ロイター 11月14日(金)20時27分配信
[ロンドン 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は14日に公表した月報で、原油価格が早期に従来の高水準に戻ることは見込みにくいとの見方を示した。IEAは、中国の経済成長鈍化や米国のシェールガスブームにより、世界の原油市場は「新たな時代」に突入したとみている。
さらに、原油価格は来年さらに下落する可能性があるとの見方も示した。IEAが価格見通しに言及するのはまれ。
月報でIEAは「シェールガスなど非従来型資源は生産コストが高いため、北海ブレントは1バレル=80―90ドルで均衡するとの観測もある」とする一方で、「需要と供給のバランスをみると、まだその状態にはなっていない」と指摘。供給に障害が生じない限り、「2015年前半まで価格への下方圧力は高まるだろう」との見方を示した。
石油輸出国機構(OPEC)については「減産圧力が強まっているものの、今月27日に総会を控える現時点で、減産に向けた明確なコンセンサスは見えない」とした。
別のニュースソースによると主要産国であるサウジが減産に応じず、価格競争に入り込んでいるとの報道も耳にした。今度はこれらの動きが強まると再生エネルギー転換への動きが鈍くなる可能性もある。産油国もそのへんの勘所、すなわち短期的な利益よりも長期的戦略にシフトしたのか?
燃料価格の動向が利益に反映する中小企業にとっては短期的には歓迎すべき話であるが・・・
これからは一層、経済新聞からは目が離せなくなってきた。
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