【昨年の長島分講における二十日夜祭の様子】
摩多羅神について調べたら興味ある記述があったので以下記します。
『闇の摩多羅神 変幻する異神の謎を追う』(河出書房新社)を昨秋出した文芸評論家の川村湊さんは「念仏修行を邪魔しに来るテングを驚かし追い払うために、跳ね踊り、めちゃくちゃに経文を読む儀式がありました。そんなカーニバル的な芸能の場と結びついた神でした。体の奥底からわき出てくる踊るエネルギーのようなものがその本質でしょう」と感じている。
摩多羅神は、時代とともにさまざまな信仰と結びつき、芸能・念仏修行の守護神から邪教の本尊まで姿を変えてきた。その変遷を川村さんは大きく四つ((1)念仏堂の後戸の守護神(2)猿楽能の始祖神(3)江戸時代には邪教とされた玄旨帰命壇(げんしきみょうだん)の本尊(4)東照宮の三所権現の一つ)に分け「特定グループの守護神としてひそかに信仰されたため、信者を失ったときにあっさりと歴史の闇に姿を消した」と見る。
摩多羅神の祭りは岩手・毛越寺の二十日夜祭などしか残っていない。
『うつぼ舟I 翁(おきな)と河勝』(角川学芸出版)で摩多羅神についてまとめた梅原さんは「猥雑(わいざつ)で熱狂と恍惚(こうこつ)を特徴とする摩多羅神は、酒とセックスの神であるディオニソスそっくり。(古代の異端キリスト教)景教とともに日本に入ったのではないか。何ともいえない非合理的なものが仏教の奥に忍び込んでいることにひかれる」
ますますこの神の存在が摩訶不思議になってきた。
日本人だけでなく人間の心理の深層にあるものを神格化したとも言えるらしい。
深すぎる・・・
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