【現行二人区である久慈と二戸選挙区は直近の国勢調査の結果により一人区となり、一人区が2増となる。県北沿岸が定数5から3になることを緩和するために3会派が合意しているのは3選挙区を再編、二人区を2つとし、定数4を確保する案】
以前にも紹介した県議会議員定数等検討会議が8日に行われ、意見の集約は今度こそと微かな期待を持っていました。が、これまで独自路線を貫いている『いわて新政会』が議論の俎上に上がる気配もなく本格的な議論にはなりませんでした。
「一人区の解消」がこれまで検討会議の大きなテーマで議論が展開され、自民党が前回の会議で大船渡選挙区と陸前高田選挙区を合区にするという方針展開に断を下し、一気に議論が集約する流れが整ったと感じましたが、
『いわて新政会』は今回も一人区の解消についての明確な意見を陳述することもなく、ひたすら県北沿岸地区の定数維持のみを主張し、あろうことかすでに合意を得ている総定数48と遠野選挙区について議論を蒸し返してきました。この行為には記者席からも失笑が漏れ、私もついに黙ってられなくなり「議会の品位を汚すようなことをしてはならない」と苦言を呈するほどでした。
そもそも「一人区の解消」という本論から端を発して、今回の国勢調査により二戸選挙区、久慈選挙区も一人区になることから、選挙区の再編案を具体的に議論し到達点を目指す過程にまで来たというのに、『いわて新政会』は但し書き事項(激変緩和措置によって現状のまま据え置きする)を都合のいいように適応して数合わせした案を複数提示するなど議論を混乱させたのでした。
戦後県議会選挙において無投票当選の一人区が占める割合は58.95%にも及び、一人区が民主的な選挙を行われない要因になっていることは明らかです。この数字を私が明らかにしたことに対して『いわて新政会』は前回の選挙は二人区、三人区でも無投票当選はあったと筋違いの反論をしてきたのには呆れてしまいました。そもそも一人区無投票と複数区の無投票の本質的な意味合いも違います。なぜなら一人区は首長と同じ構図になり、一度君臨すると他の候補者が出にくい環境をつくってしまう可能性が高いのです。
とにかく『いわて新政会』はこれまでの議論経過を無視し、自己都合を主張繰り返すのみで建設的な議論に加わっていないことは遺憾です。今朝の岩手日報紙でも大きく扱われ「保身」という単語まで持ち出される始末です。記者もよほど強い印象を受けたに違いありません。
わたしたちいわて県民クラブは当初総定数の削減を主張しましたが、他の会派が現状維持とのことで、ここで一会派のみが拘泥して議論を停滞してはいけないと判断してやむなく現状維持に同意した経過があります。自民党も大船渡選挙区と陸前高田選挙区の合区も認めました。それもこれも議論を前に進め、議会改革をしていかねばならないという合議体としての責任の見識が両会派にあるからと自負しております。
これ以上建設的な議論に参加しない場合は、何らかの手を打たねばならないかもしれません。