私の父が存命中に父は国立大学の工学部を卒業した背景もあり、家庭の会話の中で工業系の学びには基礎学習・実習がいかに大事であるのかを話していたのを思い出します。
(また、蛇足ながら私自身の記憶の中には高校時代ラグビー部の顧問に夏合宿を申し込んだところ許可されず、代わりに一関工校との合同練習を一関工業のグランドで練習したことは鮮明として残っています。)
地域にとっては地域産業を維持発展していくには工業系高校は絶対に残すべきとの考え方は誰でも同じだと思います。
しかし、このまま両校とも単独で残すということになった場合、人口推計では両立は極めて困難。遠くない将来に水沢地域においては既存の実業系高校2校と統合する選択、一関地域においては残る普通学科か総合学科を主とする学校と統合し工業系学科として残存。この可能性が高いと思料します。
しかし、これでは、将来の工業系の人材育成にはつながりません。
私なりの将来ビジョンを描くと、今後さらにグローバル社会が進展していくことが予想され企業が勝負する範囲は世界が土俵になることは必然です。また、現在の県の産業振興施策においても、県南地域がものづくり産業を育成することが求められている中において人材育成は政策の肝です。ましてやILCが実現となれば、産業界からの工業系人材の地元へのニーズは飛躍的に高まるでしょう。私は県の施策展開としても将来、国の科学技術特区になることを想定していく、むしろ誘導していく必要があります。
そうなれば胆江・両磐地区は産業振興を主体とした広域的な連携はどんどん強まっていくことになりますし、歴史的背景としても同じ平泉文化圏内にもあります。そういう意味で人材育成の観点から広い視野での判断をすべきと考えるのです。
もちろん理想論だけで物事は進まないことは承知をしています。自治体の当面の方向は企業立地戦略とともに人材育成も包含した考え方を押し出してこの課題を捉え、積極的に打って出る方策を取る選択の方がより建設的だと思います。
私は、県議選3期目の選挙からILC実現を政策目標の柱に掲げ、積極的に活動して参りました。この間、国内だけでなく海外の関係者とも意見交換できる環境にも至っています。未来を展望すれば自ずから現状の延長上では発展的な解決策にはなりません。先細りするのを看過することもできません。人口減という現実をリアルにとらえつつ、この先どうすれば未来を担う子どもたちに学びの環境を整備できるのか、そのスタンスで行動していきます。
最後に、この私の考え方は去る2月19日にILC施策を推進している地元の経済団体に直接出向いて伝達済みであることを付記しておきます。
2021年03月31日
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