2022年03月30日

見直しか中止か

先週の25日に閉会した2月定例会。執行部が提案した議案はすべて可決されました。

令和4年度予算については、付帯意見もめぐって経過はありましたが、「いわて県民クラブ」が主張していた人口減少対策について若年女性の県外流出に歯止めをかけるため、働く女性が抱える困難などの課題を的確に把握した上で、生み育て環境の整備を図るほか、中期的な戦略的施策を講じること。が全面的に採用されました。

来年度は岩手県民計画の第二期アクションプランの策定時期にも当たりますので、執行当局はこの付帯意見をしっかりと受け止めてほしいです。


さて、最終本会議の賛否が分かれたのは2つの請願に関わるものでしたが、そのうちの一つが「水田活用の直接支払い交付金の見直し」をめぐってのものでした。これに関して

1)農協中央会と土地連の両会長名で出された請願は、制度設計の改良を国に要請するもの
2)農民運動岩手県連合会から出された請願は、見直しはおこなわず中止を国に要請するもの

の二本の請願が提出されていました。

正直なところ、この「見直し」の政府のアナウンスには唐突感が否めず、来年度を控えて一方的な単価の引き下げに生産現場から悲鳴があがったのは無理のない状況でした。

しかしながら、1)の農業団体が即刻中止を求めなかったのは過去の減反政策等の制度変更に関しては抵抗してみたものの結局は押し切られた経緯や米消費が年々落ち込んでいる中に強気になれない背景や後々に足らざる支援策を求めたほうが実利に合うとの判断があったと推察するものです。

中止を支持した会派や議員はそもそも現政府が進めている農業施策に対して否定的な考えを持っていて、今議会では一般質問から予算特別委員会でも熱心に議論を展開していました。そこには夏の闘いに向けた政治的なアピールの意味合いも含まれていたと思います。


本会議では1)の請願が多数を占めて、請願書に記載された内容で意見書が送付されることになりました。


新聞等では詳しく報道されませんでしたが、実は請願審査を付託された農林水産委会では2)の「中止」を求める委員が過半数を占めて「中止」の意見書が作られ可決されたのでした。ところが、1)の意見書を一部採択して「中止」の文面に盛り込むという不可思議な体裁の意見書が出てきてしまうということが起きました。まったく趣旨の違う標題の請願の二つをご都合でこのような扱いをしたのは聞いたことがありません。

結局、本会議では逆の結果となり農林水産委員会で成立した意見書は表に出ない結果になりました。委員会で1)の趣旨を無理くり差し込んだ理由は、農業団体から出された請願も無下には扱えないとクリンチ作戦に出たと推察しますが、この間の議論を聞いていた農林水産部の幹部職員はどういう感想であったか後から聞いてみたいと思います。

いずれにせよ、現場の混乱はいまだにおさまっていませんので、必要な支援、すなわち具体的には牧草に対する支援等は必要不可欠であり、営農組合の経営に大きな影響を与えることから、しっかりと現場の声を聞き留めて動いていきたいと思います。
posted by 飯沢ただし at 17:38| 岩手 ☀| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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