(吉岡先生談)。日本がボヤボヤしている間にこんなことになっていたのです。


我が国はものづくり大国、科学技術立国なんていうのはすでに過去のもの。日本の大学のランキングは長期低落傾向にあり、今、私たちは重大な岐路に立っているという吉岡先生の客観的評価に基づくご意見でまとめがされました。


私にとってもかなりショッキングな内容で、ILC決定に時間がないことが明確になりました。
とにもかくにも与えられた持ち場で精一杯ILC実現に向けた活動を加速させなければなりません。もう時間がないということです。頑張らねばなりません。

posted by 飯沢ただし at 23:50| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月21日

ILC サポーターズ 募集中!

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先日、県庁に出向いて科学佐々木ILC室長からILCの現況について説明を受けました。

国会議連もかなりの危機感を抱いていてかなり精力的に動いているとのことです。県議会も負けてはいられません。来月上旬には宮城県との合同議連によるアピールを強めた集会も仙台市内で予定されているところです。我々の使命はとにかく精力的に情報発信し国民の関心を呼びこむことが肝要です。


写真にあるのは「ILC Supporters」に関しての資料とグッズです。

「ILC Supporteres」はILCの実現するため、各界の有志によって結成された応援組織です。下の段のタトゥシールを体のどこかの一部に貼って、SNSに写真をアップ。これで、あなたも「ILC サポーターズ」という仕掛になっています。


ILCの意義と認知度を広めるために有効な手段と思います。私も大いに賛同し協力します!
posted by 飯沢ただし at 23:31| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月20日

足音高まるILC実現への期待

本日、一関市内においてILC測定器グループの会議(ILD Meeting 2018)が開催され、夕刻に一関市主催によるウエルカムレセプションが蔵元レストランせきのいち、石蔵クラストンにて行われました。地元選出の県議団も案内を頂き、参加をしてきました。

ILDは(International Large Detector)国際大型測定器と訳されるようです。参加した研究者は国内内外から約80名ほどとのこと。

レセプションの前段で市内の子どもたちによる一関市出身の著名な蘭学者である「大槻玄沢の生涯」と題して英語劇が披露され、研究者の方々から喝采を浴びました。子どもたちの英語の発音もとても上手で驚きました。

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大槻玄沢の未知の世界を切り拓くという精神から2030年のILC実現後の一関まで、話をつくられたくだりは大ウケでした。子どもたちの力は本当に無限です。

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研究者の皆さんとお話をしましたが、一昨年のLCWS2016のエクスカーションで大東町大原においでになった方も多数いらして話がはずみました。特に中学生の書いた横断幕の印象は強いようです。

これからも今日のような技術部門の会議は数多く開かれていくことを希望しますし、研究者の方々も地域の人たちと直接触れ合うことを楽しみにしているようです。

今回の一関市のレセプションは料理も飲み物も評価が高く大成功でした。関係者の皆様に感謝申し上げます。
posted by 飯沢ただし at 23:56| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月23日

岩手・宮城ILC推進合同議連で政府要望活動

<ILC>岩手、宮城県議連が誘致を政府に要望

 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が候補地となっている超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、両県議会でつくる超党派の議員連盟は18日、政府などに対し東北誘致の実現を要望した。
 共同代表の佐々木順一岩手県議会議長、中島源陽宮城県議会議長ら議員約20人が参加。首相官邸で菅義偉官房長官と面会したほか、大島理森衆院議長、建設推進国会議員連盟の河村建夫会長に要望書を手渡した。
 産学官の協議会が東北でILCの受け入れ準備を進める現状を紹介。プロジェクト参加に向けた欧米各国との調整を進めながら、日本への誘致を早期に決めるよう求めた。
 河村氏以外の面会は非公開だった。出席者によると、菅氏は両県議会の連携を評価。大島議長は「日本が主導するには多くの国の協力を得られるかがポイントとなる」と話した。河村氏は来年1月に議連が欧州を訪問し、国会議員間の連携を強化する考えを示した。
 佐々木議長は「産学官と連携しILCの認知度を高める」と語った。中島議長は「前向きに受け止めてもらった。東北全体で機運を盛り上げたい」と述べた。
 ILC実現には欧州の素粒子物理戦略の次期5カ年計画(2020年開始)に日本への協力意向が示されることが必要。研究者らは計画策定の議論が始まる18年夏までに、政府が誘致について何らかの判断をする必要があるとみている。

【河北新報 電子版】


既報の通り18日(月)に両県議会合同議連で要望活動を行いました。

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【首相官邸で菅官房長官へ 左側横顔が私】


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【菅官房長官登場まで待機中 靴の手入れに余念のない工藤大輔議員】


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【大島衆議院議長へ 詳細にILCの現状と課題についてコメントを頂戴しました】


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【丹羽文科副大臣と 副大臣は腹蔵なく財政出動の必要性を熱く語っておりました】


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【真剣に丹羽副大臣のコメントを聞く私】


このほかに国会のILC議連会長である川村代議士と副会長の塩谷代議士にも要請をしました。二つの県議会がシングルイッシューで合同議連を立ち上げたのは例がないと、どの要請先でも評価を頂きました。合同議連の効果は大きかったと実感しました。同議連では要請前に役員会を開き来年の8月末という目途に向けて、定例議会が閉会後にもさらに行動を強化することを確認しました。

来年度予算でもILC関連は予算要求満額の2億6千万円が措置され閣議決定(国会審議は通常国会にて審議される)されるなど予算面でも強化が進んでいます。決して油断することなく、できることは100%できるまでこれからも活動を続けます。
posted by 飯沢ただし at 23:59| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月13日

詰めを誤ることなく

東北誘致へ岩手、宮城県議会が共同議連 18日政府に要請活動
【12/12(火) 11:24配信 河北新報】

 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の東北誘致に向け、岩手、宮城両県議会は11日、超党派の共同議員連盟を設立した。協力関係の強化が狙いで、18日に菅義偉官房長官をはじめ、政府や関係省庁への要請活動を展開する。.

 両県議会は2013年3月、ILC誘致を目指す議連をそれぞれ設立。共同議連には両県議会の議連に所属する計97人が名を連ね、共同代表に岩手県議会の佐々木順一議長、宮城県議会の中島源陽議長が就いた。.

 共同議連による初の要請活動では、国内候補地となった岩手と宮城にまたがる北上山地の優位性を指摘し、地元で高まる受け入れの機運などを説明。政府に対し、国内誘致を早期に決めるよう働き掛ける。.

 ILCは宇宙誕生の状態を再現する巨大装置で、政府は18年中にも誘致の可否判断をするとみられる。建設を目指す国際将来加速器委員会(ICFA)は11月、加速器の全長を31キロから20キロに縮小し、懸案だった本体建設費を約8300億円から5000億円程度に抑える新計画をまとめた。


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正確にはまだ共同代表は両議連の役員会が開催されていないので決まっていないが、報道の通りに共同代表は議長が就任になる予定。11月7日に気心知れた岩手県南・宮城県北議員連盟の役員同士で会合を持ち、宮城県側から提案された共同議連が両県議連の了承を得て立ち上がる見込みとなった。機が熟したILCの実現に向けて両県議会がタッグを組み要請活動や理解を深める活動をすることは意義深い。

岩手のILC推進議連で屋上屋を重ねた共同議連に疑問を呈する意見があったが、情報発信力強化も見込め、また政府の受け止め方は二つの議会が一つの塊となって行動するということになれば迫力が違う。とにかく地元紙以外の全国紙にILCが注目されなければ国民の理解も進まない。

要は議会として議員としてやれることは何でもやるということが重要なのだ。東北にとって千載一遇の機会を絶対に逃してはならない!

18日(月)政府要望には私も役員として参加の予定。

私はこれからももっともILC衝突地点に近い議員として活動をさらに熱く進めていきます。
posted by 飯沢ただし at 14:17| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月13日

ILCの日本建設の期待が上昇↑


ICFA 250GeVのILC加速器建設を支持しILC早期実現を奨励

「国際将来加速器委員会(ICFA)」は、いわゆる「ヒッグス・ファクトリー」として250ギガ電子ボルト(GeV)で運用する国際リニアコライダー(ILC)の建設を支持する声明を発表しました。 声明の中でICFAは、ILC計画を継続的に支持するとともに、ILCを日本のイニシアチブによる国際プロジェクトとして、時宜を得て実現をすることを強く奨励しました。

この声明は、カナダ・オタワで11月6日から9日に開催された第12回ICFAセミナーの場で発表されたものです。

ICFA現委員長である、ヨアキム・ムニック ドイツ電子シンクロトロン研究所 素粒子物理・宇宙素粒子物理部長は、「世界の主要な素粒子物理学研究者の意見が、このように一致したことは非常に喜ばしいことです。素粒子物理学はヒッグス粒子の発見のような、世界の注目を集める目覚しい成果を上げてきました。次のステップは、より強力な加速器を用いて根源的な謎をより深く解明するためのさらに国際的な取り組みとなります。世界の科学者はこの心躍る未来に向け一致団結して取り組んでいきます」と述べています。

声明文全文(2017年11月8日)

ILCの「ヒッグス・ファクトリー」としての250ギガ電子ボルト運転に関する国際将来加速器委員会(ICFA)の声明

欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)で2012年にヒッグス粒子が発見されたことは、近年の科学における最も重要なブレークスルーの1つであり、基礎物理学の大きな一歩と成りました。ヒッグス粒子を精密に研究することにより、物質とその相互作用の最も基本的な法則の理解がさらに深まるでしょう。

250ギガ電子ボルト(GeV)の重心系エネルギーで運用する国際リニアコライダー(ILC)は、ヒッグス粒子の精密測定により素晴らしい科学成果をもたらすでしょう。したがって、国際将来加速器委員会(ICFA)は、ILCを、LHCとそのアップグレード計画とは相補的な役割を果たす重要な科学プロジェクトと認識しています。

ICFAは、ILCのコスト削減に関するリニアコライダーコラボレーションの取り組みを歓迎しています。 これは、250 GeV加速器が、2013に発行した技術設計報告書(500 GeVの加速器)に比べて最大40%のコスト削減が可能であることを示しています。

ICFAは特に、リニアコライダーの高エネルギーへの拡張性を重視しており、250GeVを超えるエネルギー領域で行うことが可能となる追加の測定で、大きな発見の可能性があることに注目しています。

ICFAは、今回の委員会で示された、リニアコライダー計画推進委員会(LCB)の報告書の結論を支持しており、日本が、日本のイニシアチブによる国際プロジェクト1として、重心系エネルギー250GeVの「ヒッグス・ファクトリー」のILCを、時宜を得て実現することを強く奨励します。


※ICFAとは
国際将来加速器委員会(ICFA:International Committee for Future Accelerators)は高エネルギー物理研究に用いる加速器の建設と運用における国際協力の促進を目的に設立された組織。 高エネルギー物理研究に関与する地域の専門家から構成されており、現在の委員は16名。

以上KEKのHPから抜粋です。


ILCを日本でぜひやって下さいという公式なステートメントが発せられたのですから、やらないという選択肢はありませんね。大いにやりましょう!

英語の原文では、very strongly encourages Japan やら led by Japanese initiative というテンションが上がる文章が記されています。

ICFAによるステージング(距離短縮20km)の承認は研究者では最終的なものであり、ある意味日本へのILC計画の早期決定を促す最後通牒とも言えるかもしれません。

こうなればいよいよカウントダウン。これまでも自分なりに一生懸命活動してまいりましたが、これからも気合を入れて実現まで頑張ってまいります。県は研究者の受け入れ態勢など具体的なプランなど早急に検討に入らねばなりませんね。

一方、冷静に見なければならないのは、地元紙がトップであげておりますが、日本経済新聞などは一切記事になっておらないこと。これが国レベルの今の現実と受け止めなければなりません。

posted by 飯沢ただし at 17:32| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

一歩進んだKEKの動き

私は以前からKEK(高エネルギー加速器研究機構)からILC通信というマガジンを送って頂いています。

今号は2016年度特別編集版で昨年度の取り組み内容であるとか、新ILCアソシエイト・ディレクターの道園真一郎氏の「なぜILCが必要なのですか?」というインタビュー記事が載っています。

そのマガジンと一緒に同封されていたのが下記の「ILC理解増進のための寄付金のお願い」文書が目を引きました。

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今までこういう主体的な動きはKEKとしてはなかったので驚いています。

KEK内にILC推進準備室が設置されて、より多くの国民に理解を深めるための活動資金を募るという趣旨であることは間違いないと思うのですが、こうした広く一般から寄付を募るということはILC実現に対してもうひと押しのアクションなのか、実現の手ごたえを感じているのでアクションをおこしたのか、ILCの実現に大きな関心のある岩手県民としては後者の方を勝手に想像して色めき立っているわけですが、果たして真意はどこに?

posted by 飯沢ただし at 11:43| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月15日

県議会ILC議連が国に要請活動!

昨日、ILC議連が文部科学省と国会議員への要請活動を行いました。
今回は市議会議長会と町村議会長にも声がけをして両会長も帯同しました。

岩手県議会ではILC実現を目的とした超党派の議員連盟「ILC建設実現議員連盟(ILC議連)」を結成しており、私は副会長の役職を務めております。

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文部科学省では戸谷一夫事務次官に対応頂きました。
文科省は現在内部的問題が表面化しており、なかなかこちらもイズい要請活動だったのですが、事務次官からは今後の対応方針等について説明がありました。

・有識者会議内に「体制およびマネージメントの在り方作業部会」が設置されたこと
・LCWSで明らかにされたコスト抑制策の浸透を期待したい

・トランプ政権のCO2削減等の地球環境政策に関心がないことは基礎科学にも及ばないか懸念する
・トランプ政権のDOE(Department of Energy)の下部ポストが未決定であり、基礎科学やILCに対して未知数であることの懸念

先の有識者会議の内容以上のものは発言がなく、かなりアメリカ新政権の動向に神経質になっているような感じでした。

国会のILC議連の会長、川村健夫衆議院議員を訪問しました。

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川村会長からは先のLCWSにて自身の「サイエンス ファースト」の基調講演の話で盛り上がった後に

五月の連休中に再度渡米してILC枠組みの確認をする。財務省周辺の理解が必要。これを払拭しないでぼやぼやしてると中国に先を越される可能性がある。研究者が示した初期投資抑制案をもう少し広める努力が必要。あと2年内には何とか決めるように努力したい、岩手の皆さんのこれまで以上のご協力もよろしくとのことです。お忙しい中ご丁寧なご対応を頂きました。

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最後はILC議連副会長の岩手2区選出の鈴木俊一衆議院議員を訪問。

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鈴木俊一代議士:トランプ政権に近い共和党シンクタンク、ハドソン研究所は基礎科学に理解あると聞く。悪くは対応しないのではないかという楽観論あり。九州との連携も考えなければならない。財務大臣(義弟)がなかなか決断に至らないので参った(苦笑)。

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三者ともそれぞれトーンは若干違いますが共通して言えるのは
振り出しまでにはいかないが、トランプ政権に変わったので仕切り直しの作業がけっこうかかる雰囲気ということです。

議会側も粘り強くこれからも要請活動が必要と強く感じました。
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2016年12月24日

LCWS2016 REPORT VOL.3

政府の来年度の予算内示があり、ILC関連では1億1千万円が計上されました。新規に認められたものもあるようで一日も早い政府の正式決定が待たれます。

LCWSの最終日はILC衝突地点付近へのイクスカーション(現地視察)。
130人以上の研究者の方々が参加をされました。私もお呼びでないですが、説明資料がある大東町大原シミンセンターへ参上仕りました。

Coffe Bar が用意されて大好評!

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一関市、奥州市、気仙沼市の各々特産のお菓子も大好評!
用意されたものは全てなくなりました!特にどら焼きをはじめとした小豆ものが好まれたようです。

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3Dで地形の様子が分かります。ご案内役はお馴染み佐貫先生と吉岡先生。

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展示品では児童や生徒が書いたILCをテーマにした絵画に研究者の注目を引いていました。写真を撮る人多数!!

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現地視察は何度も行われていますが、これだけの大規模な視察は初めてではなかったかと思います。できれば地元の方々ともう少し触れ合う時間があっても良かったかもしれません。給仕のお手伝いをして頂いたのは大原英語会話クラブの方々でした。ありがとうございました。

今回の視察でより多くの研究者の方々も認識を深めて頂いたいい機会だったと思います。これからもこのような機会が増えそうなのでILC実現が現実味を帯びてきた暁には常設展示室も必要になるでしょう。
posted by 飯沢ただし at 01:10| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

LCWS2019 REPORT VOL.2

LCWSとは(Linea Collider Work Shop)の頭文字をとったもので毎年場所を変えて開催されています。今年は盛岡市を中心に開催されて大きな成果を生みました。

👀 国会議員の超党派で結成されている推進議連の川村会長から基調講演の中でILCは「Science First!」の姿勢で我が国が誘致実現しようとする意思表明が高く評価をされたこと。

👀 LCCからILC建築方針に「Staging」の考え方が初めて示され、初期投資で31km必要とされた延長距離を半分にするなど段階的に設備増強する方針により初期投資の建設コスト削減に大きく寄与するこ可能性が出てきたこと。

👀 岩手県民がILCに対して深い情熱をもっていることが多くの研究者に認識をされたこと。

大きくこの3点があげられると思います。とくにステージングの考え方は日本政府に決定を促す導火線的なメッセージだと私は感じました。そうなることを切に願っています。


LCWSの期間に合わせて県民集会も開かれました。
県民集会といっても結果集まったのは関係自治体の関係者がほとんででしたが。

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鈴木厚人県立大学学長から岩手の自然豊かな環境に合致した研究都市構想がこれからILC準備室で検討されることが話されました。上の図のようなコンセプトが一般県民にも示されて一日も早く共通の認識が熟成されることを期待します。
posted by 飯沢ただし at 02:00| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月10日

LCWS2016 REPORT VOL.1

岩手県盛岡市で開催されたLCWS2016に参加した内容をレポートします。
2年前にSLACを視察訪問した折に意見交換をさせて頂いた科学者が4名も参加をされていました。とても嬉しく再会を果たしました。


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【2014年8月 SLAC 視察】


出席を頂いた研究者の方々、左から(敬称略)

⛳ Eduardo Marin Lacoma (physicist)
⛳ Thomas Markiewicz (physicist)
⛳ Norman Graf (senior research engineer)
  Nan Phinney (physicist)
⛳ Glen White (physicist)
  飯澤
  Takashi Maruyama (physicist)
  鈴木氏 (KEK)
  Janice L Nelson (physicist)
  Marco Oriunno (senior research engineer)

⛳の4名がLCWS2016にも参加しました。

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再会したメンバーが終結。
左から(敬称略)

⛳ Thomas Markiewicz (physicist)
  Micael peskin (Stanford Univ.Professor SLAC)
  飯澤
⛳ Norman Graf (senior research engineer)
⛳ Eduardo Marin Lacoma (physicist)

MR.Lacomaは現在はCERNで研究しているそうです。

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⛳ Glen White (physicist)

ILC計画が煮詰まってくれば、今後もお会いする機会があるでしょう。
posted by 飯沢ただし at 23:59| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月30日

ILC誘致で地域からの開国

昨日の日本経済新聞に、先般東北ILC準備室の室長になられた岩手県立大学学長の鈴木厚人氏の記事が掲載されました。

鈴木学長はILCを科学分野だけでなく「どこにもない、新たな国づくり」を提唱しています。

👀 研究者の居住地は一ヶ所にまとめない。空き家などを活用してばらばらに住んでもらい、地域コミュニティーの再生も狙う。

👀 地域産業への波及効果も積極的に推進する。
ILCの技術を活用して、輸送、医療、新素材、情報通信、環境へと促す。
エネルギー効率を改善し、自然エネルギーでILCを動かすことも目指す。すなわちグリーンILC。

👀 ILCの実現は日本が世界の物理学をリードし、貢献する。


このことは、おおよそ先の講演会でお話ししていた内容ですが、鈴木室長にはこれからもどんどん広報活動にご尽力頂いてILC実現による将来の可能性や効果の発信を期待しております。


というのも最近経産省の複数の要人とお話しする機会を得たのですが、まだまだ研究者レベルでの話の域を出ず、産業界にどれだけの波及が見込めるのかが明確なっていない。との指摘を受けました。省庁が違うと色々な考え方があるようで、まだまだ課題解決のハードルが高いことを実感したからです。

やはり、目指すは「グリーンILC」。本県も具体的な将来の構想を掲げて、多くの国民に同意を得る活動を活発化させる必要があります。


このことは実は私もこれまでも何度も言っていることなのですがね。
posted by 飯沢ただし at 09:32| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月16日

ILC建設実現に大きく動き出す!

先日、東北ILC推進協議会が新たに東北ILC準備室設置し、岩手県ではそれに呼応して岩手ILC連携室を開設するなど行政・経済界・研究者が一体となって建設実現に向けた動きがここにきて活発になってきました。

この動きを牽引しているのは県立大学学長(前KEK所長)の鈴木厚人学長や吉岡正和 岩手大学・東北大学客員教授などの研究者の方々と認識しています。

先日奥州市で行われたILCシンポジウム「ILC実現と地域社会の展望」は実に示唆に富んだ内容でした。
特にも基調講演された鈴木学長の「ILCと地方創生」はいままでにない具体的なILC実現で想定される科学技術の進歩の可能性を示してくれました。

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たとえば、
@現在の機能の1000倍の電子顕微鏡
Aレーザープラズマ加速器(3cmで1gev) PETの一部の放射線治療も可能になる
B加速器振動未臨界原子炉
C放射能廃棄物の半減期を短縮させる
D光合成を人工的に可能
など(急いでメモったので間違いがあるかもしれません)

そしILCの利用についてもGREEN ILCを目指す! エネルギーの回収、蓄積機能を開発し将来はILCを自然エネルギーで動かす。Smart Gridをさらに高めたLocal Micro Grid を達成する! そろそろILCに冠が必要ではないか→「自然と文化を共生するILC

ILCの意義に関しても「地域からの開国」→そのために機能分散型広域地域を目指し多企業参加ラボを創設。
ひいては科学による外交により日本のプレゼンスを高める。等々。

科学者の思考フィールドの広さと深さに驚きを得たと同時に、ようやくイメージが湧いてきた瞬間でもありました。後日あらためてこの内容についてお聞きをしたいものです。
posted by 飯沢ただし at 23:54| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月27日

東北経済連合会(東経連)と意見交換

今日はバラク・オバマ合衆国大統領が初めて原爆投下地である広島市を訪問し、原爆の犠牲者に献花し、核兵器廃絶のスピーチをしたという戦後史上において歴史を刻む日となりました。明日、米国の報道機関がどのような内容で報道するかを見極めてから私の意見を申し上げたいと思います。


今日の午後は岩手県議会のILC推進議員連盟の役員で仙台市の東北経済連合会(東経連)を訪問し、ILC議連の取り組みの報告や今後実現に向けての意見交換をしてきました。東経連内には東北ILC推進協議会が設置されており、今や経済団体の枠を超えた実質的なILC実現のためのメジャーな牽引組織となっています。本県のILC推進室と東経連と共同で研究都市構想に着手するなど、私の予想以上に連携が図られていることを認識しました。

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【高橋 東経連会長を中心に記念撮影】


今回の意見交換で認識を新たにしたことや事実が明らかになったことは

1⃣ 新潟県を含めた東北7県でILCへの技術提供可能と思われる企業は700社相当と分析している。よって岩手と宮城のみがILCに関わっているという東北他県の印象を覆し、東北全体で取り組むよう国会議員はじめ各方面に働きかけることが必要である。東北全体でどれほどのメリットがあるのかを数値化することも必要。

2⃣ CERNでは民間企業への技術提供は許可されていないが、しっかりとした知財戦略を持っているE-comerceすなわち情報関連等などだけでも年間200兆円の経済効果を生み出している。ILCにおいてもそれに匹敵する効果が期待できる(非破壊的産業分野で)。それらの価値を共有することも必要。

私はILC議連の副会長という立場で出席しましたが、これまでの活動や実現に向けての私見を述べ、とにもかくにも実現に向けて互いに情報交換をしながら前へ進むことを強く訴えました。

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今回の訪問は短時間ではありましたが、実のあるものでありました。
東北各県にILC議連としても独自に協力要請をすることも必要と感じた次第です。
posted by 飯沢ただし at 23:54| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月30日

技術力が信頼の扉を開く

昨日、一関商工会議所大東地域運営協議会の新年会がありました。

新年会に先立ち講演会があり、奥州市前沢区の株式会社、千田精密工業の千田伏二夫社長様の講師で「地域で必要とされる企業を目指して」という標題で講演が始まりました。

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新興製作所勤務時代から独立に至るまでの苦労した体験やいろいろな方との出会い。
何より驚いたのは会社運営の方針。技術集団が会社を形成しているという考え方が基本で、ある程度のレベルに達した社員には迷わず独立を勧めるという考え方は凡庸な経営者にはできない発想でした。

千田精密工業の技術力はKEK(高エネルギー加速器研究機構)からも高く評価されており、ILCの技術部門の一部を任されているとお聞きしました。

本県からこのような高い技術を持っている会社が存在していることはとても頼もしく思います。次に続く挑戦者がより多く出現することを期待するものです。
posted by 飯沢ただし at 22:38| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月28日

ILCの実現を目指して〜東京宣言

先週の21日と22日にILCに関する重要な会議が相次いで開催されました。

まずは21日。
ILC計画を検証する文部科学省の有識者会議が開催され、初めて建設コストや経済波及効果を検証しました。

位置情報加速器施設建設費(労務費含む)が1兆1千億円程度。建設期間は10年。
うち加速器本体の土木建築(工事費)に1600億円。
 加速器本体(超伝導加速空洞など)に6709億円。
測定器関係経費のうち
測定器本体に766億円。
労務費に266億円。ここまでが建設費

位置情報年間運転経費は491億円
うち光熱費や保守費が390億円。労務費は年間850人を想定し101億円とした。
これらの経費には土地取得費やアクセス道路、海外研究者の生活環境整備費は含まれない。

メモILCによる国内への経済波及効果は20年間で4兆4606億円になると試算しました。

予想していたとおり建設費は当初8000億円とされていたものよりコスト高となり、経済波及効果は野村総研が試算していたものと大きくはかけ離れてはいませんでした。


そして22日。
東京大の伊藤国際学術研究センターなどでILC東京イベントが開催されました。
リニアコライダーコラボレーション(LCC)とアジア・リニアコライダーワークショップ(ALCW2015)に参加してる世界の研究者が
東京宣言(Statement on "Towards the realistation of tne International Linear Collider")
を発表しました。

宣言は3つのパラグラフから構成しており
1)ILCでの研究はは他の研究に置き換えることは出来ない無二のものであり、必要不可欠なものである。科学者はILCの建設とそこでの研究を熱望している。

2)ILCが技術的に実現可能であり、建設可能な状況となっている。ILC計画は各国政府が関与し計画実施に向けた決断へ進む段階と来ている。日本政府がILCプロジェクトについて評価が行われていることを高く評価する。

3)ILCはLHCと同規模の最大規模の科学プロジェクトである。ILCにの実現には各国間での費用や技術提携での粉炭を行う国際的な仕組みの構築が必要である。各国政府間、財政当局間の協議を促進し、早急に目標を達成するように努力する。

と強調しました。

いよいよゴーサインに向けた動きを加速させる内容で、なおかつ日本での建設を大いに期待していると感じました。国際協力による詰めの段階に入りつつあると推察します。連休中には米国議会や欧州への期間への国会議員の働きかけも予定されているとのことで、実のある成果を期待します。
posted by 飯沢ただし at 22:48| 岩手 | Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月08日

「布きれ一枚の価値もない」

久々の更新です。
新年度に入りいきなり花粉症のスイッチが入ってしまい、体調不良です。まいりました。

4日に開催されたPSG主催の「ILC講演会」とても内容があり、とても示唆に富んだ講演でした。
記憶が飛ばないうちにここに記しておきます。

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石川先生は語り口はとても上品でソフトでしたが、内容はかなり厳しいものがありました。
当日初めて知ったのですが、石川先生は立地評価会議のメンバーでもあり、社会環境比較の担当だったとのことです。しかし脊振と北上を比較する上でのクリエイティブな資料が十分とは言えず、難儀したこともコメントされていました。

後藤新平の大風呂敷にたとえて、標題の「布きれ一枚にもならない」代物だったと。

それほどこの北上流域には歴史・文化・地域コミニティ、広域に広がる可能性(脊振にはない)があるのに、そのポテンシャルを生かしたグランドデザインが出てこないのか。もっと大胆にやりなさい。

と私は受け取りました。

一関から摺沢の移動中にも車内から見える景色を見て広葉樹と針葉樹のバランスの良さが保たれている地域と評価されていたそうで、なおさら早急な自らの力によるグランドデザインの策定が急がれます。

吉岡先生はガン治療のお話に特化という今回の予定でしたが、石川先生の講演を受けて筑波研究都市の成り立ちや教訓例を判りやすく示して頂きました。この話のリレーは阿吽の呼吸ともいうべきもので2部構成にした意義がとても深まりました。吉岡先生ありがとうございます。

また、地域特産物である林産物をぜひともILCの研究都市構造物に積極的に利用すべきだとの意見も頂きました。課題と考えていた大構造物にした場合の木材と木材との接合部の技術的な課題も山形県内の企業の技術でクリアになったとの話で、先生には多角的にILCに関して考察をされておられていて、いつもながらひとつひとつのお話が触発されるものばかりです。今回で大東での講演も3回目になるので「今日は難しいILCの中身については話をしませんから・・・」と聴衆を和ませて手慣れたものです。

これからも正しい情報の発信に努めてまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

最後にご協力を頂いたスタッフの皆様大変ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。
posted by 飯沢ただし at 01:25| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月26日

4月4日(土)にILC講演会(室蓬ホール)が開催されます。

一般社団法人 国際経済政策調査会(PSG)主催による
「ILC(国際リニアコリダー)」講演会
が来る4月4日(土)にJR大船渡線摺沢駅隣接の室蓬ホールで開催されます。

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【2013年9月1日に室蓬ホール開催された前回のILC講演会】

今回の講演のテーマは二つ。
石川幹子先生の「地方創生とILC」、吉岡正和先生の「加速器産業とがん治療革命」です。室蓬ホールでのILC講演会は4回目。回を重ねるごとにバージョンアップしていきます。皆様のご来場をお持ち申し上げます。


日 時 : 平成27年4月4日〈土〉 受付 午後1時 〜
講演 午後1時30分〜4時10分

場 所 : 大東コミュニティーセンター「室蓬ホール」
岩手県一関市大東町摺沢字街道下25−3
電話 0191-75-2229

第 一 部  : 1時30分〜2時45分
講師: 中央大学 理工学部 人間総合理工学科 教授
    東京大学名誉教授 農学博士 石川 幹子 氏
演題:「地方創生と国際リニアコライダー」
〜 伝統と豊かな自然がはぐくんだ文化を磨く 〜

第 二 部 : 2時55分〜4時10分
講師: 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 名誉教授
    東北大学・岩手大学客員教授 理学博士 吉岡 正和 氏
演題:「加速器産業とがん治療革命」

コーディネーター: PSG参与 飯澤 匡〈いいざわ ただし〉

posted by 飯沢ただし at 00:53| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月01日

4度目のKEK(高エネ研)視察

強行軍で昨日に土浦入り、本日、つくば市にあるKEK(高エネルギー加速器研究機構)へ視察に行ってきました。今回は地元の商工関係者のメンバーで構成されている「水晶会」の企画視察です。

視察箇所は、前回に宮城県議団と一緒に行った行程とほぼ同じ。
ILC関連でKEKが専門的に担っている部門を中心で、先端加速器試験施設(ATF)と超伝導リニアック試験施設(STF)の2カ所を研究者の先生に直に説明をもらいました。

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ILCに直接関係ある施設だけに、見学者は食いつくように説明を聞いていました。

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見学箇所は前回と同じといったものの、約一年前と比べて確実に研究の成果は上がっており、すぐにでもILCへの設置が可能と思われるほどの充実ぶりです。

私だけ盛岡でのイベント参加のために新幹線で戻りましたが、同じ新幹線で吉岡先生と偶然に遭遇。
来年の4月にPSG主催でILCの勉強会を大東町で行う予定ですので、日頃の感謝と併せてよろしくお伝えしてきました。
posted by 飯沢ただし at 23:55| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月30日

ILC実現に向けた取り組みが厚みを増してきた!

一関商工会議所 大東運営協議会ではILC研究会を今年の2月に設立しましたが、先般、KEK(高エネ研)広報室の高橋理佳先生と 藤本順平先生を講師としてお招きしてILCの勉強会が行われました。

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高橋先生からは2月にLCCコミニュケーターの科学者がILC建設候補地である北上高地周辺を視察した時の様子と今後住民が考えておく必要な事項などを的確に示して頂きました。

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藤本先生からは「霧箱」(Cloud Chamber)と言われる実験装置を参加者全員で用いて、放射線の飛跡を見る実験をしながら、素粒子実験の有用性について過去から未来にわたり分かりやすく説明されました。

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お二人はペアを組んで各地で広報活動を通じながら、ILCの意義や現状の課題を実に分かりやすく説明されています。このような取り組みをKEKで積極的に行っていることは機運の醸成に大きく役に立っていると思います。

また、先週上京の折に、増田寛也元総務大臣を訪問し、ILCの現況についてご教示を頂きました。
・消費税10%を先延ばしした政府判断の時点から財務省の全体予算枠の締め付けがかなり厳しくなっていること
・ILC建設に係る費用捻出にはいろいろな案が具体的に検討はされているが、まだ検討段階であること

まだまだ政府レベルでは各方面の合意に基づいたプロジェクトのゴーサインはすぐには出る雰囲気ではない模様です。先に安倍総理が来県した折に、地元紙のインタビューでも費用の確保について課題であることを明確に上げておりました。障壁はあるでしょうが、何とか突破してもらいたいものです。

明後日は地元の有志の団体で私自身4度目のKEK視察に参ります。
posted by 飯沢ただし at 00:00| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月25日

SLAC視察〜50年の歴史から未来へC

Marc C Ross博士との意見交換。
Ross博士は「 Project Manager for the Global Design Effort 」
国際加速器のプロジェクトマネージャーとしてILC計画にも携わっており、日本にも頻繁に足を運んでおられる方です。

SLACの民間活用の状況ととILCの将来展望について主に伺いました。

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・SLACにおける民間活用について

SLACの周辺では加速器の実験を通じてソフトウエァ、エレクトロニクス、レーダー等民間企業の技術が進歩した。特にシリコンバレーには加速器技術を産業化した例として、粒子線を利用したガン治療装置を開発販売するVarian Medical Systemsの本社がある。また、日本おける加速器技術の産業化については(株)東芝京浜事業所が発展させた超伝導技術や東京電解(株)の超伝導空洞用ニオビウムがあり、これはILCでの活用が期待される。

・ILC実験終了後の施設活用について

SLACでは高エネルギー実験として使用してきた直線加速器を、物質構造科学(ナノテクノロジーやバイオテクノロジー等)のための放射光加速器に転用を進めている(LCLS-IIプロジェクト)。SLACでは直線加速器を高エネルギー物理学用で40年、物質構造科学用で40年と合わせて80年使える施設を目指している。現在SLACは物質構造科学の研究者が所長に就任し、第二のフェイズに入っている。将来の放射光施設はSpring-8(兵庫県にある円形加速器)のような円形よりもエネルギーロスの少ない線形に取って代わる予定であるが、まだ開発段階である。
ILCについても高エネルギー実験が終了した後は、物質構造科学用の施設へ転用の可能性は十分にある。

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【テーブルの日本茶はKEKの鈴木さんが特別に用意してくれたもの】


SLACは初期の目的が達成された後も、連邦政府のエネルギー省が施設を有効活用するために研究目的を時のニーズと国家戦略に合わせながら多様に変化させていることを実感できました。CERNでは民間への活用を目的から除外しているために純粋な研究サイトとなっており、加速器を巨大化して高エネルギーにしていく方向にありますが、SLACは規模は小さいながらも柔軟に対応していることが見て取れます。

ILCによる地域の研究都市形成の進む方向はSLACの方が手本になるのではないかと感じました。それはシリコンバレーがいまだに世界に名だたるリーディング産業群になっているのが証拠です。

今回の視察は短い時間でしたが、ILC実現と地域の環境整備に何が必要か再認識した視察となりました。
posted by 飯沢ただし at 00:30| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月24日

SLAC視察〜50年の歴史から未来へB

研究者の方々と懇談後に施設見学です。
案内は Janie L Nelson博士とGlen White博士にして頂きました。

まずは通行証を頂き、(共産圏の国々への渡航歴を聞かれました。)スタートです。

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途中で暑くなり上着を脱いだ後に、通行証を紛失するという失態をしてしまいました。(すぐに見つかりましたが、焦りました・・・)

まずは1962年に建設された線型粒子加速器。当時は世界で最も直線で長大な建設物だったそうです。
奥行きの深さが判るでしょうか? 地下ではなく地上にあります。

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2カ所目はLCLSと呼ばれている実験ラボへ

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LCLS(Linac Coherent Light Source)呼ばれる装置はの持つX線レーザーはかつてない精度で物質の構造を明らかにすることが可能で、民間へのデータ解析も提供しています。

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民間の研究用途に合わせて加速器も分岐をしています。

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現在はLCLSUという次の段階へ進行中とか。

これらの施設で見られることは、すなわち、
米国は「高エネルギー物理」に対する立ち位置の変化があり、高エネルギー物理の全ての面で世界を牽引するよりも、グローバルな研究コミニティーで役割分担をはっきりさせ、その中で米国の得意分野に注力する「研究のグローバル化」へ方針転換した。(ILC通信より抜粋)


このことがよく体現できた施設研修となりました。

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おまけ画像:日本では見られない鳥の巣がありました。
posted by 飯沢ただし at 00:49| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月22日

SLAC視察〜番外編

SLACを視察する前にスタンフォード大を見学して、ランチは大学に隣接しているパロアルト市内で鈴木さんのご案内する店に行きました。

パロアルト市はシリコンバレーの北端に位置し、ヒューレットパッカート社の本社がある市でも知られ、とても清潔な町でした。

店はいつかは行きたいと思っていたアメリカンダイナーの典型的な店。
ジュークボックスは定番で備えてあります。

ダイナーは映画「レインマン」や「アメリカングラフィティ」「バックトゥザフューチャー」等、数々の映画のシーンで使われ、アメリカの食生活を語る上で必要不可欠な存在と私は勝手に思っております。

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【KEKから派遣されている鈴木さん、大変お世話になりました。】


私のオーダーしたのは定番のハンバーガー。フレンチフライの量が半端ではありません。結局、この私でも量が多すぎて食べきれませんでした。

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アメリカの一般的なレストランは量で勝負するところがあって、その分食べきれない分は家に持ち帰りが可となっているのは主婦にとってはありがたいと思います。日本ではパーティとかでは見かけますがレストレンではなかなか見かけないですね。

腹ごしらえをバッチリして視察へと向かったのでありました。
posted by 飯沢ただし at 23:02| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月21日

SLAC視察〜50年の歴史から未来へA

SLACの施設見学の前に、研究者の方々とILCに関して、ILCへの期待や国際科学都市として必要と思われる機能について懇談しました。

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出席を頂いた研究者の方々、左から(敬称略)

三日月Eduardo Marin Lacoma (physicist)
位置情報Thomas Markiewicz (physicist)
三日月Norman Graf (senior research engineer)
三日月Nan Phinney (physicist)
位置情報Glen White (physicist)
犬飯澤
三日月Takashi Maruyama (physicist)
猫鈴木氏 (KEK)
三日月Janice L Nelson (physicist)
位置情報Marco Oriunno (senior research engineer)

位置情報の方は2週間後に一関市で開催されたMDI-CFSのミーテイングにも参加をされています。

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ろくな私の自己紹介をしなかったせいで、女性のNan Phinney さんから「あなたは一体何者か?」とガツーンと最初に一発喰らいましたが、彼女は懇談中には私が聞き取れていないと思われる他の研究者の発言を判りやすく解説して頂いた優しい方でした。

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・ILCのや研究成果や安全性について

iモードILCはあくまでも科学技術の応用を目指すものであり、社会に還元すべきものである。
iモード加速器に関してはスイッチを切って電気を止めれば装置もすぐに止まるものである。日常の安全管理さえしっかりしておけば問題ない。

・国際科学都市として必要な機能

ビルインターナショナルスクール
バス公共のバスや鉄道
ブティック配偶者の働き場所
携帯電話配偶者のためのサービス(コインランドリー、食料品店、日本語学校)
ホテルホテル
ひらめき質のいいカフェテリア(特にコーヒーが美味くなくてはいけない!)
新幹線旅行案内所、旅行代理店
ゴルフ娯楽施設
ひらめきクラブ(地域の住民と交流できるようなもの)
アート芸術とコンサート

リラックスした雰囲気の中で思いつくものを挙げてもらいました。特に「コーヒーが不味いところには誰も行かないよ」と強調されていましたわーい(嬉しい顔)

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・研究者が研究に専念できる環境を求めるサービス
以下のサービスをワンストップサービス

・日本の行政機関との仲介
・家族のビザサポート
・家族の就業の斡旋
・運転免許
・自動車の登録
・通信(固定電話、テレビ、インターネット)
・税務処理
・健康保険
・住居のレンタル(手続き)
・銀行(ATMサービス、外国人向けの銀行口座開設)

一昨年に、CERNで日本人研究者の方々と懇談した内容とほぼ似たような内容ですが、認識を強くしたのはワンストップサービスを充実させるためには地元自治体の職員の人材育成をかなりやらなければならないこと。

今の時点では一関市や奥州市は県を仲介しながら、自分の守備範囲のことをやってれば何とか済むのでしょうけど、やはり自治体の力を相当引き上げないと研究者が必要とされるものはスムーズに解決しないでしょう。

終始リラックスした雰囲気で懇談は終了しました。
研究者はワールドワイドで仕事をされていて(当たり前ですが)ILCに関しては早く動き出すことを希望されておりましたし、北上高地が唯一の候補地であることも浸透されている様子でした。
posted by 飯沢ただし at 23:22| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月12日

SLAC視察〜50年の歴史から未来へ@

大変ご無沙汰をしておりました。
渡米から帰国後に閉会中の常任委員会、北海道への農業視察、敬老会、地区民運動会、矢継早に議会日程と視察と諸行事が続きブログの更新がままなりませんでした。
今日から通常モードで更新してまいります。
さて、予告をしておりましたSLAC視察の内容を本日からしてまいりたいと思います。

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今回の視察の目的はズバリ、SLACの辿った歴史を調査しつつ、現在も民間活用を積極的に行い(CERNが商用目的が許されない)、研究施設を現在も活用している様子を知ること。

今回の視察もCERN視察と同様にKEKの職員の方にお世話を頂きました。
SLACには鈴木さんがKEKから派遣され、SLACとシカゴのフェルミ研究所を頻繁に往復されているとお聞きしました。

SLACは、正式には SLAC National Accelerator Laboratory(SLAC国立加速器研究所)といい、1962年にスタンフォード大学によりカリフォルニア州メンローパークに設立された国立(連邦政府)の研究所になります。
電子の直線加速器によって高エネルギー物理学を中心とした実験を行っています。現在も合衆国のエネルギー省が所有し、同省との契約のもとスタンフォード大学が運営する形態をとっています。この直線加速器を活用して米国からノーベル賞の受賞者も輩出し、研究成果が世界の多くの研究者に触発を与え、我が国のKEK設立へのスプリングボードにもなりました。

地図にあるようにSLAC周辺は世界に名だたるシリコンバレーが取りまいています。

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SLAC視察の前にスタンフォード大学のキャンパスも視察させてもらいました。大学は夏休み中でしたが、オープンキャンパス開催中で多くの高校生が来ていました。

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広大なキャンパス、授業料も破格で年間日本円で400万円也とか、もちろん優秀な学生は優遇措置があります。

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KEKの鈴木さんと

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カリフォルニアに突如として屹立する古風な建築物はとても印象が強く残ります。

私がSLAC視察をする前日に茨城県の日立一高(スーパーサイエンス高校として認定されている)が視察をされたようで、海外サイエンスセミナーと称してここまでやっているとは驚きました。事前研修として学校と近い吉岡先生が手掛けたJ−PARKも見学しているようです。
このようにILCが実現すれば学校も多方面で触発されるということです。

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研究室棟で説明と意見交換をしましたが、新しい棟でとても快適そうでした。実は最近までトレーラーハウスを繋げた質素なものだったそうです。
また、研究所周辺にはスカンクがよく出没するとか。
posted by 飯沢ただし at 02:38| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月28日

ILC関連の国際会議が目白押し

昨日から一関市で開催された会議は、相次いで奥州市でも開催されるILCの装置や設備配置を検討する三つの国際研究者グループによるものだそうです。

9月4日から6日まで一関図書館で開かれる「MDI−CFS」と呼ばれるチームの会議では、今回私がSLACでお会いして意見交換をした研究者も複数来県するようです。昨年の候補地決定から1年を経過して、いよいよ角方面で動き出してきました。

SLAC視察では、Dr国際加速器のプロジェクトマネージャーとしてILC計画に携わっておられる Dr.Marc Ross氏にもSLACの歴史と現状、ILCへの期待についてご教示頂きました。

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追って視察の内容は報告してまいります。
posted by 飯沢ただし at 06:38| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月18日

今日からSLACを視察

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突然ですが、今日から約一週間の日程でKEKの吉岡先生のご配慮により、アメリカのカリフォルニア州、スタンフォード大キャンパス内にある直線加速器SLACを視察に行ってまいります。

SLACは1962年に開設し、50年を超える歴史をもっています。現在は民間活用もされて応用範囲が広く活用されています。ILCが研究目的を終了したらどうするのかというよくある問いに十分に応えられるものがSLACにはあると確信しての視察です。

施設見学のほかに若手の研究者とも懇談の機会がありますので、一昨年のCERN視察同様のILC誘致実現に向けた実のある視察にしたいと張り切っております。帰国後にこのブログで視察の報告をしますので楽しみにして下さい。
posted by 飯沢ただし at 03:19| 岩手 🌁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月29日

東北インターナショナルスクール(TIS)を視察

ILCが実現したら現地に必要不可欠なのが「インターナショナルスクール」。

そういった問題意識を持って東北で唯一の仙台市にある、学校法人南光学園が運営する東北インターナショナルスクール(TIS)へ常任委員会視察で行ってきました。

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南光学園は東北高等学校を経営していて、TISも学園のキャンパス内にあります。
副校長のニコラス・シャーマー氏と事務局長の櫻井亮太郎氏から説明を受けました。

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国際的な学校における終了資格としては、国際バカロレア(International Baccalaureate)が有名ですがTISではWASC(西アメリカ大学基準協会)の認定を得ており、高等科を卒業するとWASCで指定を受けた大学を受験することが可能となります。(国際バカロレアの認定を受けると終了すれば認定された大学の進学が自動的に可能となり、この認定を得ることはハードルが高いことが判ります。)

TISの児童生徒数は現在90名ほど。国籍も多彩。保護者の職業は大学関係者、パイロット、楽天やベガルタの関係者、エンジニアなど。

グローバル化の影響を受けて現在行っているサマースクールでは多くの日本人の入校希望者がいるそうです。

教師の応募はネット社会発展の恩恵で大勢来るそうなのですが、安定した質の確保にはご苦労をされているようです。

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インターナショナルスクールは英語を教える学校ではなく、英語を使って学習する学校。そういう意味においては学校の礎をなす基本思想が重要であること教えられました。ということはすなわち、一朝一夕では学校はできないということを意味しています。

国内にはインターナショナルスクールが数多くありますから、これから視察等を通じてより多くのケーススタディに触れて、理解を深めていきたいと考えています。
posted by 飯沢ただし at 01:40| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月29日

ILC岩手県民集会

ILC推進協が主催する「公開ILC講演会(岩手県民集会)」が26日に岩手県民会館で開催され、参加をしてきました。

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「岩手の未来をどう拓く」というテーマのもと
村山 斉(ひとし)氏、駒宮 幸男氏、山下 了(さとる)氏の3名の著名な研究者の方々による大相撲千秋楽三役揃い踏みに匹敵する贅沢な勉強会です。私にとって素粒子の世界への誘っていただいたのは村山氏、駒宮氏の著書からでした。

三氏の講演はそれぞれにタイムリーな話題と分かりやすさであらためて勉強させて頂きました。
特に山下氏の講演の聴講ははかれこれ5回以上になりますが、その都度内容がブラッシュアップされていて、多忙な時を過ごされているにも拘らず、内容が一度となく同じ内容でないことに驚きです。

その中で私が印象に残った言葉は駒宮氏から

「日本は今、おもてなしとアニメでも世界の注目を浴びているが、それらだけでは食っていけない!」

どこぞの首長さんが推進しているマンガ政策が頭をよぎりました。

ILCを軸にした国際里山文化広域圏

先の日本学術会議主催のフォーラムで東京大学の教授が提唱した表現のようで、後日その内容を調査したいと思っておりますが、まさに私が既存の一次産業の底上げを含んだ地域の底上げをILCと共に21世紀環境の世紀に相応しい国際文化科学研究都市の創設の考え方を言い表していると、ぐぐっとアドレナリンがこの言葉を聞いた瞬間にわいてきました。

ILCの実現に向けて山下氏からは地域づくりの提案をどんどん発信することが必要との提案があり、この課題認識は以前からも私も感じていることであり、県や市にも働きかけて市民レベルでのワークションプの開催等への実現を図っていきたいと思います。


講習会の後、場所を移して講師を交えた懇親会も開催されましたが、締めの発声の指名を受けた駒宮氏がいたく今回のイベントに感激されたようで笑顔が絶えなかったのが印象的でした。


すでにILCの国際設計チームは北上高地に合わせた設計を始めたとの報告もあり、我々は自信をもってプロジェクトの推進にまい進していかねばと気持ちを新たにした県民集会でした。
posted by 飯沢ただし at 01:14| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月25日

「CERN視察を通じてILCを考える」

一関商工会議所 大東運営協議会ではILC研究会を協議会内に立ち上げ、昨日設立セレモニーがありました。大東地域は日々実現の期待が高まるILCの観測地点の中心地だけに今後の活動が期待されます。

ILC研究会の委員長に、私の同級生の小原玉義 氏が就任しました。

ILC研究会には3つの勉強グループが設置され、
「加速器・素粒子」「建設・技術」「国際交流検討」の3つです。

私も、設立された研究会の3つの部会の内、建設・技術部会に所属することになりました。出来る限りの情報を提供して研究会の目的達成のために頑張りたいと思います。

「CERN(セルン)視察を通じてILCを考える」
の内容で新春講演会、1時間の講演を依頼されており、緊張のうちに発表をさせて頂きました。

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ILCが実現し、国際研究都市(地域)が形成されるにあたり「決して地域の人たちが背伸びする必要がないこと」「地域にあるものを磨くことが大事」ということをうまく伝えたかったのですが、はたしてどうだったでしょうか。

そして、明日は代表質問。もちろんILCについても提案を交えて質問致します。

テレビ放映はテレビ岩手で午後2時から放映開始。私の放映は午後3時ちょっと前位になりそうです。
ぜひご覧いただきたいと思います。
posted by 飯沢ただし at 00:00| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月21日

国会のILC議連でも動きが加速中

国家予算として初めて計上されたILC計画。
国会議員で構成されているILC推進議連でも動きが加速しているようです。

知り合いの国会議員関係者からの情報では、国内候補地が研究者によって決定されているにも関わらず脊振サイトでは異論があることに対して今月中に文科省のオブザーブの下に、研究者と専門家で建設的に内容を詰めることとされているようです。すでに決定されている北上サイトとしては蒸し返しのような作業に一見すると思えますが、議連としては研究者が決定したことを尊重することに対してブレてはおらず、早期に我が国のプロジェクトとしての基礎固めをしたいとの意思が感じられるとのことです。国内でグズグズしている問題は一刻も早くクリアにしておく必要を考えれば、これらの作業も避けて通れないのかもしれません。

また、議連だけでなく実務的に水面下で動いているようで、実現に向けた動きは予算の計上とともに針が動き出しているようです。

地元自治体としても、これらの情報を的確にとらえて、対応を確実に行う必要があります。
posted by 飯沢ただし at 23:55| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする