カルビー「ポテトチップス」原料のジャガイモ、宮城で生産拡大中
【河北新報電子版 2024年1月28日 6:00】
カルビーの定番スナック菓子「ポテトチップス」の原料となるジャガイモの生産量が宮城県内で増えている。2023年度の作付面積は計92・7ヘクタールで、県内で契約栽培が始まった02年度(1・0ヘクタール)の約90倍に上った。他産地との収穫時期の違いが重宝され、産地の分散化を進めるカルビーと主食用米からの転作を促す県の方針も一致する。
23年度は12団体13個人が生産し、面積は東松島市が37・2ヘクタールで最大。登米市19・5ヘクタール、美里町16・9ヘクタールと続いた。
ポテト社はジャガイモの8割を北海道から調達し、残りの大半を九州、関東から賄う。ポテト社が宮城に着目するのは7月中旬〜8月中旬にピークを迎える収穫時期。九州(5月上旬〜7月下旬)、関東(6月上旬〜8月上旬)、北海道(8月下旬〜10月下旬)の空白期を埋める役割を担う。
宮城県が21年3月に策定した「みやぎ園芸特産振興プラン」は、水稲からの転作を促す重点品目の一つとしてジャガイモを推す。県園芸推進課によると、10アール当たりの所得は1万1000円の水稲に比べ、ジャガイモは4万9000円で収益性が高い。
県は本年度、ポテト社向けのジャガイモを作る農家らを対象とした独自の表彰制度を創設。優良な生産者に県知事賞を贈るなど、増産に向け、全面的にポテト社を支援する姿勢を打ち出した。25年度中に500ヘクタールまで増やす計画を立てる。
ポテト社はここ数年、気候変動による不作のリスクを分散するため、全国各地にジャガイモ産地を広げている。作付けを増やす重点地域の一つに東北が位置付けられ、23年度は山形を除く5県で計53戸が生産。うち5割近くが集中する宮城で今後、作付面積も生産者も増える可能性が高い。
この記事は本日の河北新報の朝刊一面。
宮城県では水稲からの転作をリアルに戦略的に動いている証拠。国の水活に代表されるような人口減が要因とする既存の農業予算の縮減の対応策を求めるのも大事だが現実的に将来を見越して動き出すことはもっと価値がある。それならば県予算も生きる金となる。
民間企業へのアプローチは他県の方が先んじている。岩手ではホップの地域特定栽培契約くらしか思い浮かばない。そこにとどまっていては前進はありえない。
2024年01月28日
この記事へのコメント
コメントを書く