クリスマス季節前は現在もサラリーマン時代もとにかく忙しいことしか頭に浮かびません。
今回の記事も私の備忘録ですので、関心のない方はスルーされて下さい。
先日上京した折に三井倉庫時代(かれこれ35年も前)の先輩と同僚と会食したばかりということもあり、またフォーマン時代を思い出してしまいました。確かに年末を控えて忙しかったけれど、英国の上級船員がいる船にはクリスマスはやはり特別で船内の厨房からいい匂いが漂ってくるのでした。夜勤のシフトの時には気の利いたウオッチマンさんがこっそりと料理を調達してくれたこともありました。
私の担当船会社はこのブログで何度も登場しているUASC(United Arab Shipping Co.,)の在来船。プラント輸出が末期の頃で私の退職後にはほとんどプラント輸出がなくなりコンテナ船へと振り替わりました。
上の写真はUASCのKクラスという本船で、上が前期でスコットランドのGOVAN造船所製造、下が韓国のHYUNDAI造船所製造です。ジブクレーンが韓国製は改良されて機能的になりました。アラビアンガルフ向けプラント輸出が盛んになった頃にシュタルケンと呼ばれる重量物を吊れる大型デリックを備えた本船が必要となりました。Kクラスのシュタルケンは105tまで可能です。このシュタルケンを備えるために通常のデリックを備えることになり、これが実に荷役の機能性を落とすことになっていました。3番ハッチの荷役は艫の一基のクレーンしか対応できず大変苦労した記憶が残っています。けんか巻のデリックを使えないことはないのですが揚力が2.5tと低く、本船クルーもセットすることを好みませんでした。
ところが、同じ時期にガルフ向けに作られたP&O社の本船、Starath E,Fシリーズは実にかゆいところに手が届く設計の妙を得ています。
こちらのシュタルケンは何と揚力300t。さらにデリックを備える代わりに両サイドの支柱に5tのクレーンが各々2機づつ配置されています。このクレーンは実に機能的を発揮して荷役を活性化したことと推察します。Eクラスはポーランドのグダニスク造船所、Fクラスは三菱造船所と藤岡さんから聞きました。
私はFクラスに2〜3度しか乗船経験がなかったので記憶が定かではないですが、ジブクレーンの機能速度はKクラスの方が早かったと思います。
担当していた藤岡さんがいつもお話していたようにこうして写真で見てもStarath E,Fシリーズは船体が実に美しい。
コンテナ船は主流になった現在はこうした船体美を比較して楽しむこともなくなったと思います。
2022年12月21日
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