今回の講師は岩手県立大学 学長の 鈴木厚人先生
演題は「国際リニアコライダーの概要と最近の動向」
岩手県議会から26名、宮城県議会から16名、仙台市議会からも5名の参加を頂きました。盛岡市議会からも確認していませんが何名か参加を頂いたようです。岩手県国際リニアコライダー推進協議会、ILC実現建設地域期成同盟会の関係団体かも出席がありました。
厚人先生からは何度も講演を頂いてきましたが、今回の概要についてはさらに理解が浸透しやすい内容になっており、研究者の方々の底知れぬ探求心には毎回舌を巻きます。凡人ならば一度レジメを完成させてしまえば手も入れずずっと使いまわすところです。
今回、特に目を引いた箇所は
💡1)ILC技術開発の現状の間違った見解が流布し支援・推薦に支障をきたしている
@「一部の研究者がILC技術開発がまだ未熟であることを文科省に説明し、これら研究者+文科省が他省庁やILC推進国会議連に説明してきたことによるもの」
A「日本、欧米各国で製造される装置を組み込んでILCを建設するには、各国での単位系の相違を克服しなければばらず、その試験をする必要がある」
この一件は私も実際に某国会議員からクライモジュールに関してセンチとインチの違いを擦り合わせなければならないなどという発言を耳にしたことがあり、事の重大さを実感した経験があります。これは本当に酷い😠
科学者たる者がウエブにも公表されている実証済みの結果を調査もせずに身勝手な振る舞いをしていることに理解に苦しみます。これまで実証実験等をリードし、研究成果を積み重ねてきた厚人先生の心の内はいかほどかとお察し致す次第です。
💡2)ILC in Japan に対する交際研究者集団の信頼が薄らいでいる
「有識者会議報告要旨」(2022年2月14日)とその見解
@「ILC準備研究所段階への移行は、時期早尚」
A「ILC計画の今後を見通しを明確にするような進展は見られない」
B「立地問題をいったん切り離して、技術課題等を段階的に研究開発を展開すべき」
この見解が示されてからICFAや米国スノーマス国際会議、リニアコライダー国際会議でも日本立地への期待感が示されなくなってきたとのこと。
しかしながら、厚人先生の見解は中国の計画や2050年代の欧米構想へ期待する状況だが、ILCの技術的優位性は変わらない。国内外の2020年代初頭までのILCに日本誘致の勢いを取り戻せば世界は戻ってくる。と結ばれました。
而して我々はこうした状況を冷静にとらえて今年はガンガンとモリモリと活動を再稼働する必要があります。
講演後の意見交換会の席では宮城県の守屋守武代表補佐と山形県議会も巻き込んで大いに活動を重複化、活発化しようということで意見が一致しました。2024年はガッツリと活動する意思を固め機会となるILC講演会@盛岡となりました。
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