稼業の運送業と関係のある倉庫会社に入社したものの、任された仕事は外国船の船積み監督(フォーマン Foreman)という仕事。入社間もなくは船会社の代理店の仕事でしたが、フォーマンセクションの人手不足か事務系の仕事が不適格の烙印を押されたかのどちらか、もしくはどちらもで、頭よりも体力と気合を重視する方へと配属されたのでした。
それで先輩に連れられていった最初の船がフランスの船会社で西アフリカ航路の船で
C.R.Doulaという船でした。同じ航路をC.R.AbidjanとC.R.Librevilleの3隻で回していました。(後にC.R.Librevilleが外れてC.R.Poite Noireが参入)

当時の船の写真はなくて残念ですが、調べているといろいろな船会社を経ていまだ現役で頑張っているようです。当時の船は写真の配色とは似ても似つかぬ赤い船体にクレーンは純白で、とても海の青に映えたきれいな船でした。
後に自分がこの船の正担当となり、こちらの船会社の代理店のポートキャプテンには可愛がれてもらいました。この船に関してはいい思い出しかありません。
また、貨物の積荷責任者(スーパーカーゴアテンダント)はフランス人で、彼らと仕事の合間にいろいろなおしゃべりを交わしたのも今となっては自分の世界観を広げるのに大変役に立っています。
士官クラスはフランス人でクルーがアフリカ諸国という船員構成でしたが、一隻だけオールフランス人というのがあって、フランスの方は3時間も昼休みに時間を使い、挙句に食事をする部屋に鍵をかけられて、食事中は一切仕事とは隔絶の状態で、肝心の打ち合わせが出来なくて困ったことがよくありました。
東ドイツの船もたまに担当しましたが、フランス人とドイツ人とではこうも仕事に対する取組姿勢が違うのかとしみじみ実感させられました。
私が新入社員で入社したのも今から約30年前。最近のフォーマンは女性もいるとかで、そのような話を聞くと月日の流れを感じます。

赤と白の船体の写真を見つけました(2013.8.24)ので追加します。