2019年04月20日

リスク対策には科学的な根拠で

ILC関連記事が続いて恐縮です。それだけ動きの密度が濃くなってきているということです。

17日(水)に岩手県議会ILC建設実現議員連盟の総会で講演会が実施されました。

今回の講師はKEK(高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 教授でATF(先端加速器試験施設)グループ責任者、ATF国際コラボレーション 代表である 照沼 信浩 先生

演題は ILCの安全対策について

先月行われた住民とのリスクコミニケーションにも照沼先生はご出席されており、その経過を踏まえて資料をブラッシュアップして用意されておりました。

DSC_2079x.jpg


💡ビームダンプについて

・ビームダンプはビームを安全に止める装置で、放射性物質がもっとも多くできる場所
・水でビームを吸収し、2つのビームダンプで水の容量は100トン
・最大100兆ベクレルのトリチウムが発生しますが、これは20年間休みなくビームを入射した場合
・この水は循環・保持して排水は絶対にしない

DSC_2080x.jpg


💡ビームダンプの水の管理と安全対策について

・漏水を検知し遮断するシステムを備える
・ビームダンプ水は限定した部屋内部で循環・閉鎖管理をする
・室内の漏水を回収する仕組みや貯水槽を備えて部屋の外への拡散を防止する
・ビームダンプの周囲にはコンクリートや鉄などの遮蔽壁を備えて二重に漏水を防止

💡100トンの水の管理とイメージについて

・ビームダンプ1箇所あたりの水はやく約50トン
・電子用・陽電子用の2か所で約100トン
・実験終了後も維持管理が可能な規模の水量である

50トンの水はJR貨物タキ1000型貨車で約61.6㎥ですから2台分のイメージ

DSC_2081x.jpg



私から意見として、地下に設備され地震の影響は5分の1程度とされているが、振動に関して科学的なガル等の単位を示しながら対応する安全構造に耐えうる設計を具体的に示しながら今後説明して欲しいと述べました。

何事も科学的に問題解決を図っていくことが重要です。住民も安全対策を把握する上で科学的、実証的見地で物事を思料することが大事だと私は思います。

この水循環システムは米国のジェファーソン研究所において大型加速機を運転しながら、すでに運用されている(ILCの3分の1位の規模と道園先生がおっしゃっておりました。)そうで私も研究材料にしたいと思います。

それにしても研究者の方々はこのように日々研究成果を磨いておられることにいつも驚かされます。
posted by 飯沢ただし at 11:54| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。