2014年11月06日

妥協か対立か〜深まるオバマの苦悩

昨日、アメリカの中間選挙の結果が出て、オバマ大統領の与党民主党が大敗を喫した。
上下院とも野党共和党が過半数を占め、政権運営は一段と難しくなった。

原理と理想で有権者に期待感を持たせたまでは良かったが、結果が出なければ過剰な期待は不満へと反転する。オバマ大統領は残された任期の間どのような判断をするのだろうか。

obama2014.JPG


一方で、再来年の大統領選挙を見据えて、共和党も単なる反対勢力ではなく「実行できる政党」をアピールするために垣根の低い案件から譲歩する可能性も伝えられている。

そこで、気になるのはTPP交渉の行方。
自由貿易主義を主張している共和党がTPP交渉妥結に向けて関税撤廃の姿勢で強力な圧力をかけてくることも十分に考えられる。日本にとって今年から来年のはじめにかけて大きく動き出すかもしれない。注視が必要である。現政府は政治的な圧力に屈することなく忍耐強く我が国の総合的な産業発展と地域振興にかかる観点で交渉すべきである。

今朝は新聞各紙の論評を一通り見たが、TPPと同様に私が関心を持ったのは、アメリカの2大政党も両極端に主義主張が端に振れてしまい、解決の糸口が見えない、その原因は穏健派といわれる中道的な立場の議員が少なくなってきているという現実。対立を繰り返し、前に進まない政治状況に国民が絶望と閉塞感が増長していることは由々しき事態になっているという現実である。

妥協という言葉には、腰砕け、歩み寄りという消極的な印象が日本語では強いイメージがあるが、決してそうではないと思う。民意を諮ることも政治家の責任。同時に将来の布石を打つのも政治家の責任。その間における政策的対立が生むことが結構、地方議会でも散見される。そこでその間にどのような動きを見せられるか。私はその場面こそ政治家の本領が発揮される場面だと思っている。

民度が高くなり、経済的に成熟すると政治に対する信頼を勝ち得るには難しい局面を今、先進国といわれている国は迎えている。政治家に対する風当たりは強くなる一方だが、本質的な点検が選挙以外ではなかなか発揮されないのも大きな課題。それを解決していくのは政治家の質を高めていく以外に道はないし、それは最終的には社会全体の責務であるが、当事者である政治家の責任は重い。

そんなことをあらためて考えさせられたアメリカの中間選挙でした。
posted by 飯沢ただし at 13:10| 岩手 ☁| Comment(0) | My Opinion 【意見を申す】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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