2013年01月26日

日ごと高まるILC実現への期待

1月23日に開かれた「新産業創出調査特別委員会」で
東北ILC推進協議会委員でもある東北大学大学院理学研究科 教授 山本 仁氏を講師に招き、ILCの計画誘致に向けた取組について調査を致しました。

ilc2x.jpg


素粒子物理学における標準理論の2つの原理(・ゲージ原理・ヒッグス機構)について、詳細な説明がありました。(一瞬その場の雰囲気では理解したつもりですが、文系の私にとって完全理解は?)

誘致関連についてホットな情報として
ひらめき2013年2月から新しいILC国際組織が結成され、動き出すこと。
新国際組織の目的は
・日本にILCを段階的に建設することを強く支持する。
・CLIC(CERNが推進する未来型リニアコライダー)とILCの加速器の専門家の協働をさらに改善する。

ここで注目すべきは、日本以外にILCの建設候補地の選択肢はほぼない!ということとCLICというILCに続く次世代の加速器まですでに研究者レベルでは視野に入っていることです。

ひらめきネイチャー紙社説でも「日本の科学者たちのILC誘致の試みは支持されてしかるべきである。」と論を張っている。

同時に日本政府の早期のプロジェクト受け入れの姿勢を明らかにせよと促しています。

ILC候補地の条件としての新情報は電力に関しては
ひらめきILCの31km長のトンネルで、163MWの電力が必要なこと。
これは当初想定された必要電力から低減されており、国内の総需要電力の0.1%に過ぎないことを山本教授が指摘されました。

国内の候補地に関しては、講義の後の質疑意見交換の中で
ひらめき2012年1月に国際加速器設計チームのディレクター、バリー・バリッシュ氏が脊振山地と北上高地を調査した際に、急峻な脊振に対し、後に調査をした北上高地の緩やかな地形を見て安心した旨の発言をしたとのことで、設計者においても北上高地の心理的優位性は保持されているものと私は感じました。

今後の課題として、私も山本教授と意を同じくする問題として、
ひらめきILCを誘致決定だけでは国際科学研究都市は誕生しない。
国際研究所、国、自治体、民間の役割分担と特にも積極的な民間主導によるグランドデザインの強化が必要である。(つくば研究都市の反省を生かして)

この部分は重要な提言であり、県や当該自治体でも各方面の調整が出来る人材の育成を今から始めなければなりません。

以上、示唆に富んだ講義を受けました。
ILC実現に向けて内外の情報発信と研究都市(大方の施設は東北の場合は新設)建設の準備は着々と行う必要がありそうです。
posted by 飯沢ただし at 10:40| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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