ILCの動向に直接的に関係する標題の会議が6月23日〜27日までイタリアのヴェネツィア リド島で行われ、その会議の内容を所管課から入手したのでここにILCに関することを記し、私の意見も付しておきたい。
この会議は1月末にセルン訪問時に周知を受けており、次期欧州素粒子物理戦略に対する意見発表、意見交換を実施するため世界中の科学者が一堂に会する大規模なものである。
KEKの浅井機構長も意見発表しており、「ILCをはじめとする日本の大規模プロジェクトの実現に向けた現状と計画」と題したものであったようだ。中身についてはILCをグローバルプロジェクトとしての主導的な取組を実施、ILCテクノロジーネットワーク(ITN)では、国際的な協力に向けたオープンな議論が進行中との内容で、従前から行っているKEKの取組を概略的に発表したことにとどまり、ILC実現に関して踏み込んだ発言はなかったと私は資料を見て確認した。
我が国のILC実現への取組が停滞していることから、CERNの研究者からは「リニアコライダー@CERN」という具体的な提案が出てきている。CERNのリニアコライダー(LCF)Linea Collider Facility は最初70億〜90億CHF(スイスフラン)で実施できる。ITNなどの既存の国際共同研究開発を基盤として拡張し、高輝度LHC(HL−LHC)計画と並行して完成できる。
一方、LCFはFCC-eeに匹敵する詳細レベルにまで達するには準備段階が必要との意見もある。
特筆すべきはLCFに関してはILCの技術をそのまま引き継ぐのみならず、ILCでは250GevのエネルギーをLCFでは550Gevまで目指し、衝突点も二か所を想定するなど、概略的ではあるが、より踏み込んだものにまでなっていること。
どうやらこの会議の内容をみると、とりまとめでもILCというワードは出てこなくなっており、これからつけ入るには相当の巻き返しがないと困難ということが理解できるものとなっている。まことに残念ながら。
2025年08月06日
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