兵庫県知事、叱責「当時の認識は合理的」 百条委で証言
【日本経済新聞電子版 2024年8月30日 5:00 (2024年8月30日 15:19更新) 】
兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などを内部告発された問題を巡り、兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)は30日、斎藤氏を公開で証人尋問した。厳しい叱責を受けたとされる県職員ら4人も出頭した。
これに先立ち、非公開で職員2人の証人尋問を実施。東播磨県民局長と兵庫県まちづくり技術センター理事長(前県土木部長)は報道陣と傍聴人の前で証言した。
東播磨県民局長は、視察先の入り口まで20メートル歩かされたとして斎藤氏から「『なぜこんなところに車止めを置いているのか』とかなり強い調子で怒鳴られた」と証言。業務に必要な範囲内だったと思うかと問われ「必要な範囲とは思わない。知事から謝罪やねぎらいの言葉はなく、理不尽な叱責を受けたと感じた」と答えた。
知事の側近だった片山安孝前副知事(7月に辞職)からこの件で聞き取りを受け、「あまりしゃべり過ぎるな」と言われたとも話した。
この件について、斎藤氏は「それなりに強く指摘をした。歩かされて怒ったのではなく、動線を確保していないことを注意した。当時の認識は合理的だった」と語った。
兵庫県まちづくり技術センター理事長は、尼崎市に2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の運搬拠点を新設するとの報道が出た際の様子を証言。斎藤氏が「こんな話聞いていない」と机をたたいたとされる疑惑について「事実」とした上で、「机をたたかれた経験がないのでびっくりした」と述べた。
23日の職員の証人尋問では、「知事が県幹部に文具を投げたのを目撃した」「知事レクなどの場で案件を『聞いていない』と叱責を受けたり、舌打ちされたりした」「深夜や休日にチャットで仕事の指示がくる」などの証言も出ている。
斎藤氏は深夜や休日の職員への連絡について「やや適切ではなかった面もあるかもしれない。(連絡した職員が)勝手知ったる仲ということで、少し甘えがあったかもしれない。反省している」と話した。
レクでの職員への接し方については「言い方が厳しく、不快な思いさせたことは反省しているし、謝りたい」と述べた。
百条委が実施した職員アンケートの中間報告では、伝聞を含め4割弱にあたる1750人が知事のパワハラについて見聞きしたとし、59人は直接目撃したと回答した。
斎藤氏はこれまで「県政をよりよくしたいという思いから厳しい叱責をすることはあるが、業務上必要な範囲内だった」と繰り返し述べている。百条委は職員の証言やアンケート結果をもとに、斎藤氏に事実関係などを問いただす。
他県で起きていることだが本県でもこの百条委員会の行方を興味深く見守っている方は少なからずいるのではないか。
本県の場合は知事ではないが、似たようなハラスメント事案を匿名で複数回報告を私も受け、県議会でも取り上げている。
書類を投げつけ「やりなおし〜」、「ブラックと言われてもいい」など数々の名言を残して現在は要職を去られている。あくまでも私の印象だが兵庫県どころではないハラスメントがあったと想像できる。しかしながら書類等の投げつけや「聞いてない」はあまりに行動が酷似しすぎて恐ろしさを感じる。
もし匿名でなく兵庫県のように氏名公表で表沙汰になっていたら本県でも百条委員会までは辿りつけたのではないかと思うが、一方で恩恵を頂いた職員もごく一部ではあるが存在したことは間違いないので、その点のリスク回避は巧妙である。
おそらくは仮に百条委員会を開催できたとしてもご本人は兵庫県知事と同様に正当性を主張するだけだろう。しかし百条委員会を開いただけでも後々に起こっている事柄(高すぎる疑惑の報酬問題等)を防げたのではと残念至極である。
2024年08月30日
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