
【2022年7月29日 岩手日報第一面】
いつかは発表すると思っていたローカル線の区間別収支をJR東日本がついに発表に踏み切った。
輸送密度2000人未満(一日1キロ当たりの利用者を示す平均通過人数)が発表の対象で、併せて収支と「営業係数」(100円の費用を得るために必要な費用)も示された。
本県では大船渡線、釜石線、北上線、八戸線、花輪線、山田線が対象となった。
大船渡線は郵送密度が754人、収支は▲15億7500万円、営業係数は912円。
発表された東北地方の他の路線と比較すると輸送密度は中程度、収支▲は中の下、営業係数は下位といったところ。
JR東日本は赤字路線だから即廃線ではないと言っているが、この発表を機にBRTなどの代替輸送に振り替え可能なところは誘導していくつもりだろう。地元自治体は大反対であろうが、急激な人口減がそれを許すかどうか、JR側が路線維持費の一部負担を求めることも十分に予想され、今後の議論の接点に関して困難を極めることは必至。
そもそも新幹線が開通する以前、国鉄時代から旅客部門は輸送部門に比べて採算性が低く、東北本線などでは貨物列車のダイヤを優先していたくらいだから保線区の費用は相当のものがあると想像できる。
タフな交渉が今後展開されるのは必然だが、県がどのように関わるか、まさか当該自治体に丸投げすることは許されないはずだが、過去に山田線(宮古〜釜石間)を三陸鉄道に譲渡されたときの県の超アッサリとした対応は記憶に新しいところでもあり、しっかりとした対策室でも設置して事前準備を今から進めていく必要がある。
ILCが実現の運びとなれば、大船渡線は必要不可欠な鉄道路線となるので、その青写真も県は描く必要があるはずなのだが。

上の写真はJR摺沢駅の1番線ホーム。かつて通勤通学列車はホームの先端を追い越すほどの車両があり、多くの乗客が駅を賑わしたものだった。私のかつての自宅はこの付近にあり、私は小心者で果たせなかったが、弟は改札口を通過しないでこの階段から朝の列車に飛び乗った👀と本人が言っていた。
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