先週閉会中の委員会が開かれ、私が所属しているデジタル社会・新産業創出特別委員会では仙台市のITベンチャー企業「MAKOTO Prime」の竹井智宏代表取締役から生成人口知能(AI)の可能性について講演する機会を得ました。
私はお話を聞くまで漠然としたイメージでAIを捉えていましたが、具体的な活用方法(文章作成アシスタント、事業や企画のアイデア出し、相手先に呼応したメール返信、英文作成など)を事例を出して説明頂き、ツールとしての有効性を認識することが出来ました。
定型的な雑務に時間を取られていた総務関係のアシストには大きな効果があるでしょう。
こうした便利なツールがこれからも加速的に普及していくことは必須であり、AIの利用はごく普通になっていくものと考えられます。
一方、定型的な作業は生産性が飛躍的に向上するとしても、人間の独自性を育てていくという観点ではよほど気をつけて利用しなければならないと感じました。便利の裏側には危険が必ず潜みます。これから学校教育の過程でもAIの活用について学習する機会は増えていくと推察しますが、肝心の人材の育成が薄っぺらいものになってしまっては本末転倒です。
社会のニーズが多様化する昨今ただでさえ我が国の教育システムの陳腐化を私は強く感じていますが、こうしたAIをコントロールしつつ創造的な発想や対人関係を重視する人材が養成されるのかどうか、講演を拝聴して大きな課題だと痛感しました。
翌日社内のラジオでたまたまAIの話題があり、ドイツの車メーカーではAIを標準装備にする考えだとか。近くのお勧めのレストランはどこかなど音声によってナビをしたりする機能を付するそうです。
講演の中でも紹介された伊藤園のCMが生成AIによってつくられたことにもラジオ番組で言及されていました。高額なタレントを起用するコストを下げられる、タレントが不祥事を起こしてCMに損害を受けるリスクがないとのメリットがある一方、多くの企業が利用すると購買者へのインパクトは弱くなるとのデメリットも生ずるとの分析もありました。
結局、AIをどのように活用するかは人間の能力次第なので、デジタル化とアナログ(あえて無駄をつくる)を合わせた人材の育成策を講じる必要がありそうです。いやはや便利になるということは別の課題も浮上してくるということです。
2024年01月15日
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