群馬県知事は以前参議院議員であった山本一太氏。自民党の顔から一転して地方自治に参画を決断したのは
「このままのやり方だと群馬県は時代の流れから取り残され、間違いなく衰退の道を辿る」という危機感からとご本人がおっしゃっています。
デジタル化については優先順位を高く掲げて3年以内に全国の上位になるという強い知事の意気込みがあります。それは群馬県県庁内のみならず民間も包含した戦略的アプローチです。
【知事自身に戦略がなければ設置があり得ない部。本県では考えられない】
【群馬県庁には戦略の文字があちこちに躍動する】
先ずは県庁内に民間から招聘した人材をCDO(Chief DX Officer)に据え、庁内の意識改革を進め、知事を本部長としたDX推進本部を設置し、現在はCDOの方をDX推進監という役職につけて推進を図っています。
「ぐんまDX加速化プログラム」を策定し、3年間で日本最先端クラスのデジタル県を目指すとし、その方策はICTクリエイティブ産業の創出を底辺に据え、優先度1に、その上に人材の育成を置き、優先度2に、それらの目標達成のためにチャレンジ事業を設定し、総合計画に謳われている19の分野に各々事業が振り分けられています。チャレンジ事業の他にステップアップ事業も別途設定されています。
事業の予算づけに関して質問したところ、予算編成時に知事戦略室DX課が全ての部局に関与するとの答えでした。単なる掛け声だけでないことが窺えます。
注目すべきはDX技術に関しては進展のスピードが速いため、PDCAサイクルをDX部門にかぎって3ヶ月で行うというもの。
その他、官民共創の場として県庁内にNETUGENと称するスペースをつくるなどマルチな取り組みを展開中です。
群馬県の取り組みはスタートダッシュしたところと拝察しましたが、政策が系統的に整理されており、意気込みが伝わります。何より群馬県知事のDXにかける熱量と行動力には刮目すべきところが随所に見て取れます。
対して岩手県の取り組みといえばこの夏に行政と民間との連携会議を立ち上げたのみで、庁内を俯瞰する体制もない。内部的にはあるかもしれないがどのように機能しているか私にはわからない。そもそもDX に関して計画性が感じられないのが実態です。連携会議設置だけでやった感を出すのがやっとではないでしょうか。
このままだと岩手県こそ取り残されてしまう予感どころではない確信めいたもの感じます。トップの感度と実行力の差は歴然です。