農福連携、千葉や大分で拡大 担い手確保とやりがい両立
【日本経済新聞電子版 2023年4月14日 21:00 (2023年4月15日 5:14更新) 】
障害者の農業分野での活躍を促す「農福連携」が広がっている。2021年度に全国で連携に取り組んだ障害者就労施設と農業者の合計は20年度より23.2%増えた。障害者の社会参加を後押しすると同時に、農業の担い手不足にも応えるウィンウィンの取り組みとして、自治体などの支援も活発になっている。
NPO法人の千葉県障害者就労事業振興センター(千葉市)は県などと連携して、「農サポ」と銘打った支援策を展開する。農業に関心を持つ施設に専門人材を派遣。個人の特性などに応じて農作業を振り分けたり、作業内容を説明したりする。働き手を求める生産者との間も取り持つ。期間限定の「お試しノウフク」も始めたほか、連携の成果である農産物などを販売するマルシェも開く。緒方ともみセンター長は「成果が見えやすい農業は障害者のやりがいにもつながる」と手応えを感じている。
連携は農業の担い手不足対策にも貢献する。千葉県いすみ市では長年、食用の菜花を栽培していた牧場が高齢化や人手不足で撤退。社会福祉法人の土穂会(同)が19年に農場などを引き継いだ。
菜花は千葉県の特産品だが、収穫に手間がかかることもあって栽培農家は減少傾向。同事業所の栽培量はJAいすみを通じた流通量の半分近くにまで増えた。障害者の平均工賃(賃金)も一般就労が難しい人が通う就労継続支援B型の作業所としては高い月額2万円程度に達する。
2位の大分県も連携推進に向けたアドバイザーを配置し、障害者就労施設などの相談に乗る。「収穫作業で人手がほしい」といった農家の要望を集約し、施設に作業を依頼する仕組みも整える。
同県日田市のシンシアリーは耕作放棄地を活用して障害者らが酒米を作っており、日本酒の製造にも取り組む。代表の平川加奈江さんは「地域の酒としてブランド化することで、障害者の工賃も高めたい」と意気込む。
3位の栃木県にある社会福祉法人パステル(小山市)は、かつて地域で盛んだった養蚕業に着目。蚕のエサとして栽培されていた桑の木を再生し、収穫した桑を使ったパンやうどんを販売する。
障害者就農に詳しい東海大学の浜田健司教授は「農福連携をさらに進めるには障害特性に応じて作業を細分化するといった対応が重要」と指摘。「認知度をさらに高めるためにも、地域全体に波及する成功事例を増やす必要がある」と話している。
農福連携取り組み主体数の増減率順位(2021年度、前年度比)で本県は全国で30位(19.8%増)の取り組みと結果が出ている。達増県政の特徴である、とりあえずやってみるが、集中的取り組みがなされないので結果が中途半端という結果になっている。県庁では部局横断とよくことばには出るが具体的に何をどのように取り組んでいるのか、さっぱり見える化されていない。
農業県である秋田(4位 50.0%増)、福島(8位 38.8%増)、山形(12位 32.8%増)の伸び率が顕著なのはしっかり行政がバックアップがされているからではと推察される。これはしっかり調査する必要があるので早速と取り掛かろう。
2023年04月15日
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