【日本経済新聞電子版 2022年9月27日 10:00 (2022年9月27日 15:38更新)】
政府は27日、安倍晋三元首相の国葬を日本武道館(東京都千代田区)で開いた。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏以来55年ぶりで、戦後2例目となる。国葬に先立ち同日午前9時半からは会場近くの九段坂公園で一般献花が始まった。
国葬は午後2時すぎから始まった。国会議員ら3600人、海外からは210を超える国・地域と国際機関の代表ら700人、あわせて4300人ほどが参列する見通しだ。
岸田文雄首相は追悼の辞で安倍氏の死を「まだまだ長く生きてもらわなければならない人だった。痛恨の極みだ」と悼んだ。安倍氏の外交戦略について「重層的な外交は世界のどの地域とも良好な関係を築いた」と評価した。「あなたが敷いた土台の上に持続的で全ての人が輝く包摂的な日本をつくっていくことを誓う」と述べた。
菅義偉前首相は友人代表として追悼の辞を読み「悲しみと怒りを交互に感じながらこの日を迎えた」と話した。菅氏は「安倍総理、あなたは日本にとって真のリーダーだった」と語りかけた。官房長官として安倍氏を支えた日々を振り返り「首相官邸でともに過ごし、あらゆる苦楽をともにした7年8カ月は本当に幸せだった」と振り返った。
天皇、皇后両陛下が送った使者による拝礼に続き、皇族が供花された。
1390人ほどの自衛隊員が参加し儀仗や弔意を示すための空砲「弔砲」を19発撃つ。音楽隊による「奏楽」を実施する。
政府は会場の設営費などでおよそ2億5千万円の国費の支出を閣議決定した。警備や外国要人の接遇にかかる費用などを含めると、国葬にかかる総額は16億6千万円程度と見込む。
国葬への賛否は割れた。日本経済新聞社の9月の世論調査では賛成が33%、反対が60%だった。
野党の対応は分かれた。立憲民主党は国葬の法的根拠が不明確などと批判し、執行役員は欠席する。共産党、れいわ新選組、社民党は党として参列しない。日本維新の会や国民民主党などは出席する方針だ。
今日は昼間に用務がありライブで国葬を見れなかったが、夜のテレビ番組で一部様子と菅元首相の弔辞はノーカットで見ることができた。二人で長い間国政を主導しててきた苦労と二人の信頼の絆を知り得ることができた。実に感動的な弔辞だった。
人それぞれに安倍元総理の評価は異なり、また国葬決定に至る経緯にも賛否がある中で開催されたが、いずれにせよ海外から多くの弔問者が参列する中で無事に終わったことは何よりだったと思う。
一般献花をされる人の中に多くの若い人たちを画面から確認することができた。親子連れで列に並んでいた方がインタビューを受けていたが、子どもがぜひに参列したいというので参加したという声が印象的であった。
一方反対を主張する団体行動も全国各地であったと報道された、いわゆる安保関連法成立を主導したことや、モリカケ桜事案に対する不信感が原因とされるのだろう。主張がそれぞれあるのは否定しないし、表現も自由であっていいと思うのだが国葬が厳粛に行われる中にシュプレヒコールは如何かと私は思う。
法的根拠になった内閣府設置法の解釈も割れている。あいまいな法整備を可決したのは国会の責任。今後の国会で論点となろうが建設的な議論にすべきだ。
成蹊学園でもお別れの会を企画していると聞く。参加が可能であれば私はぜひ参加してお別れをしたい。
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