1月31日 竹本内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)記者会見要旨
(問)日本学術会議でILC、国際リニアコライダー計画が重点計画に選ばれなかったという決定がなされましたが、大臣としてはこの受け止めについて教えてください。
(答)学術会議で昨日発表されたようですけれども、一言言えば、第1次審査には受かっていて、その中には入って、60ぐらいあるんですが、さらに第2次審査で31選んだと聞いていますが、その中には入っていなかったということであります。ただ、それは学術会議での見方ですから、どういう可能性が今後あるのかとなりますと、文科省で重点的な研究テーマを見ていくわけですけれども、そのときには、その対象には入っていると聞いておりますので、そこで審査された結果、どういう評価を受けるかということだろうと思います。
(問)ILCの関係で一つお聞きしたいんですけれども、科学的な成果ということと、あと費用はどうしても大きいということと、それから北上のところに作るということで、復興の支援というか、復興を盛り上げるという、そういう幾つかの側面というか要因があると思っていまして、特に復興という観点で地元とか議連の先生方とかの関心も高いところもあって、少し問題というのが関心を高めているのかなと思うんですけれども、大臣の個人の政治家としてILCというものの日本の誘致というのについてどういう思いを持っていらっしゃるか聞いてもいいですか。
(答)私は今おっしゃったように、議連の先生方からの強い要望もこの間受けました。また、想定されている岩手県の方からも関係者からいろいろ陳情を受けております。類似するものとしてはスイスとフランスに既にあるわけですが、やはりそこには、もちろん田舎でしょうけど、結構科学者が集まって一つの町の活性化を図れていると。岩手の方はこの間、災害に遭って、ばかりというか、まだどういう復活のプロジェクトがありやなしやという状況のものですから、これは一つの希望のある話だろうと思っております。ただ、問題は非常にお金がかかるということでして、約1兆円近くかかるのではないかという説もあります。多国間で分担はするんですけれども、ほとんど日本が持たないと進まないのではないかと、こういう話もあります。
そういうことを前提に、私は強く実現を求めていっていいのではないかと。結果として地域活性化に役立つと。それから激甚の災害を受けて希望をなくしている人に対して希望を与えると。加えて日本の技術陣が世界の科学研究の分野で大きい地位を占める材料を送ることができるんであろうというふうなことを考えますと、私はしっかり前向きに検討すべきものだろうと思っています。
(問)もう一点だけ、どうしても費用のことで考えると、額がやっぱり桁が大きくて、昨日議論されたものの中でも、復興の観点で考えるものと科学の観点というか、学術界の中で考えるとやっぱりお金が大き過ぎて、それにお金が全部いってしまって、ほかのことが何もできなくなるんじゃないかと、極端にそういう懸念みたいなのもあると思うんです。復興に関してもやっぱり一理あると思うんですけど、それであればやっぱり財源とかまた別で考えるような措置があればまた違ってきたのかなと思うんですけど、その辺り議連でもそういった議論はさんざんされてきたと思いますが、大臣どう思いますか。
(答)おっしゃるとおりだと思います。私はコストの負担についてはやはり多面的な検討をしないとなかなか。例えば科学技術予算だけで1兆円なんていったら、ほかに使えなくなりますから、それはちょっと無理で地域振興からこれこれと、あるいはその他の名目でこれこれと足していって、何とかできるというようなプロジェクトだろうと思います問題はやはり激甚な災害を受けたところに町を整備してもなかなか人が帰ってこないんです。神戸でさえ、やはりもう20年以上経っていますけど、なかなか昔の賑わいはないですよね。だから、そういうことを考えますと、やはり賑わいをもたらすために一つの希望の光のような存在になれば、このリニアコライダーは一つの価値があるものになってくるのではないかと。そういう多面的な費用負担と多面的な見方で、このプロジェクトを進めていかないと実現しないのではないかと思っております。
あらためて文字で確認すると竹本大臣はかなり前に踏み込んでILCについてコメントしていいるのが理解できると思います。先の文科大臣の発言と併せると今後政府は他国との国際協議の中で費用負担等を煮詰めながら、国家プロジェクトとして判断するという姿勢が見て取れます。
2020年02月17日
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