一般の方も聴講できる予想よりも大規模な講演会でした。岩手・宮城のILC推進の組織のメンバー、行政関係者、商工業団体など幅広く参加を呼び掛けたようです。

第一部は吉岡正和先生がファシリテーターとなった「ILC実現に向けて:地域産業の挑戦」東日本電気開発梶A葛゚藤設備、且ト田産業の3社の代表者の方々からそれぞれの分野でグリーンILCも含んだ精力的な取り組みが紹介されました。
第二部は東京大学素粒子物理国際センター 名誉教授 森 正則氏による「ILCでの『宇宙の始まりの研究』実現へ 研究者の挑戦」
欧州の大型加速器建設戦略(2015ー2030)に関する最新情報が今回耳をそばだてて聞くところでした。先月末にイタリアのベネツィアで開催されたキックオフミーティングがあり、ILCに関する情報に私たちは注目しているのですが、残念ながら我が国でのILC誘致の明確な意思表明が出ていないという状況から、ヒッグスファクトリーを探索する施設は短期的にCERNのLHCを強化する、長期的にはCERNに円周91kmのFCC-eeを建設するということが確認されたようです。
CERNを中心にした計画は1月末に訪問した時とは変化ないものでしたが、
今回はCERNにFCC-eeが建設・稼働する間に直線加速器を新たに建設することが以前よりも現実味を帯びてきた点に刮目でした。
ILCとは呼ばずに別の呼称をするようですが、実際はILCの技術をそっくり活用するものす。
そして、さらにILCは250Gevの電力を使用する設計になっていますが、さらに高いエネルギーにて実験するという想定までしているということです。
この件は後日ILC推進局から資料が送られてきますので詳細の確認をしたいと思いますが、具体的にエネルギーを上げるというところまで話が及んでいるとなると計画が進んでいることを指しており、日本への誘致は現時点では厳しくなっていると言わざるを得ないと感じました。
研究者間では日本が手を上げさえすれば、その時点で上記の案は立ち消えになるとの楽観論もないわけではないようですが、わが国の現在の慎重路線からすぐに抜け出せるとは思えず、さらに政治の混迷は深まる様相であることも相まって、環境の好転の可能性は厳しい状況です。
それにしても北上高地に建設することを想定したTDR(基本設計書)まで発表する地点まで到達しながら、こうした状況に下がってしまったことに落胆を禁じえません。機能しない国会議連の活動による国会議員のキーパーソン不在が大きいです。
残されている期待は極めて近々に我が国がホストをするという表明をする以外にないのですが、可能性はゼロではないので9回裏の逆転本塁打をかっ飛ばせるようにこれから我々はできることをすべてやる以外には道はありません。

