2015年04月28日

ILCの実現を目指して〜東京宣言

先週の21日と22日にILCに関する重要な会議が相次いで開催されました。

まずは21日。
ILC計画を検証する文部科学省の有識者会議が開催され、初めて建設コストや経済波及効果を検証しました。

位置情報加速器施設建設費(労務費含む)が1兆1千億円程度。建設期間は10年。
うち加速器本体の土木建築(工事費)に1600億円。
 加速器本体(超伝導加速空洞など)に6709億円。
測定器関係経費のうち
測定器本体に766億円。
労務費に266億円。ここまでが建設費

位置情報年間運転経費は491億円
うち光熱費や保守費が390億円。労務費は年間850人を想定し101億円とした。
これらの経費には土地取得費やアクセス道路、海外研究者の生活環境整備費は含まれない。

メモILCによる国内への経済波及効果は20年間で4兆4606億円になると試算しました。

予想していたとおり建設費は当初8000億円とされていたものよりコスト高となり、経済波及効果は野村総研が試算していたものと大きくはかけ離れてはいませんでした。


そして22日。
東京大の伊藤国際学術研究センターなどでILC東京イベントが開催されました。
リニアコライダーコラボレーション(LCC)とアジア・リニアコライダーワークショップ(ALCW2015)に参加してる世界の研究者が
東京宣言(Statement on "Towards the realistation of tne International Linear Collider")
を発表しました。

宣言は3つのパラグラフから構成しており
1)ILCでの研究はは他の研究に置き換えることは出来ない無二のものであり、必要不可欠なものである。科学者はILCの建設とそこでの研究を熱望している。

2)ILCが技術的に実現可能であり、建設可能な状況となっている。ILC計画は各国政府が関与し計画実施に向けた決断へ進む段階と来ている。日本政府がILCプロジェクトについて評価が行われていることを高く評価する。

3)ILCはLHCと同規模の最大規模の科学プロジェクトである。ILCにの実現には各国間での費用や技術提携での粉炭を行う国際的な仕組みの構築が必要である。各国政府間、財政当局間の協議を促進し、早急に目標を達成するように努力する。

と強調しました。

いよいよゴーサインに向けた動きを加速させる内容で、なおかつ日本での建設を大いに期待していると感じました。国際協力による詰めの段階に入りつつあると推察します。連休中には米国議会や欧州への期間への国会議員の働きかけも予定されているとのことで、実のある成果を期待します。
posted by 飯沢ただし at 22:48| 岩手 | Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。