【産経新聞電子版 4/25(日) 22:00配信】
中国人民解放軍の機関紙、解放軍報は25日付で、中国初となる強襲揚陸艦など3隻の就役式が、23日に習近平国家主席も出席して南部・海南省三亜(海南島)の軍港で行われたと報じた。強襲揚陸艦の配備は、台湾上陸や南シナ海での衝突を想定しているとみられ、対中圧力を増している米国などに対して海軍力の増強を誇示した形だ。
強襲揚陸艦は「海南」と命名された。排水量は、約4万トンの米軍のワスプ級に匹敵する規模とみられる。2019年9月に進水し、20年8月に初の試験航海を行っていた。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は、強襲揚陸艦が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島や台湾などで「将来、もし必要があれば能力を発揮する余地がある」という軍事専門家の見方を伝えている。
習氏は、就役式で艦長らに軍旗などを手渡し、武器装備などを視察した。この日は強襲揚陸艦のほか、大型の駆逐艦と、「晋」級戦略原子力潜水艦の新造艦も就役した。
23日は中国の海軍創設記念日で、この日に習氏が出席して3隻の就役式を行うことで軍事力の強化をアピールする狙いがある。
中共は2050年までに世界の覇権者となる計画を着々と実行中である。近年は国家予算を惜しみなく軍事費に投入し続けて海軍には相当の増強を図ってきている。米軍のワスプ級の強襲揚陸艦は最近はほとんど活躍する場などなく、新造船計画も聞いたことがない。そこで敢えて強襲揚陸艦を3隻も新造した中共の狙いはズバリ台湾を目的にしたものだろう。
日本では深刻にこの問題が報じられていないが、もしそうした事態になった場合に日本はどういう対応をするのか、国民的議論が必要ではないか。台湾が制圧された後はその先は沖縄があるということを肝に銘じなければならない。
人権が存在しない国にわが国が蹂躙されるようなことになったらなど考えたくもないが、そうした現実がヒタヒタと忍び寄ってきていることに国民は注意をすべきだ。
【関連する記事】