【2018/1/11 23:30日本経済新聞 電子版】
世界の自動車市場で新興国が台頭している。インドの2017年の新車販売台数は401万台となり、ドイツを抜き世界4位に浮上した。20年にも日本を抜くとみられる。世界最大の中国市場では17年、電気自動車(EV)などの販売が約5割伸びた。新興国の自動車市場は台数増加だけでなく技術革新でも世界の主戦場となりつつある。
インド自動車工業会(SIAM)が11日発表した17年12月の販売は前年同月比14%増の32万2074台だった。17年通年は前年比10%増の約401万台となり過去最高を更新した。
インドの人口は世界2位の約13億4000万人で若年層比率も高い。英IHSマークイットの予想ではインド市場は今後も年率1割近い成長が続き、20年にも日本を抜き世界3位に浮上する。
インドの自動車市場は10年で2倍になった。背景には経済成長に伴う所得の拡大がある。世界銀行によるとインドの16年の1人当たり国内総生産(GDP)は約1700ドルで07年(約1020ドル)に比べ7割増えた。
生産台数がすべてではないが、中国もEV生産に大きく舵を切っている状況を鑑みれば、アジア大国2国の台頭は我が国をこれまでけん引してきた自動車産業に依存する体制を大きく揺るがすものとなっていることが証明された。2020年代の見通しはいまだ不透明である。
本県も他県との地域間競争を打ち勝つためには次期総合計画に基幹産業の位置づけ、産業振興策を具体的に書き込むことはもちろんのこと確実なアクションプランを示すことは必須である。
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