2017年02月24日

岩手競馬よ、どこへ向かう?A

存廃論議から10年。東日本大震災から6年。
この間岩手競馬だけでなく地方競馬をめぐる状況は大きく変わりました。
ハルウララという連戦連敗馬を話題にしなければならないほど苦境に立っていた高知競馬が馬券のネット販売によりV字回復をしているほどです。高知競馬場はその堅調な売り上げによって女性ファンのための専用室まで作っています。

岩手競馬は存廃ルールの確立により、四半期ごとの利益調整を行い、利益が出たらその都度対処を考えている状況です。これでは大胆に中長期的な課題を解決することができません。岩手競馬組合の最大の欠点は企画等の枢要な部分を担う幹部職員が県庁の職員人事に従って人事異動するために、長くて3年勤めれば移動というパターンであり、競馬業界に通じた人間が育たない、長期スパンでの計画を遂行する意思が働かないという状況にあります。もちろんこの間特に東日本大震災を乗り切った有能な幹部職員の方々も存在したこともありました。しかし、競馬組合が売り上げ堅調状況になると人事を司る県庁部署は問題の少ないところにはそれなりの意思が働くのも事実。ここは世の変化に対応したミッションに基づいた機構改革が必要と私は考えます。

🎠専従の副管理者はシティマネージャー制度の導入を!
米国などで採用されているシティマネージャー制度は市政実務のプロを議会が承認して行うものです。日本でも副市長などは議会の承認が必要ですが、シティマネージャーはより高い執行能力が求められます。これを競馬組合に当てはめると専従の副管理者がそれにあたることになります。これを競馬議会が議決承認することは、議会も議決をした責任を負うことになり、両者が責任をもって競馬の運営に関わることにもなります。任期も最低5年と仮定すれば中長期的な計画に腰を据えてかかることができます。

🎠喫緊の課題である人材確保(特に厩務員)には専任職を設置せよ!
先の競馬議会答弁であったような経常的な厩務員の不足は地全協やHPの告知宣伝だけで解決できるほど簡単なものではありません。農業高校などへのリクルートなど地道な息の長い活動が要求されるだけに、片手間の仕事ではすまされません。採用の年次計画も立てて確実に現場職の確保策を立てる必要があります。競馬組合が主体性をもって取り組まないと関係者との懇談会で話が出たように内部崩壊の危機さえある重要な問題です。

🎠南部藩と縁のある社台RCの吉田氏との関係を深めよ!
吉田氏は我が国の競馬会にとって大きな影響力のある人物です。これまでも岩手競馬に対して思いを寄せて支援頂いた場面もありました。岩手県はこれほどの明確な優位性を持っているのに管理者たる知事が積極的に動かないのはどういうことなのか私には謎です。

🎠岩手の馬事文化を掘り起こせ!
岩手には馬文化の宝庫です。南部曲り屋、南部地方がかつて軍馬の供給地、小岩井牧場の栄えある歴史などどれをとっても岩手オンリーワンの素材を生かさない手はありません。これは組合マターというより県全体での取り組みが必要となります。

以上私が今考えた改善策です。組織は10年で古くなります。今こそ改革に着手が必要です。

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【かつては女性騎手の国際大会という楽しい企画もありました】
posted by 飯沢ただし at 23:58| 岩手 ☁| Comment(0) | My Opinion 【意見を申す】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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