不滅の記録と呼ばれたベーブルースの714本の記録を破ったハンク・アーロン氏が逝去された。享年86歳。
アーロン氏がルース越え(特に73年のシーズンオフから74年の開幕まで人種差別を含んだ相当な脅迫を受けた)を達成した瞬間はアメリカ野球史においても金字塔であると思う。ドジャースの名物アナ、ビル・スカリーが実況した715号の瞬間は何度も何度も放送されたが、私が印象に残ったのはアーロンが二塁から三塁に向かう途中で白人の青年二人がグランドに入りアーロンを祝福したシーンだ。あの時こそアメリカ国民にとって人種隔てなくベースボールが真にアメリカ国技になった瞬間だったのではないかと思う。
後により多くアーロン氏の人徳についても知られるようになり、国籍や人種を問わず有能な選手が野球界のみならずあらゆるスポーツ界への門戸が広がったのではないかと推察する。
アーロン氏の755号があったからこそ王選手の756号も燦然と輝くことができた。
MLB初の黒人選手、ジャッキー・ロビンソンだけでなく、こうした偉大な記録を作って世に知らしめたアーロン氏の功績は大きい。
昭和49年に王選手とアーロン氏が後楽園球場でホームラン競争のイクシビジョンがあった。その時初めて見るライブのアーロン氏のバッテッィングを興奮して見た記憶がある。
ワールドワイドで野球の発展に尽力されたアーロン氏。安らかにお眠り下さい。
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