【日本経済新聞電子版 2025年7月23日 8:18 (2025年7月23日 12:57更新)】
トランプ米大統領は22日、日本と関税交渉で合意したと自身のSNSで発表した。日本政府によると米国に入る日本の自動車にかかる関税は計15%、相互関税も15%となる。日本企業の米国への投資を促すために5500億ドル(約80兆円)の出資・融資などの枠を設ける。コメは既存の輸入枠のなかで米国産の調達を増やす。
トランプ氏は投稿で「これまでの中で最も大きな合意だ」と述べた。トランプ政権は8月1日、日本からの輸入品にかける相互関税を10%から25%に上げる予定だった。15%に下げれば現在公表されている相互関税の新税率のなかでは最も低い水準だ。
22日時点では合意文書への署名はしていない。両国は今後、できるだけ早期に合意内容を発効させることを確認した。相互関税率の引き下げについては、8月1日に25%にならないよう日本政府は月内の対応を米国側に求めた。
赤沢亮正経済財政・再生相によると、新たな相互関税は既存税率が15%以上の製品には課されない。15%未満の製品は既存税率と合計で一律で15%になるという。
日本への自動車関税は25%が12.5%に引き下げられ、基本税率2.5%と合わせて計15%が課されることになる。数量制限は設けない。鉄鋼・アルミ製品の分野別関税は、現行の50%のまま据え置く。
農産品については、コメの輸入関税をゼロとするミニマムアクセス米の年77万トンの総量を変えないままで、枠内で米国からの調達を増やす。農産品を含めて日本の関税を引き下げることは合意内容に含まれていない。
日本企業の対米投資を促すため、政府系金融機関が最大で計5500億jの出資・融資・融資保証の枠を設ける。半導体、医薬品、鉄鋼、造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、人工知能(AI)、量子などの経済安全保障分野の投資を強化する。投資計画の名称は「ジャパン・インベストメント・アメリカ・イニシアティブ」とした。
日米交渉は平行線をたどってきた。日本は米国に巨額投資をする見返りに相互関税と、自動車関税の見直しを要求してきた。トランプ氏は自動車など日本市場の開放や貿易赤字の削減を求めてきた。
トランプ氏はホワイトハウスでの共和党議員との会合で、22日に「合意」したものとは別に、日本との間でアラスカ産の液化天然ガス(LNG)開発に向けた「合弁事業を立ち上げる計画だ」とも述べた。
急転直下で決まった印象だが、実はほぼ概略の合意は一か月前には決まっていたとの報道もある。
アメリカの狙いは関税交渉の中で80兆円の出資と融資を日本から引き出すことだったのではと思わせる節がある。コメの調達に関しても情報不足で今のところ量に関してどういう手順で進めようとしているのか不明だ。
当然今回の交渉ですべてが決定した訳ではなく、今後も何が足りないとか米国主導で貿易が推移し、わが国が縛られることは目に見えているのではないか。結局アメリカの手のひらで処されただけのような印象だ。
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