【日本経済新聞電子版 2024年9月19日 15:44 (2024年9月19日 18:11更新)】
兵庫県議会は19日、斎藤元彦知事に対する不信任決議を全会一致で可決した。斎藤氏がパワハラ疑惑などを内部告発された問題を巡り、「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」と断じた。
知事の不信任決議可決は5例目。斎藤氏は10日以内に辞職・失職するか議会を解散するかの選択を迫られる。
斎藤氏は議会閉会後、対応について記者団に「不信任を重く受け止め、しっかり考えたい」と述べた。「新しい時代に向けて取り組んできた。それを続けていくことが私の思い」と続投の意欲を重ねて示した。
不信任決議案は、前回知事選で斎藤氏を推薦した自民党、維新の会を含む全会派と無所属議員が連名で提出した。「来年度予算は新たに県民の信任を得た知事のもとで編成されるべきだ」との文言を盛り込んだ。
可決により、知事は10日以内に議会を解散しなければ失職する。辞職か失職を選ぶと50日以内に知事選となり、解散した場合は40日以内に県議選が実施される。改選後の議会で再び不信任案が可決されると、知事は失職する。
総務省によると、過去に都道府県議会で不信任決議が可決されたのは@岐阜県(1976年)A長野県(2002年)B徳島県(03年)C宮崎県(06年)――の4例のみ。岐阜、宮崎県の例は可決後に知事が辞職を選択。長野、徳島県の例は失職後に出直し選挙に出馬しており、議会解散を選んだ知事はいない。
不信任決議を議会が全会一致で可決というのは極めて異例なこと。
県議会議員全員が「あなたは知事として不適格」とされても知事が今の時点で辞職をしないというのも異例中の異例。(だから毎日全国ニュースに流れているのだが)
長野県の田中知事のように完全無党派で戦って知事職を得た(田中氏は失職した後の出直し選挙でも当選)のではなく維新の会の支援を中心に当選された斎藤知事は出直し選挙を打ってもなかなか厳しかろう。
現在、完全孤立している状態だからがゆえに、史上初の議会解散になるかもという憶測も立つのだろう。そういうことも予想した上での全会一致であるから議員はある程度覚悟はしているのかもしれない。
それにしても一番の被害を被っているのは県民。斉藤知事がどのような選択をするのか目を離せない。
【欄外】
本日のテレビ中継を見て、本会議が普通の会議室で行われていたので、どうしたのかと思ってネットで検索したら、本会議場が耐震検査によって安全ではないという結果が出て当面使用中止の模様。これはこれで大きな県政の課題でしょう。
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