2019年12月09日

魂が入っているかどうかが問題なのだ!

総務委員会における審議内容を記します。

議案第4号 岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例

に関しては多くの時間が割かれて審議が行われました。質疑・答弁・討論・採決まで約3時間を要したと思います。私も質問と討論を行いました。

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今回の議案は地域政策部から政策立案機能部分を抜き出して秘書広報室と一体化させ、新たに政策企画部を設置し、政策地域部は名称をふるさと振興部に改編する内容です。

秘書広報室の強化が一番の目的で、言うなれば他県でも例がある「知事公室」をつくるということです。

組織の改編は時の変化に応じて行うことは、必要と思います。しかし、そこに明確な目的と問題意識の共有がなければ魂の抜けた偶像を新たに造るにしか他なりません。


時計の針を10年前に戻します。10年前(当時も達増県政)にも部局再編案が提出されました。その内容は総合政策部を解体し、秘書部門と広報部門だけを抜き出して秘書広報室を設置し、政策立案と地域政策推進を一体化させ充実するために企画振興部を充実させて政策地域部を設置するという内容でした。

当時も私は総務委員でしたので秘書広報室の設置目的にはかなりの違和感を持っていたので質問をしていました。議事録を確認すると

1)知事の行動を支えるために純化した組織を設置する、それが秘書広報室(秘書、広聴広報)
2)広域地方振興局体制の充実を図るためにも政策立案と政策推進の一体化を図ることが必要、それが政策地域部
3)部局の建制順は1.秘書広報室、2、政策地域部、3、総務部に変更(総務部は増田県政時に最下位にランクを下げられた経緯がある)

議事録を読むと当時の菅野総務部長、高前田総合政策部長はよく庁内でも議論された様子をうかがい知ることができます。なぜなら何故秘書広報室に政策立案や政策評価を入れないかという質問に対して、政策推進のスパンが長くなる可能性を指摘していましたし、答弁の内容が議論したプロセスを十分に織り込んでいます。

私は秘書広報室の役目が単層的で部に昇格するのが相応しいのか、知事権力におもね過ぎて健全な司令塔を果たせるのか等の疑義をぶつけましたが、最終的には広域振興局の機能強化に政策地域部は寄与するであろうと判断し、議案には是認をした経過があります。

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さて、今回の再編は、そうなると10年前の判断とは真逆の案を提案していることになります。

政策推進スパンが長くなるという問題点はどのように克服されるのか、広域振興局体制の検証はされているのかの質問に当局は全く的確に答弁できませんでした。

わが会派では33市町村を訪問し意見交換をしてきましたが、振興局に対する不満は年々高まっていることが確認されました。私も一関市の県要望会の折りに、「この件につきましては本庁と確認しました結果・・・」と返答する姿を見て地域と寄り添うことを忘れた県の出先機関の姿を見て劣化の現実を垣間見ました。第一に市町村要望に知事は出席せず、今度は知事まで市町村の声を届けるには 広域振興局→ふるさと振興部→政策企画部とまた屋上屋を重ねることになり、どれだけ地域の課題が掬い上げられるのか不透明要素が増すだけです。


秘書広報室については前日の記事の通りで、知事日程をこなすことと県民と知事との県政懇談会も開催することのみが目的化して内容が固定陳腐化するなど見ている方向がズレているのが実態。私が10年前に懸念した通りの現状です。秘書広報室の勢力を温存しながら政策立案機能を付することはどういうことになるのか容易に想像できます。


一番の問題点は、今回の再編に当たって当該担当部局内での議論が尽くされていないということ。質問すればそれくらいは分かります。10年前とは雲泥の差です。

議案として議会に提出されている以上、我々も論拠を持って事に当たらなくては選挙民の負託に応えられなくなるはずですが・・・
posted by 飯沢ただし at 00:54| 岩手 ☀| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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