私は先の岩手県競馬組合議会で現時点で必要とは思われない水沢競馬場の大型映像装置の予算化について反対姿勢を貫いたが、そんな矢先に水沢競馬場所属の3厩舎の所属する競走馬から禁止薬物反応が出た。
競馬法に則って競馬事業を行っている競馬組合は公正な競争を保持しなくてはならない。ファンへの信頼も著しく損なわれることになった。
今回の事案はすべて優勝馬3頭からから検出されており、問題は深刻である。さらに深刻なのは3つの異なる厩舎から禁止薬物反応が出たことである。今後原因の究明はされようが、いかなる理由があったにせよこのような事案は結果がすべてである。いずれにしても競馬組合の管理責任は厳しく問われることになる。
そもそも私が指摘したように競馬を支える現場に必要な予算が配置されていない。ネット販売の好調で売り上げがちょっと安定したくらいでおだって大型映像装置などというものを予算化するようなことを平気でやっている。それも地全協の活性化補助金を充てるとなると他の主催者の競馬は平日の観客がまばらな時でも稼働しなければならない。設置はするがコスト管理は後は野となれ山となれといった仕掛だ。固定費を知らず知らずに増大させて後に苦しんだかつての競馬組合と同じことをしようしている。喉元過ぎれば何とやらだ。
水沢競馬場では厩舎周りの施設も古い。今回の禁止薬物事案も必要なところに予算化されていないところに問題が潜んでいるような気がする。組合幹部が現場の声を真剣に聞いているのか基本的な経営姿勢が問われる。
さらに先週の土曜日は降雪のためすべてのレースが中止となった。この時期の売り上げ減のダメージは大きい。根拠が薄い大型設備投資は撤回するのが常道であろう。また、今年は厳冬の兆しがありこのまま予定通りレースができるかも不安視される中、当座の間3つの厩舎の馬が出走できなくなると番組編成にも大きな影響が出るのは必至である。
今回の事案も現場に責任を押し付けるようなことをしたらとんでもないことになるだろう。まずは組合幹部が頭と心を入れ替えて問題解決に臨まなければ岩手競馬の明日はない。
2016年12月18日
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