名門ブルックスも… 米企業破綻4割増、DX投資で明暗
【日本経済新聞 電子版 2020/7/9 7:50 (2020/7/9 8:36更新)】
【ニューヨーク=野村優子】最古参の米紳士服店ブルックス・ブラザーズが8日、経営破綻した。新型コロナウイルスの感染拡大で消費行動が大きく変わるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)の巧拙が明暗を分けている。後れを取る企業の淘汰は進み、米企業の破産申請は4〜6月に4割増えた。
米破産協会によると、米企業による連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請は4〜6月、前年同期比40%増の1891件だった。1〜3月は14%増だったが、新型コロナによる経済活動の停止が長引き、企業の破綻は加速している。
中でも打撃が大きいのが、エネルギーと小売りだ。米デットワイアが2020年に破産申請した企業のうち負債総額1000万ドル以上を対象に集計したところ、6月末時点で業種別首位はエネルギーの28件。新型コロナで世界の石油需要が急減し、6月末にもシェールブームをけん引したチェサピーク・エナジーが破綻した。次いで小売りが22件だった。
経営破綻した企業の多くで見られていたのは、デジタル技術で変革を促す、DX投資の遅れだ。
小売業では、ネット通販の普及が旧来型のビジネスモデルを淘汰する「アマゾン・エフェクト」で体力を弱らせた企業に、新型コロナが直撃。店舗閉鎖を余儀なくされるなか、DX対応が生き抜くカギとなった。
新型コロナは「引き金」にすぎない。ブルックスのベッキオ最高経営責任者(CEO)は声明で「新型コロナの流行前から事業売却を含め、急速に変化する小売業界における戦略を模索していた。業界に対する逆風は、パンデミック(世界的大流行)で加速しただけだ」と述べた。
コロナ禍の影響でアメリカの企業が困難に陥っている。
老舗のブルックスブラザーズも経営破綻。その原因はDXへの対応の遅れと指摘している。パンデミックが原因ではないことを経営者が語っているということは問題が深刻であることを物語っている。
以前にもこのブログで紹介したようにオリックスの宮内シニアチェアマンがDXに対応しなかったツケが来たとコロナ禍によって見えてきた日本の弱点を指摘をしていたが、まさにDX(デジタルトランスフォーメション)への対応はビジネス社会だけでなく、行政、家庭にも急務だということがさらに明らかになった。
政府主導で、県、自治体とも課題を洗い出して早急に対応する必要がある。
2020年07月09日
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