当選の喜びと落選の悔しさ、どちらも経験しました。私は国政政党の陣笠には入っていないので、良識の府たる参議院の選挙には人物本位、政策本位で自らの判断で応援しています。
この間一番に印象に残っている参議院選挙は、実は議員になる直前の平成10年の参議院選挙です。椎名素夫氏が政党推薦を受けずに無所属で戦ったご自身の最期の選挙でもありました。

大東後援会の方々に誘われて、雨の県庁前の街頭演説会にも行きましたし、東磐井遊説のお手伝いもちょっとだけさせて頂きました。
平成7年の父親の県議選、知事選の時の雰囲気とはまるで真逆の雰囲気で、締め付けのない自由で民主的な選挙風景に驚きと感動をしました。後に椎名先生が「あの時の選挙は愉快だったね〜」と椎名先生らしい表現で語ったことを今でもよく憶えています。
議員になってからは椎名先生からはいろいろなご指導を頂きました。ILCは代表的な政策課題の一つです。
「飯沢君は若いからこの本を読んで勉強しておくといいよ。」が始まりでした。宇宙のビッグバンの本でした。
押しつけや決めつけなど絶対になく、常に自分で考え行動を促す貴重な助言ばかりでした。
「椎名は政治家ではなく、評論家だ」と小沢一郎氏を支援している地方議員が言っているのを耳にしたことがあります。
政界再編に力を入れた小沢氏と思慮深く豊かな人脈を通じて世界の安定に貢献された椎名氏は両極にあり、支持層も見事に二極化していました。お二人が後世に何を残したのかは歴史がしっかりと証明してくれると思います。
参議院外務委員会での椎名先生の質問風景を思い出しました。内容は明確ではありませんが、外務官僚が耳をそばだてて聞いていました。行政マンに示唆を与えるこんな議員を目指したいと今でも目標にしています。
椎名先生のイメージがあまりにも私の中では強烈ですが、こうした私の思いを繫げる政治家もしっかりとつくっていかねばなりません。
政治家は権力者に批判をすることも必要ですが、この国難とも言える時期には国会議員としての重要な務め、すなわち立法するという活動はとても重要です。今の野党には国民の期待は薄く(立憲民主党の支持率は5%前半)六年間解散のない参議院議員こそ立法活動に専念できる環境にあり、それに最も適した人材を国会に送ることが求められると思います。
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