先週の4月18日に岩手県南・宮城県北議員連盟(両県超党派による県境問題を中心に課題を研究する会)による次世代放射光施設「ナノテラス」視察と東北大学農学部にてナノテラス活用に関して研究内容を調査しました。
今月の9日から出資した企業や研究機関による利用が開始されたばかりで、まさにホットな視察タイミングでした。
💡放射光(ほうしゃこう、英語: Synchrotron Radiation)は、シンクロトロン放射による電磁波である。シンクロトロン放射による電磁波に限り放射光と呼ぶ。放射光は素粒子実験用の加速器にとって、エネルギー損失に過ぎないとみなされていた。この欠点を逆手にとって、積極的に物性研究に利用しようというのが、放射光研究のスタートだった。(Wiki より抜粋)
かつてKEKを視察した時にこのお話をされていたことを思い出しました。
「ナノテラス」は放射光を取り出すビームラインを活用し、物質の構造をナノ(10億分の1)レベルで測定が可能。製品の開発や機能向上など、新たな価値の創造が期待されるものです。
一般財団法人 光科学イノベーションセンターの高田昌樹理事長からナノテラスに関して説明を受けた要点は
・企業や学術研究開発での放射光の有用性は世界中で認知され、業界・分野の学術が集まるイノベーションの場。世界中で放射光施設を競って建設(50ヶ所)
・日本では兵庫県のSPring-8/SCALA等の施設が、基礎科学だけでなく産業技術の開発を支援(エコタイヤ、インフルエンザ治療薬など)
・ここでいう次世代とは、光源となるなる電子ビームが細い(輝度がSPring-8の最大100倍以上向上)
・分野を問わない可視化が可能となる(電子デバイス、電池、磁気デバイス、医療、水・環境、食品・畜産・農・漁業など)
注目すべきは活用・運用面において課題解決を目指す施設利用システム「コアリション・システム」が作られたこと。コアリションとは企業・学術・放射光のプロがそれぞれの専門に専念する活用法を意味し、民間企業(150社以上)からメンバーが参加してしています。そして光科学イノベーションセンター(宮城県・仙台市・東北経済連合会)はその活動を側面から支援します。
イノベーションには人材育成・獲得も含まれており、このナノテラスの働きは総合的に人脈形成にも大きな影響を得ることが期待されます。
視察の後に意見交換会も持たれて高田理事長が「これからの人材育成のために今何ができるのか。今を生きている我々がとことん各々の分野で追求をしていかねばならない。」との強い決意を述べられ、痛く感動しました。
この感動はILCの実現へと我々も努力していかねばならないと決意を新たにしました。
2024年04月22日
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