【NHK電子版 2024年10月11日 20時23分 】
スマートフォンを不適切に使用したとして騎乗停止の処分を受けていた藤田菜七子騎手についてJRA=日本中央競馬会は、11日付で藤田騎手の騎手免許を取り消し、現役引退を発表しました。
藤田騎手は去年4月ごろまで、JRAが禁止しているレース開催中の調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込んで通信を複数回行ったことがわかり、10日、騎乗停止の処分を受けました。
JRAによりますと藤田騎手は10日引退を届け出ていて、11日付で騎手免許を取り消し、現役を引退したと発表しました。
27歳の藤田騎手は2016年にJRAで16年ぶりに誕生した女性騎手で、2019年には日本人の女性騎手として初めてJRAの重賞を勝利するなど通算166勝をあげました。
今朝からメディアではこのニュースが飛び交っているが、JRA側の主張では以前の調査で外部通信は行っていなかったという藤田騎手の申告が虚偽であったとして騎乗停止の処分を行ったとのこと。これが真実ならば藤田側に弁解の余地はない。
しかしながら、突如として引退にまで発展したことに対して大きく波紋を広げている。
調整ルーム内のスマホ持ち込み事案は後を絶たず、競馬施行者として社会情勢に鑑みた実態把握や現場とのコミニケーションが図られていたのかどうか、実際この間の規制については他の公営競技からJRAは甘いという指摘も以前からあったし、内容が曖昧であったことは否めない。
競技の運営に公正を図ることは最優先とすることはその通りだが、若い人材をこのような形で追い込んでしまったのは後味が悪すぎる。
藤田菜七子騎手は競馬サークル出身ではなく、努力を積み重ねて技量を上げてきたことは多くの関係者が認めるところであり、その姿が後に続く女性騎手への相次ぐ誕生のきっかけになったことは間違いない。願わくば引退をするにしても多くのファンに祝福と労いの輪の中でさせてあげたかった。
そういえば荒尾競馬所属の岩永千明騎手も同じ事案が発端で引退を余儀なくされた。
胴元のJRAの対応があまりに役所的過ぎることも相まって、藤田騎手の引退は個人的にはとても残念である。
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