私は昨年の夏にお会いしたJRAの調教師会会長である橋田満氏の言葉を借りるまでもなく、岩手における馬との関わりによる文化はとても貴重で大事にしなければならないと思っています。競馬はギャンブルと一刀両断する方もいらしゃいますが、馬を介しての人脈形成を図る意味から競馬事業は有効であり、もちろん産業としての価値の観点からも岩手競馬は他の地方競馬に比しても優位な点が多く認められます。それを馬文化の継承八手や県人の魅力につなげ、うまく活用することは本県のアイデンティティを磨くことにもつながると確信しています。
昨今売り上げ低迷から一転、JRAのIPAT開放が分岐点となりインターネット投票の発売額が右肩上がりの基調にあります。今年度は2億円以上の利益を確保できる見込みとなり、初めて構成団体に借金の返済をすることになりました。ところが利益が出ていると報道されて現場サイドから多くの窮状も寄せられるようになったのです。これらは存続のためにと我慢を強いられてきた声なき声がようやく外に発せられたと言っていいでしょう。同時に馬を管理する体制が危機に瀕している状況を懇談会(先にブログにて紹介した)を通じて明らかになりました。
岩手県競馬組合は構成団体による一部事務組合であり、行政のルールにしたがった運営と管理がされるのは仕方のないことですが、赤字を一度でも出したら廃止という存廃ルールを重きを置いているため中長期の経営視点に欠けている点が散見されます。制度上の改革は無理ですがその中でも工夫すれば道は十分に開けていきます。しかし最近の競馬組合幹部はルールにしたがい四半期ごとの関係者間の利益調整をくぐればお役御免との体質が顕著に表面化し、現場との問題意識の差は広がっていくばかりと私は感じています。
運営企画において競馬組合議会のやり取りだけでも迷走している点が多々あります。例を挙げれば
😠 大型映像装置の財源についても十分な検討をしないまま12月議会で提案し、こちらが提案したより活用に有利なJRAの助成金を活用した策はちゃっかり拝借して結果オーライで済ます。
😠 売り上げ向上策の一環として薄暮時のナイター設備投資について強力に推進すると議会に説明しながら、競馬輸送組合の解散決議に右往左往して結局は馬運車の購入に振り替わるなど見通しの甘さが露見。私が質問した競馬輸送組合の今後の動向についても組合員の平均年齢さえ把握していないお粗末さ。
😠 喫緊の緊急課題である厩務員の確保についても競馬組合が主体的にかかわる具体策はとうとう出て来ず。

【晴れやかな表彰を受けられるのも厩舎関係者の日々の馬への世話があってこそ】
😠 自場売り上げに一定の歯止めがかかったと(総売り上げの32%)自己評価をしていたが、来期はさらに売り上げ減の計画(総売り上げの29%!)を堂々と提示。その根拠は過去三年間の発売状況を鑑みてだそうで(???)、自場発売の歯止め策に熱を入れて策を講じているとは到底思えない。例えば総売り上げの3割は絶対確保という数値目標を示して対応するのは民間会社なら当たり前。
こんな体制で来期以降は本当に大丈夫か?と昨日の競馬議会で管理者である達増知事に私が迫りましたが、まったくどこ吹く風、我関せずの答弁内容。誰が責任をもって運営しているのかと疑念の思いだけが大きくなっていくのは誰の目にも明らかに映ったと思います。
嫌味なあら捜しばかりでは能がないので、私の提案も含めた今後の展開策には明日以降に書きます。