2019年05月26日

厚労省の改革は進むか?

診療所の都市偏在を是正、在宅医療の拠点化も 厚労省

【 2019/5/24 1:31日本経済新聞 電子版】


厚生労働省は診療所の新設が都市部に集中する状況を是正する。過去5年間で増えた診療所のうち6割強は東京などの5大都市部に集中し、医療を受けられる機会に偏りがある。厚労省は医師が多い地域での開業には在宅医療や休日・夜間の診療などを担うことを求める。条件を厳しくして地方での開業を促すとともに、都市部では高齢化に対応できる医療の拡充をめざす。

厚労省によると全国の診療所は2017年時点で10万1471カ所ある。過去5年間の増加数は1319カ所で、その前の5年間の約2倍に増えた。増加が目立つのは人口が多く、多くの患者が見込める都市部だ。

東京23区と大阪市、名古屋市の5年間の増加数は計683カ所だった。札幌市と福岡市も合わせると計850カ所で、増加分の6割強を占めた。

厚労省は全国を335の医療圏に分け、人口構成や患者の移動などを考慮した人口10万人あたりの外来医師の数を集計した。その結果、全国平均の105人に対し、東京の都心部は192人、大阪市は129人、福岡市とその周辺は144人にのぼった。一方、福島県や香川県などでは50人を切る地域もある。

診療所や医師が偏ると、過疎地などで患者が必要なとき必要な医療を受けられなくなる恐れがある。都市部も集中して過剰になると、患者の奪い合いで経営が非効率になる。入院用のベッドがある病院の場合は過剰な地域では増床できない。一方、ベッドがない診療所はこうした規制がない。

厚労省は偏在の是正に乗り出す。まず全国の335の医療圏について、医師が多い上位3分の1の医療圏を「多数区域」とする。この地域で診療所を新設する医師には、(1)在宅医療(2)休日・夜間診療といった初期救急(3)学校医など公衆衛生――のうち、都道府県が必要とする機能を担うよう求める。20年度から実施する。

厚労省はこうした機能を担えない診療所が郊外や地方などで開業を選べば、医師の偏在の是正につながるとみる。


厚労省は医療費の増高を抑えることは最優先の課題で、実はこの改革もその一環と推察するが、はたして都道府県が必要とする機能を担うよう求めるだけで都市の新設が抑制されてその分が地方に回っていくだろうか?

医療圏ごとの医師の数を先に公表したのは意義があったが、問題はそのデータをどのように活用するかだ。医師の診療科標榜や医院の開業はわが国ではフリーなので効率のいいところ(人口密度の高いところ)に医師は集中する。ドイツでは医師会が率先して飽和している地域には開業できないルールをつくっていると聞いたことがある。そこまで徹底してやらないと医師の地域偏在は解決しないのではないか?それを進めようとすれば医師会の反発は必至だろうから劇的には進まないのは目に見えている。

けれど社会全体で医師の地域偏在を考えていかないと産業構造にも影響がでてくるし、ひいては国力の成長にも響いてくる。医師の偏在是正は重要な問題だ。


posted by 飯沢ただし at 23:35| 岩手 | Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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