国宝や重要文化財の修復には今後国産漆(うるし)を使用することが義務づけられ、国産漆の90%を生産する岩手県浄法寺産はシエア全体の5%にしか満たず、国産漆の生産増が課題となっている中、沖縄高専の伊東名誉教授が有している技術が注目されています。漆の木を掻いて採取する在来型は10年木以上を必要とされますが伊東教授の衝撃波を用いれば5年木でも採取が可能とされています。
伊東教授は昨年に一関市役所大東支所で一度お目にかかっておりました。今回は実際に現地にある衝撃波装置の作動状況を確認し、今後の里山資源の有効活用策について伊東教授からご示唆をいただき、意見交換をしてきました。
【衝撃波を対象物に当てるときに音が出るため耳あてをしますが、実際はさほど大きな音ではありませんでした】
【衝撃波を得るためには大きな電圧を必要とします】
【衝撃波を当てた大東産のリンゴを試飲する勝浦市議】
効率的に樹木の成分を採取できる衝撃波装置は全体でも予想していたよりコンパクトな設計でありました。漆だけでなくすでに山形県で生産を始めている「黒文字」木(爪楊枝で使用されている)も有望な対象木であることも紹介頂きました。黒文字はどこでも普通に見受けられるかん木です。
【黒文字の枝チップ】
黒文字の樹液はアロマ効果があり、フランス等の香水会社が@1500円/1ccで引き受けするとのこと。また、アロマ効果だけでなく消臭効果も抜群で、これから病院や老人福祉施設などからの需要も高まる可能性は大とのことでした。
中山間地はこれから人口減が進む中で、地域に根差した産業を掘り起こすことや高齢者が生きがいをもって暮らせる産業創出も課題です。そうした中で伊東教授の持っている技術を活用した里山ビジネスの創出に光明が見えてきました。大東町丑石地区では民間会社がすでに動き出していますし、私も何らかの形で関与して発展できるように協力していきたいと思います。
【沖縄高専のキャンパス内にはすでに早咲きの桜の花が咲いていました】