視察訪問先は福島県環境創造センター(コミュタン福島)
この施設は前例のない原子力災害からの環境回復と創造に向けた取り組みとして平成28年に福島県が設置し、@モニタリング、A調査・研究、B情報収集、発信、C教育・研修・交流の4つの取り組みを総合的に行っているものです。
4つの主要な建物があり建設費は130億(うち国からの補助金が118億)。
風化防止のために震災の日からのカウンターも設置されていました。

その中で福島第一原発の事故後を様子を忠実に再現した模型展示に目を引かれました。

説明による私が知りえた新事実は、第二号機が偶然にも建屋の壁に穴が開いたために水蒸気爆発を逃れたこと。そしてなんと驚くことにこの福島第一原発建設時に表土を10mも削って建設した事実を知らされました。
なんということでしょう。これでは最初から津波対策に対して無防備であったということです。
これは紛れもない東京電力による人災にほかなりません。
それに対して東北電力の対策はどうだったか?
一昨年に書いた私のブログを以下に張り付けます。
女川原子力発電所
平成13年頃に当時所属していた「政和会」の会派視察以来で2度目の訪問です。9・11テロ以降セキュリティーがかなり厳しくなっており、前回は冷却プール前まで行って写真も撮りましたが、今回はほとんどの箇所がNGでした。震災後は電源確保や冷却水のバックアップ機能等の増強が求められており、発電所の周辺は対策強化がされていました。特に防潮堤のかさ上げは海抜29m対応型に建築中でありました(想定津波を13.6mから23.1mに)
何より認識を新たにしたのは、そもそも当初から発電所の敷地の高さを14.8mにしていたため津波が越波することはなかったとのこと。当時は他の電力会社からそんな高さのかさ上げは必要あるのか?と揶揄されたようですが、当時の技術者の慧眼による決断と実行により、女川原発は大津波から守られたのです。実にすばらしい話ではありませんか。
先人の技術者の愚直にも安全にかけるコストを惜しまない。東北の人の安全を絶対に守る。この決意に賛辞を惜しみません。
東京電力は営業エリア外の他の地域に建設したのなら、より一層の安全対策を講ずべき義務があったはずです。
人として今生きている私たちが将来の人たちに何ができるか。刹那的ではなく総合的な見地で行動することをまた東北の先人の偉業から教えて頂きました。
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