本日、岩手県競馬組合議会がありまして、競馬組合は年度当初より利益が出たので上方修正し、それに呼応した形で補正予算が提案されました。
その中で私が(私たち)が問題視したのは「水沢競馬場の映像装置整備費」です。
この案件はこれまで全く議会でも説明を受けてないばかりか、これを提案するだけの根拠に乏しいものでした。当局の言い分は
・これまでも補正予算については適時必要なものを提案してきた。これも例外ではない。
・全国の地方競馬場で映像装置がない競馬場は水沢競馬場のみ。地全協(地方競馬全国協議会)の有利な補助金の対象になる。
当初予算で計上していた着順表示板の更新だけのものに唐突に無理矢理付加したせいで全体では2400万円弱の予算オーバーとなったものです。
結局、着順表示板の予算は取り下げて、新たに2億6千万円の債務負担行為を設定し、新たに1億8千万円強を基金に積み上げました。
映像装置のスペックはどうなっている?積算根拠は?水沢競馬場のどの場所に設置するのか?映像装置とファンの導線はどうなっている?予算措置する緊急性はあるのか?映像装置より現場に必要な予算措置する方が優先順位は上ではないのか?
これらの私の質問にまともな答弁はありませんでした。かなりどんぶり勘定的な提案かつ白紙委任に近い提案で極めて曖昧な提案です。こんな議案に賛成したのではこれまで爪に火を灯すような現場で競馬を支えてきた人たちに申し訳が立ちません。私は議員に与えられた議決権を行使するに納得できないものには賛成しかねる立場からこの映像装置整備予算について削減の修正案を提出し、対抗しましたが成就しませんでした。
この間の質問のやり取りの中で管理者である知事からの「構成団体から融資を受けた330億円の返済について検討する」の一言でこの修正案は吹っ飛んでしまいました。
「無駄なお金をかけずに現場に回せ」よりも「融資返済」の方が原案に賛成した議員の関心が高かったのでしょう。
政策形成過程が不透明な補正予算を、競馬組合の金回りがちょっと良くなったからといってホイホイと議案を通してしまえば、同じ過ちの道を繰り返すことになります。なお且つそれを知りながら見過ごせば議会の存在意義はなくなります。
何より今日の質問のやり取りの中で執行部は終始制度設計のみを論点にして、競馬を支える現場の人たちへの配慮や中長期的な戦略性のある運営計画(財務も企画も)には一切言及がありませんでした。今日一番悲しく情けなかったのはこの点です。現場で表に裏に競馬を支えている人たちを見ずに、ファン心理も調査せず、上から目線で突っ走った結果が危うく破たんに及ぶことになった大きな要因ではなかたでしょうか。またぞろ場当たり的な経営に逆戻りです。それ以上の失望感を禁じ得ない状況です。これから先地方競馬を巡る状況は、ますます経営環境が厳しくなるのは明らかであり、岩手競馬とて例外ではありません。そんな重要な時期にこんな組合幹部の問題意識の欠如加減では先は全く見通せません。
私は、これまで存廃のぎりぎりの状況の時から岩手競馬を応援する立場でいましたし、存続に賛成した責任も負いながら行動してきました。震災後には売り上げが伸びず、せめて騎手や厩務員のためにと副賞を私が代表を務めている会社で提供したこともありました。
しかし、本日の組合幹部の問題意識の体たらくを見るにつけ、私の心の中の糸がプッツリと切れる音がはっきりと聞こえました。
2016年12月01日
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