米WD、キオクシアとの統合交渉打ち切り 条件整わず
【日本経済新聞電子版 2023年10月26日 23:15 】
WDが26日までにキオクシアなどに打ち切りを通知した。キオクシアに間接出資している韓国SKハイニックスの同意が得られず、キオクシア筆頭株主で米投資ファンドのベインキャピタルとも統合を巡る条件で折り合えなかった。
WDとキオクシアが手がける半導体メモリーは市況が悪化して両社とも収益が落ち込んでいる。両社はそれぞれ単独での資金調達など立て直しに取り組む。
NAND型フラッシュメモリーの世界シェアでキオクシアは3位、WDは4位。統合すると首位の韓国サムスン電子に並ぶ規模となる。規模の拡大で収益を確保し成長につなげる狙いだった。
キオクシアとWDは三重県や岩手県などにある製造拠点への投資を折半するなど、半導体メモリーの開発と製造で協業している。統合が白紙になっても連携は続けていく見通しだ。
キオクシアはベインが東芝から買収した半導体メモリー事業が前身。SKは買収会社に4000億円規模を拠出している。SKの半導体メモリーのシェアはサムスンに次ぐ2位。WDとキオクシアの統合で存在感が低下することや、間接出資で将来の提携を模索していたキオクシアが他社と統合することへの危機感があった。 SKは26日には統合に同意していないと公式に表明していた 。
本日の決算特別委員会商工労働観光部の審査で当初はWDとキオクシア社の提携について質問する予定であったが、事態は急転。質問は今後の半導体市況やキオクシア社の将来展望を中心に切り替えることとする。
それにしても半導体の世界は初期投資が巨大だし、振り幅が大きすぎて巨眼を有していないとついていけない世界だ。
2023年10月30日
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