先日2日(火)に行われた閉会中の総務員委員会において当局から岩手県庁舎の現状について報告があった。
この報告は達増知事が4月の定例記者会見で知事最長4期目のカタチとして残さねばならないという趣旨の発言に関連して突然に方針を打ち出したものが発端だ。
県執行部の事務方は建て替えについては慎重の域を越えてなく、今回の報告も耐震検査のために必要な予算を9月議会に提出したいために議会に対する前振り説明だと言っていい。
定例記者会見より少し前に達増知事は実はこんな発言をしている。
県庁建て替え「準備着手」 知事、本年度内意向示す
達増知事は4月16日、盛岡市内で開いた自身の後援会の会合で、同市内丸の県庁舎について「建て替えの準備に本年度中に着手しようと考えている」と述べた。具体的な計画に関しては「これから」と説明した。現庁舎は築50年以上が経過し老朽化が顕著な一方で、建て替えに必要な巨額の財源確保が課題となっている。
達増知事は、県庁舎の建て替えについて「4期も知事をさせていただいている。そのくらいのことは任期中にしなくてはならないと覚悟している」と語った。会合後、岩手日報社の取材に対し「建て替えはしなくてはならないこと。準備の着手で、具体的にはこれからだ」と答えた。
【2022.04.17 岩手日報電子版】
6月議会の一般質問の答弁で建て替えをすると知事は断言することを避け、事務方に手続き論だけ言わせて質問をかわしていた。
この記事に明確に「建て替え」について明言しており、慎重な事務方とは方向性が異なる。
事務方は先の常任委員会の説明でも狭隘なスペースを解消するには17階建てが必要となると言ってみたり、仮に建て替えとなった場合の概算もいまだに示されないのは「建て替え」についてはかなり消極的ではないかと思料される。
「建て替え」と明言した以上、知事の発言の責任は重いものがある。後援会の会合は私的なものと言って、そうならなかった時には知事は最後はスタコラサッサと逃げることが十分に予想されるが、あっちとこっちで都合のいい話を言うならば信用がなくなるのは世の習い。県政トップの信用に関わる問題なのだ。
しかし、執行部もDXの取組について財政課の執務環境を劇的に変えて仕事の取組み方を4月から変えましたと説明した後に、現在の狭隘な執務環境を整えるは17階のビルが必要と説明したのはまったく筋が悪すぎる。同じ総務部でも情報交換していないのが明白になった。こうした状況を見ても知事の県庁建て替えの話に振り回されているとしか見えない。
総務部長は多角的に検討しますと締めくくったが、建て替えにしても内部改装にしても巨額な予算が必要となり、このような問題を長期計画にも記載しなかったのはまったくもって理解に苦しむ。
2022年08月04日
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