昨日はILCに向けて動きがありました。
まずはICFAの動きです。あらたにIDTという組織を立ち上げました。その結果これまでILC実現について専門推進組織であったLCCは発展的に解散になりました。
2020年8月2日
ICFA、国際リニアコライダーの準備に向けた新しいフェーズを発表
国際将来加速器委員会(International Committee for Future Accelerators: ICFA)は、本日行われた第86回会合において、国際リニアコライダー(ILC)の国際推進チーム(International Development Team)の設立を承認した。ILC国際推進チームはILC計画の準備段階への第一歩として、日本のILCプレラボに向けた準備を任務とする。
ILC国際推進チームの任務と体制の詳細についてもICFAにおいて本日承認された。チームは直ちに活動を開始し、2021年末までに完了することが想定されている。ILC国際推進チームは、ILCのタイムリーな実現を目指して取り組んでいく。
リン・エヴァンス氏が率いたリニアコライダーコラボレーションのこれまで数年間の素晴らしい仕事に対し、ICFAは感謝する。
連絡先:ジェフリー・テイラー(ICFA議長) - メルボルン大学
中田達也(ILC国際推進チーム 執行部 議長) ‒ スイス連邦工科大学ローザンヌ校
そして地元ではこれまで地元の受け入れ準備として東北ILC推進協議会の下部組織の東北ILC準備室があたっていましたが、IDTの設立により東北推進準備センターが発足して東北ILC準備室の任務を引き継ぎさらに深く検討することになりました。
東北ILC事業推進センターの概要
1設立の趣旨
昨年3月、日本政府として初めて、ILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続するとの意向が示された。
本年2月のICFALCB(国際将来加速器委員会 リニアコライダーボード)会議では、文部科学省及び超党派国会議員連盟から日本におけるILC計画の状況が説明され、これを受けICFAでは、ILCの日本建設を支持するとともに、ILC計画の準備段階移行に向けた国際推進チーム(IDT)をKEK(高エネルギー加速器研究機構)に設立するよう提言した。
IDTは、今後1〜1.5 年かけて、準備段階の研究所の制度設計や準備期間への移行に必要な作業を行うこととされている。また、去る6月には欧州素粒子物理戦略が更新され、その中では「次期最優先コライダーは電子・陽電子ヒッグスファクトリー」、「ILCがタイムリーに実現する場合には、欧州の方針と適合しており、協働して取り組みたい」との意向が示され、既に表明されていたアメリカの支持に続き、ヨーロッパの協力姿勢も明確になった。
これまで、ILC実現を目指す東北の産学官が連携した東北ILC推進協議会に設置された東北ILC準備室が「東北マスタープラン」を策定するなど、ILCについての国民の機運醸成活動、受入準備活動等を展開してきた。ILCを巡る国際的動向が大きく変化し、8月に、IDTが立ち上がる こと となったことから、建設候補地である東北としては、IDTをはじめとした研究者コミュニティに協力し、地域が主体となってILCの受入環境整備等の具体的な検討を進めることが重要となってくる。
このようなことから、東北ILC準備室の後継となり、ILC建設候補地周辺自治体や国内の関係機関等が協働した新しい組織の設立について関係者が協議を進め、今般、東北ILC事業推進センターを設立する運びとなったものである。
2構成団体
東北大学、 岩手大学 、 岩手県立大学、
宮城県、 仙台市 、 気仙沼市 、 登米市 、 栗原市 、 大崎市、
岩手県、 盛岡市 、 大船渡市 、 花巻市 、 北上市 、遠野市、 一関市 、 陸前高田市 、奥州市、 金ケ崎町 、 平泉町 、住田町、
岩手県国際リニアコライダー推進協議会
3活動内容
・ILC建設候補地周辺の環境整備及び研究施設建設等に関し 、 地域主導で取り組むべき課題の検討
・研究者及び家族等の受入れや定住に対応した体制及びまちづくりの検討
・ILC建設に係る地域住民の理解促進活動
・ILC建設に伴う自然環境や社会、経済等への影響に係る検討
・研究施設の立地に伴う地域資源の活用及び地域の振興に向けた検討
・加速器関連産業の振興方策の検討
・その他、本会の目的を達成するために必要な事業
実務的な内外の動きはこのように着々と進んでいます。地域住民に分かりやすい解説資料も同時に作成することを願います。
2020年08月07日
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