2020年02月25日

迫りくる現実

トラック運転手が大量定年、迫る“物流崩壊”
【2/23(日)  日刊工業新聞電子版 10:17配信 】

7年後には4回に1回、商品の輸送をあきらめることに?

 トラック運転手不足による“物流崩壊”が迫っている。2027―28年になると必要な運転手の人数に対して25%の人材不足が生じるとの試算がある。単純に考えると企業は4回に1回は商品の輸送をあきらめる計算だ。経済活動への影響を懸念した政府は企業に呼びかけ、物流を持続可能にする「ホワイト物流」推進運動を展開中だ。

 トラック輸送の生産性向上や、女性と高齢者も働きやすい労働環境への転換を目指す運動が「ホワイト物流」だ。商品の輸送を依頼する荷主企業は「自主行動宣言」を提出すると賛同者として企業名と取り組みが公表される。1月末までに賛同は812社となり、800社を突破した。トヨタ自動車、東芝、花王、アスクル、イオンなど大手の製造業や流通業が名を連ねる。国土交通省が運営するホームページ「ホワイト物流ポータルサイト」に宣言の手続きが掲載されている。

 荷主企業に期待するのが、商習慣から生まれた「無理、無駄、ムラ」の解消だ。荷物の積み降ろしが先着順であるため、トラック運転手は無駄な待機を強いられて長時間労働が日常化している。トラック運転手による荷下ろしや荷積みも習慣化し、肉体的な負担も大きい。指定通りに届けても、発注者の都合で受け取ってもらえずに荷物を積んで引き返す無駄も発生している。
   
 現状でもトラック運転手のなり手が不足している。19年3月のトラック運転手の有効求人数は3・01倍となっており、他業種よりも人が集まりにくい。労働時間が全職種平均よりも2割長く、賃金は1割低いため、不人気な職種となっている。

19年には改正貨物自動車運送事業法が順次、施行され、運転手の長時間労働の原因と疑われる行為をした荷主に対し、国交相が勧告できるようになった。荷主企業にとっても物流網は事業基盤である。自社のビジネスを持続可能にするため、「ホワイト物流」への協力が不可欠だ。
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ホワイト物流とは耳触りはいいが、はたしてどれだけ労働力の不足を補えるかは極めて不透明だ。このような絵に描いた餅の如く国主導で誘導した事業が社会に浸透していく例は過去の例から見ても極めて少ない。

この記事が指摘するように団塊の世代から昭和30年代生まれの労働者が生産年齢人口から卒業すると、急激な労働人口が減るのは間違いない。流通業界が支配権を持っているサービス過剰な配送(例を言えばコンビニエンスストアへの複数配送)を止めるなど、社会全体で合理的なライフスタイルへと移行していくことこそが優先順位は上であろう。これこそ真のホワイト物流の姿ではないか。荷主の宣言だけではペナルティーもなく何も変わらない可能性が高い。

また、陸運業界からは早く外国人労働者への門戸開放とそれに向けた安全対策を主眼とした人材育成の根本的な社会基盤をつくることの要請の方が実効性が高いと見ているのではないかさえ思う。

いずれにしても2020年代の終わりに現状の物流サービスがこのまま維持できているのか、それがこの業界の指標となっていよう。
posted by 飯沢ただし at 23:57| 岩手 ☁| Comment(0) | My Opinion 【意見を申す】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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