
【10月4日の岩手日報一面】
共創プロジェクトで進めようとしていた南昌みらい高校の体育館と矢巾町体育館と体育施設が共同利用するという計画は、県教委が断念することを表明したことで事実上破断となった。県教委と矢巾町が何度も協議を重ね、住民説明会をも開いたうえで両者の覚書まで締結したことで県議会の常任委員会も県議会も全会一致で可決された案件であった。
県議会文教委員である私は県教委の費用負担根拠に完全納得した訳ではなかったが、これまでの経過を踏まえて利用する高校生のために一日でも遅れさせてはいけないという思いが優先し、可決に賛成した経過がある。
それにしても、覚書まで締結し、工事着工寸前まできておいて矢巾町がゼロベースでの検討を申し入れたことは実に不可解である。両者で積み上げ精査を重ねたものは一体何だったのか。何故に考え方が一転してしまったのか県議会も含めた関係者に迷惑をかけた矢巾町は説明責任が必要ではないか。
これから工事請負契約の破棄に基づく支払い済みの設計費9800万円と建設業者への損害賠償も負担も当然、県教委が求めることに正当な根拠がある。仮に裁判をしても負けることはないと私は思料する。
県教委は新たに学校敷地内に新体育館を整備する考えも示した。しかし、新施設の完成には数年かかるとの見通しで生徒には影響が出ることは必至だ。
自治体同士が真摯に調整してきたものが、結果として水泡に帰してしまったことは誠に残念である。何より生徒に迷惑をかけたことは大人としての責任は重大であり、その責任は果たすべきである。

