時期総合計画の審議が始まったことで、メディアも注目を始めてきた。
次の10年の長期計画は県の各年の政策指針となることから極めて重要である。
さて、「幸福」の件である。
県は次期総合計画を東日本大震災の復興過程でキーワードとなった幸福追求権を広義に解釈し策定を始めた。補完する行政から一気に積極的に個人の領域に踏み込んだ幸福を定義し、これをすれば幸福になれるであろうとする10の政策領域を定め、その下に12の政策を配置したものである。
今日を含め新聞メディアは議会側が幸福論の入り口で彷徨い、本論に入らないことを批判していたものがあったが、大前提に置いた県の幸福が曖昧な設定であるなら全ての政策の内容に信用性がなくなるので、この議論は外せない。推察の域を出ないが議会は対案を示せなどという論調は以前にも同じケースがあったので一部メディアには県当局からバイアスがかかっているのだろう。
そもそも憲法13条に書かれているのは幸福権を追求する権利を国が保障することであって、個人それぞれに持つ幸福感には立ち入っていない。幸福追求権によって幸福を求めたが結果としてそれから漏れた人たちを県が規定した幸福施策で満たす可能性は期待できない。なぜなら個人で感じる幸福感は人それぞれだからだ。
こんな空想的なものを出発点とするより、今自治体や県民が欲しているのはもっと実効性のあるものではなかろうか。例えば広域で取り組む力強い産業振興策などが挙げられる。
いわて県民クラブでは今月と来月にかけて県内33自治体の首長と面談して、この長期計画についても意見を個別に聴取することを決定した。より良い議論ができるように準備は万全に進めていく。
2018年10月16日
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