【日本経済新聞電子版 2022年12月20日 14:00 】
政府は新型コロナウイルス対策で国が地方自治体に配る「地方創生臨時交付金」を巡り、2023年度末までに全自治体に事業内容と効果を公表するよう求める方針だ。過大な予算計上や不適切な使途を問題視する声が上がっており、事業の透明性を高める。使い道を検証できるようにして予算の効率的な執行につなげる。
地方創生臨時交付金はコロナ禍で影響を受けた地域経済や住民生活を支援するため、政府が20年4月に創設した。22年度までに計約17兆円を計上。うち約5兆円が「地方単独事業分」で、コロナ対応であれば、使途は原則自由となっている。内閣府が自治体の計画をチェックし、総務省が交付している。
内閣府によると、交付金で事業を実施する全国1788の自治体のうち、22年5月時点で内容を公表したのは952と約半数にとどまる。効果については693とさらに少ない。内閣府は制度の創設当初から実施状況や効果の公表を求めてきたが、進捗は鈍い。
会計検査院は22年10月の交付金に関する報告で、資金が使われないまま放置されたケースを含む不適切な活用が、抽出調査した事業で計約7億3000万円あったと指摘した。公的施設の水道料金減免や、発行済みの商品券が使用期限を過ぎても業務委託先に滞留している事例があった。
予算の適正支出の観点で、「23年度末まで」と期限を明示して全自治体による公表を目標として打ち出すことにした。各自治体による事業の効果分析や制度自体の検証も進める。
政府の要請に従わなくても罰則はない。地方財政に詳しい大阪大の赤井伸郎教授は交付金に関して「使途にほぼルールがないからこそ、自治体には説明責任がある」と話す。「透明性を持って事業展開している自治体ほど効果的に使っており、実施状況の公表は賢い予算執行の第一歩だ」と評価する。
地方創生臨時交付金の不適切な活用については、発行済みの商品券の滞留などが本県の場合、可能性としてはあろうか?
交付金の活用に関して適正、不適正が問われることが最優先で問われるものだが、その施策のタイミングや実効性によって自治体の実力が露見するものと思料する。事業内容と効果の公表についてはお手盛りの評価ではなく、第三者機関での調査を希望したいものだ。議会も決算審議においてしっかりと調査する必要がある。この作業をしっかり行うことは行政にとってとても意味のあることだと思う。
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