岩手県議会、喫煙室存続を決定 愛煙家議員共闘「分煙は十分」
【2020/2/28 河北新報電子版】
岩手県議会は27日、議会運営委員会で議会棟の喫煙室存続を決めた。受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の施行を踏まえて廃止を求める声もあったが、最後は与野党の愛煙家議員が共闘。「分煙は十分できている」との意見が多数を占めた。
議運では各会派が見解を表明。国民民主党系の第1会派「希望いわて」が「受動喫煙の防止対策が取られている」と現状維持を提案し、第2会派の自民党も同調した。無所属系の「いわて県民クラブ」は廃止を主張した。
郷右近浩議運委員長が「意見が一致しないため、議論はいったん終了する」と引き取り、喫煙室の当面存続が決まった。
議論の成り行きを見守っていた肺がんを患う木村幸弘議員(社民)は「かつては愛煙家だった」と断りつつ「再考を願いたい。公共空間の禁煙について県議会は範を示すべきだ」と述べた。
喫煙室存廃を巡っては、県たばこ耕作組合が存続を要望。議運の決定に滝沢正一組合長は「歓迎したい。マナーを守りながら喫煙できれば良いのではないか」と話した。
県議会の喫煙室は、日本たばこ産業が2014年11月に寄付した排煙ダクトを設置。室外への煙の流出は県が定期的に計測しており、健康増進法の基準はクリアしているという。
東北の県議会では、青森、秋田が屋内外とも完全禁煙、山形、福島は屋外に喫煙所がある。宮城は議会棟4階に喫煙室があり、開会中の2月定例会で存廃を協議している。
議会の自治統治の力が試されるのに議会棟の喫煙室の取り扱いは象徴的な問題であったが、意見が一致しないで当面存続との結論の導き方は県民にとって実に判然としないやり方に移ると思う。これが岩手県議会の識見と断ぜられても反論はできない。
記事には記載されていなかったが、第三会派の「いわて新政会」は意見がまとまらないとう結論だったらしい。議会棟といっても喫煙室は独立した場所に設置されたはなく、県庁棟との渡り廊下に接した場所にあり、県職員からは通過する度に目に入る場所にある。
私たち「いわて県民クラブ」で4月から改正健康増進法の施行によって公共施設の敷地内は全面禁煙になったことを受けて議会棟も例外措置はありえないとの結論で一致して、議会運営委員会でも委員である千葉じゅんこ議員が孤軍奮闘で論陣を張ってきた。
論拠は明確である。
1)改正法によってのぞまない受動喫煙対策はより強化されたので県議会も例外ではない。
2)「岩手県がん対策推進条例(平成 26 年3月 28 日岩手県条例第 84 号)」を議員発議で制定した趣旨とは反する。
この間、たばこ産地でもある本県の耕作者の思いを汲むべきだとの意見もあったが、この件は議会の自治の問題であって喫煙室の存廃議論とは筋の違う話である。現に議会事務局には複数の耕作者と名乗る方から決められない議会のふがいなさを指摘をするメールもあった。
要は、議員だけが特権として認められていいのかが私たち「いわて県民クラブ」の最終判断の大きな要素である。
青森県議会、秋田県議会と同じたばこ産地の議会が喫煙室を撤去する決断をした中で、県民からどういう目で見られているか議会は考える必要がある。
議会運営委員会での木村幸弘議員の発言はとてもとても重いと私は感じるが・・・
2020年03月07日
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